五月の夜の街道は
緑の風の香りする
きのう遅くにつけた香水
藍の影絵に、
刹那な、微小な
罪びとまえの姿形
五月の夜の街道は
緑の風の香りする
....
名前など 関係ないわ 字があれば
あなたの想い 伝わればいい
匂いとか 囁く声も 二次元で
横スクロール 上には行けない
なんとなく ただなんとなく なんとなく
ああなんとなく なん ....
夕星の歌がきこえる
バリトンの愁い
季節はずれの鱗雲
夕方が影をつくる
生成は忘却なんだ
やっと、わかったよ
ぼくは見つけたんだね
{画像=080513015507.jpg}
春が過ぎて、
夏になった。
けれども同じように、
ぼくの目蓋は痙攣する。
ひくひくと
嗤うような調子で、
ぼくの目蓋は痙攣する。
ひくひくと ....
●
黒丸のところが好き
●
以外の白いところは嫌い
どちらも
有限世界のお話なのさ
ぼくらは
袋の中であり外なのさ
●
黒丸のところは嫌い ....
今朝はコーヒーをいれて絵を描いていた。
開けたままの窓からはしっとりと雨の匂いがして、「梅雨か」と独り言が漏れてしまう。
東京にはもう季節がやってきたようである。
大きな荷物を両手に持って、疲れ ....
男と女をこえて
きみを抱きしめたい
欧米か!
なんて言われたいぐらい
そんな気持ち、なんだ
外灯や月がさやかになる
五月の闇が深くなる
月日は軽い足取りで ....
悲しみを表す言葉を並べて
悲しみの詩が出来たら
その悲しみは意思をもって
そっと旅立っていく
そんな気がして
僕は少し嬉しくなる
喜びを表す言葉を並べて
....
薄いピンクの花びらが
はらはらと散るように
あなたの
夢も散るのでしょうか
忙しい彼
なかなか会えないのですね
庭に咲く私を見る
あなたはとても寂しそう
いつか
....
デパートのクリスマスツリーに
くらくらしたまま席を探して
まだひと月も前なのに
心ほろ酔い良い気分
冷たい夕方にカフェで泣く
あの女の人は美しかったよ
{画像=080420115727.jpg}
それは初夏のある晴れた日の夕暮れのこと。ふと見上
げた空に、解き放たれた赤い風船が一つ、橙色の風に
吹かれて、揺れているのが見えた。
《 風 ....
空気が澄んでる。
星が瞬いている。
それだけで、
涙が溢れそうになるの。
どうしてだろうね、
そんな風に切なく微笑む
あなたをぎゅっと
抱きしめたくて......
私は思い出し ....
欠けたピースは
故障していて
だから
覗ける
希望があった
白い帽子被って
裏切りのない
五月の
風には
灰色の影には
欠けたピースは
....
長い間待ち望んでいた瞬間が訪れる
受付の看護士さんに案内され
病院らしい匂いのする待合室の長椅子に
わたしはひとりで腰掛けていた
手術自体はあっと言う間ですから
こころにメスを入れる ....
蛙の/鳴き声は
星の/鳴き声だ
地上の/宇宙で
無機質な/命の
星/鳴いている
夜風を、友よ、
ぼくは、青春と呼ぼう、
黒の日だまりのなかで
ひとりを抱えて
自転車をこいでいる
いくつか光を過ぎて
セルロイドみたいな
外灯のそばの新緑 ....
たった
一つの愛しみを
抱いて
思うところを
見つめ
寄りそう人の
片時
で
ほほ笑んで
いる
貴女の
握りしめた
左の手の
小さな 小さな
種に
なりた
....
陽だまり
長い 長い眠りから まだ 覚めていないような
ここちを指の先で触れてみた ふかふか お布団のようだった。
ふわふわ そっと っと 。.
あと少し まだ 眠たい.。 そんな風 ....
{引用=
くまちゃん
雪が降ったからね、うさぎを作ったんだ。ダイクマからの帰り道、雪が降って、ねぇ。積ったらいいのにーってはしゃいだら僕、冗談じゃない!ってみんなに怒られてさ。くまちゃんは雪の多い ....
子供たちよ
君たちの革命に
銃はいらない
うつのは心臓の鼓動だけでいい
子供たちよ
君たちの革命に
拡声器は要らない
隣の見知らぬ人に
呼びかけるだけの
裸の声があればいい
....
夜は僕の肌をなめまわし
僕の知らない僕のこころと密会する
君は君の手垢をつけ
僕は僕の手垢を付けていく
君と僕の手垢が重なることはない
見つめあうことのないふたり
洗剤は合 ....
{画像=080413012058.jpg}
ただ
生きているだけで、
疲れただなんて、
ぼくもいったい
いいかげんなものさ。
二十三の
ぼくの人生なんて、
いったいなんなんだろうと、
....
へのへのもへじみたいだねと問いかけたら
「へへののもへじ」が正しいんだと
あのひとは言った
―へのへの
叱られて家に帰れなかった
夕焼け空に
ロウセキで描いた
へのへのもへじ
....
山国で育った
目をとじると
どこまでも青いものが広がる
海だった
そうやって彼は
ときどき山を越えた
どど〜んと鯨になる
風のように
しなやかに両腕を伸ばし
....
見えない先から
ひさしぶりに糸を引かれ
私も
糸を引いて応える
紅い汗を流して彫刻のように削りだした核から伸びている、それは
時にたわみながらも千切れずに今も
在る、確かめ ....
ソメイヨシノが いっせいに咲かなくなる
春が やってきてしまった
陽炎の丘を歩く少女 青空色のブラウス
液晶の中を舞うハイビジョンの花びらが
ひらひらと ひらひらと
....
ぎゅぅってする
照れちゃうからうつむく
うつむいたら
あたしの小さなおっぱいが
君のうすい胸板を不機嫌そうに遠ざけているのが見えた
{引用=夢のおはなし
いつか君と同じベッドであたしが ....
東京は
雨の音だから
なにかにあたる
音だから
なにかに裂かれる
音だから
東京は
雨の音だから
春の先触れに咲く木ノ花のように、あなたが愛しい
静かな問いかけにせせらぐ若葉や川面のように、あなたが愛しい
暑すぎた夏を笑う木漏れ日の声
雷が鳴って、雨が降り出 ....
揚々昇り立つ煙り 山より下るは
吐く息の ちぎれるも 薄れ
野に流るる かぎろい 四季の はじまり
卯月
甘い 春の来
*
そろり そろりと やって来たのは 糖蜜の ....
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