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｛引用＝生者と死者｝
安全地帯の植え込みで
ラベンダーは身を縮める
風花の中
一株一株寄り添うように

周囲には細く背の高い
雑草が取り巻いている
枯れ果てた骸骨たち
立ったまま風に　.... ｛引用＝小乗奈落下り｝
薄皮一枚
力ずくの力が萎えた両腕で
無垢な羽ばたきを模索する

庭園の苦行者は薄幸の煌めき
傷口は各々レトリックを備え
投げやりな否定で自らを慈しんだ

最初　.... ｛引用＝朝は容赦しない｝
朝は砕け散ったガラス
遺言すら打ち明ける｛ルビ暇＝いとま｝もなく
連行される
整列した諦念の倒れ伏した影が
みな時を等しく示す頃
目を閉じて　夜を
再び｛ルビ紐　.... 夕陽を抱いた木々の裸は細く炭化して
鳥籠の心臓を想わせるゆっくりと
いくつもの白い死を積み冬は誰を眠らせたのか
追って追われる季節の加速する瞬きの中
ゆっくりと確かになって往く単純なカラクリに　.... 雪は拭い去らない
覆い隠すだけ
日ごとに捲る
白紙のページ

忘却は灰ではなく
深みに沈むこと
どこか届かない
タイムカプセル

書き変えても
消去しても
記録を改ざんしても
　.... 雪を被ってすっかり閉ざされた
　枝の間　
小鳥は空を　
　　ひと跳ね　
　ふた跳ね
すっ　と吸われるように消える
とりあえず
生あるものは辺りから姿を消した訳だ
空を埋め尽くしていたあ　.... 水面から突き出し露わにされた
見えざる岩の　固く　鋭い突端
流れを切り裂いて
空間を満たしとどまることのない
　　　　　　　　　　　　　　　行進を
　　　　　　　　　　　　　　　　ただ白く　　.... 曖昧な態度のままで察し合うのが自然
と言葉で明示することもなく
顔や声音
目線や肢体の所作で流動的に日常をやり過ごすこと
に疲れもせずあなた烏賊のよう
嫌い
大嫌い
烏賊は好きだけどあな　.... 生神の鍬に
ぬっくり耕され
おれは畑になった
ねじ切られた灌木の陰茎に
スズランテープが引っかかって
女の声みたいに風がふざけている
ムクドリ毛虫食え
ミミズ食うな
おれはミミズの糞を　.... 予約時間に早すぎて
十数年ぶりに弘南堂書店へ往く
見慣れたブックオフとは違う
天井近くまで積まれた学術的古書に
おまえの目は泳いでいる
楽しい散策　わたしには
安い棚から掘り出した一冊は
　....

北村　守通さんのただのみきやさんおすすめリスト（10）
タイトル	投稿者	カテゴリ	Point	日付
寒波と二日酔い	- ただのみ ...	自由詩	6*	20-12-20
熟れた悪意の日々	- ただのみ ...	自由詩	2*	20-9-26
壊疽した旅行者＿三	- ただのみ ...	自由詩	3*	20-4-5
見えない幻	- ただのみ ...	自由詩	17*	18-12-31
日々すこやか	- ただのみ ...	自由詩	9*	17-11-25
赤	- ただのみ ...	自由詩	8*	17-11-23
流時紋	- ただのみ ...	自由詩	18*	17-11-4
奥さんあなたが嫌いです	- ただのみ ...	自由詩	11*	17-1-7
土人	- ただのみ ...	自由詩	12*	16-3-30
北大病院にて	- ただのみ ...	自由詩	17*	16-3-16

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