海月が波に流されて浜辺へ打ち寄せられた
今年も何かが終わってゆく
めぐりめぐる喪失の流れ

ぶよぶよとした透明な塊は
逢瀬と誕生の名残り

てのひらに白い貝殻をのせ
息吹の痕跡を確かめ ....
 
 
 
【残】



 蛹は繭の中でドロドロに溶けて

 美しい蝶になる夢を見ながら

 自らの身体を壊して新しい形にするの。



 やがて夏になり  ....
夜に開く花々に茎を突き刺し続けた男は死後
手の生えた花に、その肢体の隅々まで鉄の茎で刺され続ける

死後の性行為は互いに刺しあう
男は茎を股座に
女は刀を鳩尾に
紅白の体液を撒き散らしなが ....
誰かの理不尽な言動に
いちいち傷付いて振り回されたり
自分の無神経な言動で
誰かを傷付けたり
誰かに軽蔑されたり

人間に生まれた事が
損だったと思うのはそんな時

言葉いらない
 ....
何万年かの後
私は
泥岩の一部となり
ばらばらになった
私達は
組み立てられて
私になるのかもしれない
全く新しい名前をつけられて
全く新しい人生を
与えられて
母を持たず
産声 ....
藍の闇、琥珀の星。
三日月の船が西に寄る頃、太陽の塔の石階段を陽の守人がゆっくりと上り始める。

金の弓を手に、まるで世界を起こしてしまわないよう気づかうように、
一歩ずつ、音をたてずにゆっく ....
忘れて見える名前も知らない
並んでいるようにも
どこまでもインクの並んでいくノートに
日差しが天井に降り注いでいる

スライドがあった
整然と絵にしてみたいと
ぼんやり僕は色あせて
今 ....
囚われの身のわたし
監禁生活も半年に突入
憎らしいあなたの20歳のお祝いにと
行くことが許された範囲で準備した
ひまわりのブーケが枯れてから
もう2年の時
覚えていますか

ひまわりは ....
「見て、B-29よ。」

一九四五年のある夏の日、
私の頭上にあるのは夢でも希望でもなく
死神の翼でした。

終戦間近、戦火を免れ長閑さの残る片田舎の少女だった私に
戦闘機の名前など区別 ....
シュークリームが
雨にうたれて溶けだしている
道端のくぼみで
まつげの長い女が
バスに乗るときに落としていった
シュークリームが

溶けて流れ出している
甘い、いくつかの体液
何もか ....
オネガイ...


このまま私の中にいて

もう離れたりしないで


あなたはいつも
わたしより先に

終わらせてしまう


終わらせないで

このままふたりを
ひ ....
真夜中にとめどもなく
浮かんでいる



多層の意識の吐露



舞台は悲劇と喜劇を目まぐるしく映して



時計の針だけを朝に近づける



虚ろな時間さえ
真実を想って



眠りに誘われ ....
          おれは一番好きだ
           七夕月の落日が。
      日中こき使った交感神経に
 安堵のシグナルがともされる気がして。
  あれほど隻影に対して威張っていた ....
駈けて

駈けて

君のもとへ

幾千の夢を経て


久遠の時

遥かな空

夕日に誓った

あの日の指切り


時は人を得て

人は時を経て

佇む影 ....
月のひかりに近い
比重の


愁いが
瞳から溢れたとき


あなたはすでに
詩人であった





淡い湖に半身を浸して
何かを探し求め



深層に沈む
リングに手をのばす






ひと ....
頭をかかえることが日に日に増えていく
信じることはやめないけれど
今日もたくさんの不安が降り注ぐ

本当のことを言おう
閉塞感やどうにもならない苛立ちってのは
思春期に限ったことだと思 ....
雨日の闇は

底の見えぬ程に、深く



傘を打つ雫は
ひどく乾いた音をたてて


心まで

濡らそうとしてる



それは

儚いものを称え
明滅の郭を喩え
移ろう時を湛えて



恋しい者 ....
帰ろうかな
そう思った
一瞬を幾度か
ちらして!

5月
空は氷を溶かした青で
お花のジェット
バウンド・フォー・トーキョー
千歳の上空から苫小牧
育った家を見下ろした

掘り ....
 
 
ストッキングの
踵のあたりが破れて
熊の顔になっている

その熊に
首筋や背中を
何度も引っかかれたけれど
僕は死ななかった

真夜中
真っ暗な部屋に
NHKを灯して ....
雨の夜って好きだなぁ
ソルティドッグ片手に呟く夜中の二時
ベランダの手すりには雨粒がいっぱいで
むきだしの足のウラに冷えたコンクリィトが気持ちいい

夜って水の底みたい
キレイに澄んだ水の ....
ハンバーガーショップで
別れたばかりの彼女からもらった
割引券を使った
本当は君を思い出すために
取っておきたかったけど
期限が迫ってたので
海老フライバーガーを注文した

 ....
青い水の中
赤い鯉が泳ぎ
緑の藻が浮いている

 その脇で紫陽花は
 自分の色を決めかねている

青い空の下
赤い蝶が飛び
緑の蛙が鳴いている

 その脇で紫陽花は
 自分の色 ....
青空にレリーフ



少女は命を受け継ぎ
誰かをしあわせにする



風はつばさを授け
太陽は希望を授け


僕は王冠を授けよう


昼と夜とが
逆転する頃には

自ずから輝けますように

 ....
 声、途切れた理由を
 知ることをためらった
 まだ若かった私たちは
 過ちを犯すことに
 慣れていなかった。


 他人の言葉をかたどることも
 容易であるかもしれないけれど
 か ....
ぱしゃり、と水音をたてて
あなたは私を抱きしめる
二人きりのぬるま湯に浸っていると
まるで双子のようだと思った



「交わることのなかった二人が
一瞬だけ出会 ....
少年誌の山を崩し
初めて手にしたビニ本をめくることで
成人女性の身体には
モザイクという器官があるのを突き止めた
未知の感情に駆られ 求めた場所は
服を着ていたり
声すらかけられなかったり ....
からりからりと晴れた空


君は何を思うのだろう


溜まった洗濯物は風が揺らし


休日の私は君に揺らされる


いっそのこと


忘れてしまえば良いのに


忘 ....
脆さを暴く静寂を
教えてあげましょう

その頸をそっと絞めて
呼吸を止めてあげましょう

その限界の内側で
浮かぶものは
誰ですか 何ですか

思っている程にあなたは
大きな存在 ....
あなたとセックスしている間、頭の中で聞えていた電子音の長さを数えてみました
それはぴったり4秒で
あなたが私にしてくれたどのキスよりも長かったから
私は、いつもより大きな声で、喘ぐ

4秒の ....
朝が墜落する前の静けさに
私とあなたは手を繋いで
ただ狭いベッドにぶら下がっていた
午前五時、東京という街


徹夜明けで、熱のひかない目蓋
ピンク色の境界線がぼやけている、口唇
 ....
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