夏の晩年
シホ.N
切迫した最期の
夏の到来は
記憶の中でぶよぶよしつつあって
ゆっくり弛緩しつづける
こよりみたい
つづく夏を重ねるたび
もはや静止でも
昂ぶりでもなく
無為のまま指先にふれてる緊迫の糸
無意にさぐる指先で
ほぐすこよりみたい
あの夏からすべての時間
来ぬ
すべての時間
脂汗と共にぶよぶよしつつあの夏の熱
切迫してなお
終わらぬ夏の
捻じ押出されるこよりみたいな
自由詩
夏の晩年
Copyright
シホ.N
2011-08-13 15:17:18
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