汚れた掌に
赤いポストがあるので
たくさんの
手紙を書いた

赤いのは
恥ずかしいからだと
手紙の返事には
いつも
そう書かれていた

あの赤いポストが
今はない

窓 ....
遠くそびえ立つビル群
人間が高さを競うように
草木は深さを競い合い
私の横たわるこの下で
取っ組み合いの陣取り合戦を繰り広げている

負けるのも勝つのも好きではないと
酒のない酔いに飲ま ....
何かにつけても
茫洋として寄る辺のない
暗い淵が見えるにもかかわらず
湿りを含まない
重さのない空気を吸い
吸うばかりでそのために
くらり
反転した写真のような明るさと笑顔の中
街を歩 ....
 *灯台

   かすかにまだ
   光っている
   間違えたままの、
   やさしい思い出
   わたしの幸福な思い違いを
   あなたは
   そのままにしてしまったから
 ....
しつようになんねんざいに火をつけるような生き方はそろそろやめて


すれ違う手に手に花は鮮やかにすれ違うこの手のやけど痕


君の描くすごろくのような人生にバンカーはある?みずうみもあ ....
一.


感度のよい
センサーライトが
いきばのないくらいに
点る

道は足に
ぶら下がったままで




二.


ひまし油
(メルセデス・ベンツのブレーキホース ....
仲の良い姉妹がいた
双子みたいだったけど
双子じゃなかった
同じ髪型をし同じ目をし
同じ口もとで笑った


寝る時も食べる時も一緒だった
片時もはなれた事がなかった
花が咲く時も
 ....
同級生はドラッグストアで働いていた
名前はみらいちゃん と云った

休みの日には呼び出されて
公園を匍匐前進させられたり
炎天下の坂道を延々往復させられたり
首を革紐で縛られたり
草を食 ....
みんな大好き!
と叫んだアイドルがいた

その場の誰もが
「みんな」には自分も含まれている
と信じようとして
アイドルの名前を大声で叫んでみたりする

「みんな」
そして「わたしたち ....
{画像=080523225735.jpg}

大丈夫?
そう言って母はいつも
額に手をやった
そう言えば額の熱は
手で繋がっている


39度の熱を出した
娘の額は汗ばんで
手を ....
身体の中で潮騒を飼っている
辞書はそれを焦燥や憂鬱や歓喜などというが
潮騒はそんなにもシュハリ、と
姿を変えるものだろうか。

生まれて初めての始発に乗った。
どうしてだろうかとは考え ....
昔、通学路の畑に、ひまわりが生えてました。
大輪の花が咲く夏を、楽しみにしてました。
しかし、夏がきても、花を咲かせるようすはなく、
やがて茎は茶色みをおびていき、
幹はどんどん太くなっていき ....
夏が来て
ちいさな歩道に
気のはやい病葉が舞いだすころには
わたしはもう
いないかもしれないけれど
いまはやわらかい
光のなかを飛んでゆくわたしを見てください

(きっとあなたは
  ....
 *
トマト畑の夏は
麦藁帽子のひさしの向こう側、
湧き立つ雲と
焼けつく陽射しの中に消えた幻。
雨上がり、塩を片手にかじった果実は、
少し青臭い匂いがした。

 *
入道雲と夕立の夏
いつまでも沈 ....
早朝
周囲があまり静かなので
ちゃんと他の人が生きているかどうか
確かめるために
始発の電車を見に行く

路上に
昨晩お酒をのみすぎた人が
うつ伏せに倒れている
マネキンみたいだ ....
カタヤマくんはジャングルジムのてっぺんが好き
ここのジャングルジムは幼稚園のくせして子どもたちが登るにはちょっと高すぎるので
てっぺんまで登れるのはカタヤマくんくらい
カタヤマくんはてっ ....
銀色の
波に揺られて
揺れる
七色

ちらり
ちらり
降り積もる
銀色の
鱗の雪の下で
手を
伸ばしてみる
七色


銀色の
波の下に
静かに波打つ
七色

お ....
ゆらゆらと、
たゆたう海の真ん中に澱む
水の温きに抱かれて
小さな魚達は
大きな大きな夢を育む
故郷遠く旅をして
辿り着いた大洋の真ん中で
ぷかりぷかりと浮き沈み
ゆらゆらゆらと漂いながら
日がな ....
あなたは泣いています
あなたは泣いています
緑の雨にずぶ濡れて
ただただこの世がいとしいと


あなたの頭上に垂れ下がる
電線の雫がぽとりと落ちて
ひとつひとつが世界を映してる
あな ....
なんとなくって
あまり好きでないことば
でも毎日使うことば
なんとなく好き
なんとなく幸せ
なんとなくつかれた
意味なんて考えたことはないし
意味なんて
どうでもよかった

き ....
 祖母は絵に描いたような大阪人でした。商売が大好きで、勝気で、たまに口が悪くて、酒屋でしたからものすごく酒には強くて、花は大ぶりの派手なものが好きで、ついでにヒョウ柄も大好きで・・・そんな人でした ....  
テーブルの向こうには
崖しかないので
わたしは落とさないように
食事をとった

下に海があるということは
波の音でわかるけれど
海鳥の鳴き声ひとつしない
暗く寂しい海だった

 ....
ポケットのビスケットが
粉々に砕けて割れた
壁にじっと押しつけていたせいで
鳥が飛び立つのを見たかった
小さなクロツグミが羽を広げるのを
僕はしくじった
ビスケットは無残に割れてしまった
 ....
{引用=
いくらでも繰り返している


研磨、とがらせて、きみのくちからこぼれて、シミに慣れてしまった。拾い集めるように、読んだり読み飛ばしたり、問いかけたり問い正したり、しかしそこには届か ....
大人は忘れてしまった
中学生の頃、自分を取り巻く空気の薄さを
だってほら、なんということはなしに苦しかったじゃん
毎日のように新しい問題が降りかかってきて
解決なんてできないまま
また明日を ....
あの、ね

  君の語りの中にはいつも海があって
  壊れた砂時計が海岸線を塗りつぶしている
  波はいつの間にか言葉になって
  こだまする、喉の奥

赤いうさぎを抱いた少 ....
書き留めたことばの意味をわすれてしまってどこか遠くなの {引用=気がつくと私は朝食を食べていて
ちょうど大根の葉の炒め物を乗せたごはんをお箸で持ち上げようとしたところだった}


突然ですが
はだしの生活を始めて
そろそろ3年になります
コン ....
どてかぼちゃ   どてかぼちゃ  ぼくは ぼくは  どてかぼちゃ
トナカイのー   真—っ赤なー   おはーなにー     シンパシー
へーやーのー   片隅にー     ....
何かが転がっていた
転がってきた
柔らかい何かを踏んだ
羽だらけの塊
小さな翼なのだった
踏んだのか
踏んだのか
振り返り見て見ないようにする
人通りの多い階段脇
誰も
立ち止まら ....
あすくれかおすさんのおすすめリスト(329)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ポスト- 小川 葉自由詩508-7-18
気の迷い- 佐々木妖 ...自由詩12*08-7-14
こんな堤防の上をあるいている- 水町綜助自由詩1108-7-14
海辺の詩集- 嘉野千尋自由詩49*08-7-13
ためしに一人で生きてみます。- hachico短歌308-7-12
断片集「まり麩」- 簑田伶子自由詩16*08-7-11
姉妹BOX- 石瀬琳々自由詩6*08-7-11
未来ちゃん- 吉田ぐん ...自由詩2308-7-11
ホコテンのひと- 恋月 ぴ ...自由詩30*08-7-10
額に手は繋がっている- beebee自由詩2508-7-5
潮騒が撃つ- Rin.自由詩36*08-7-3
ひまわりの木- 小川 葉自由詩308-7-3
もんしろ- 「ま」の ...自由詩4*08-6-28
トマト畑。- 遊佐自由詩6*08-6-25
始発を見に行ったときの話- 吉田ぐん ...自由詩12+08-6-24
すべての男は天使である- れつら自由詩7*08-6-22
アオリ烏賊- 北村 守 ...自由詩5*08-6-21
故郷。- 遊佐自由詩3*08-6-19
緑の雨- 石瀬琳々自由詩10+*08-6-5
なんとなく- アイバ  ...自由詩408-5-27
ただ捨てられるだけの日記- Rin.散文(批評 ...32*08-5-27
遺書- たもつ自由詩2408-5-15
温室- 石瀬琳々自由詩7*08-5-14
(カイエ、いる)- nm6自由詩408-5-9
忘れてしまったんだ- よしおか ...自由詩5*08-4-28
あの、ね- Rin K自由詩38*08-4-26
エトランジェ- nm6自由詩508-4-22
西洋甘菜- よしおか ...自由詩6*08-4-18
どてかぼちゃの歌_31才クリスマスver.(不完全版)- guchi_k自由詩408-4-8
小さな翼- よしおか ...自由詩8*08-3-26

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