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血塗られた常陸の土蜘蛛は
山の佐伯に野の佐伯
穴居
人が来れば窟(むろ)に隠れ
人が去れば野に遊ぶ
牧歌的な生活をする。

人と自称のわが鬼は
留守の窟に茨を敷き詰め
野に遊ぶ土蜘蛛 ....
初夏の夕暮れ

見舞いに来た僕は君と歩く
五階の病室から一階の売店まで
五階のエレベーターホールまで
病室から二〇メートルほど
エレベーターに二人で乗る
乗るときも手は離さない
三五年 ....
(知人)

友人ではないが、親戚ほど疎遠ではない。

最近は特に犯罪報道でよく見かける

匿名性を条件で被害者との関わりを能弁に語る者

推理小説の真犯人ではない。

現実の世界で ....
塔を建てようというのが誰の発案であるのか不明である。
しかし、建設が始まると人々は、何の疑念もなく塔の建設に熱中した。
全ては塔の建設のため。そこには身分も貧富の差もなかった。
 はじめに塔を建 ....
朝露に濡れた薔薇のつぼみよ

蕾の持つ美しさ

それは未来(あした)という一瞬の輝き

過去(きのう)は蓄積され

そして、沈澱してゆく

現在(いま)は消費され

過去の薄っ ....
耳元で囁く日常
猫がじっと目を凝らして
僕の眼をのぞき込む
だらだら歩いていた日常が
突然両手を上げて走りだす。
平穏に不満を述べている日常が走りだす。
大声を上げて

テレビの事件が ....
淡々と歩いて居た日常が
ある日叫び出す
テレビの中にあった非日常を
引きずり出し目の前に突き付けるために
それは突然現れる
非日常と現実を区別して居た
馬鹿馬鹿しさに気づかず
悲鳴を上げ ....
病棟の面談室で
並んで座った僕と君は
三五年前と同じで
とりとめもないことを話す

天井は低く殺風景な面談室
飾るものは作者不詳の風景画
部屋の隅のテーブルでは
患者を囲んだ四人がひそ ....

曇り空の夕暮れは
町を朱く染めることも無く
夜の闇が次第に
足元に絡みつく

足取りは重く
暗がりの多くなった街を
抜け出せることもなく
赤い提灯の灯りを頼りに
居酒屋の縄のれ ....
吾妻橋一九七二年六月
つぶれるはずのビアホールで
神保町の石屋の伜と
一八の僕はたらふくビールを飲み交わし
ぐでんぐでんの千鳥足

売り飛ばされたはず(?)のビヤホールは
そのまま生き残 ....
 道端に 老いを養ふ あせびかな 坂道の途中
ぽつんと一つ、ゴミ箱一つ
昔ながらの黒いゴミ箱
黒く塗られたゴミ箱一つ

ゴミ箱の蓋に
膝を抱えた子供が一人
ぽつんと座り
虚空を睨む子供が一人

唇咥えた子供が一人
 ....
想像してごらん
額に猫を載せて歩いてゆく人を

想像してごらん
通りを横切る犬の大きな糞を

想像してごらん
派手なミニスカートをはいた金持ちの貴婦人を

想像してごらん
パレード ....
 単純な方法に慣れて親しんでいたおれには、この街の未来がありありと見えていた。ありとあらゆる工場は廃墟と化す前に打ち壊されて、その代わりに実体のない紙幣に踊らされたモラリストたちが残飯を食ったりするレ .... 猫は一日
ひがな一日丸くなり
日だまりの中で丸くなり
屋根の上で丸くなり
塀の縁でも丸くなり
玄関口で丸くなり
自動車の下でも丸くなり、
部屋の温もりに丸くなり
タンスの上で丸くな ....
ざーざーざーざー雨が降る

部屋にポツリと男と女
外は雨がざーざー降り
女が照らす明かりの側に
男は入らず闇の中

部屋に二人で男と女
外は雨がざーざー降り
女が尋ねる言葉の先に
 ....
その道の先

途切れた先に海があり
海を覆って空がある
空のなかには窓があり
窓のなかには月がある

その月の先の暗闇に
えも言われぬ雨が降る

二つを分けた雨雲の
そのまた先に ....
茂れる樹々の葉の間
真夏の太陽 白い雲
小さな空に白い雲
公園の外はアスファルト
ゆらゆら揺れる路面の景色
権力者の膝元に
声を嗄らして叫ぶ人々
クマゼミの声より
ジージーと
子孫の ....
いつからあるか給水塔
コンクリートで固められ、
一二本のピラスター(付け柱)
誰が呼んだか丘のクラウン
二基一対の給水塔

昭和どころか大正の
遙か昔の古城のよう
異様な風貌の建造物で ....
昼下がりのファミレス

奥まったテーブル席
初老の婦人が
ぽつんと一人
一人 ナポリタンの遅い昼食

ゆっくりと彼女は
飲み放題のコーヒーを
啜る
そして 静かな店内に目をやる
 ....
落下する一滴の体液
足下に舗装された道が広がる。

一滴の体液は一滴の水ですらなく
足下を潤すことはない

アスファルトに吸収されることもなく
側溝に流れる粘り気のある体液

全て虚 ....
青々とした芝生

白いペンキの塗られた木造の教会
用も無いのに入り込み
環状六号線沿
歩道との間の
緑の生け垣を越え
仰向けに寝そべる

僕の視界には青い空しか見えない
誰も遮らな ....
「叙事詩の精神ーパヴェーゼとダンテ」 
 河島英昭著 岩波書店 1990年8月27日刊

著者はイタリア文学者です。ボッカチオなどの翻訳研究でも知られているらしいのですが、私は余りイタリア文学に ....
広い野原に
抜ける空

ぽつんと
ぽつんと
木が立っている

横に広がる枝ぶりと
見事に茂る葉 葉 葉
空と甍のその間

広がる枝を覆い隠す
天平の空の庇に
広がる椨(たぶの ....
ルネ・マグリットの明瞭な形象
目に見える思考 大量の発汗
狂態と円錐形の構贓物と
立体部品の組み合わせによる人体

言葉とイメージの形象は
解析不能な現実と邂逅し、
理解不能な所産と謎め ....
乞食

たった一杯のコーヒーを飲めずにのたうち回っている老人
その瞳の中には険しい眼差しとオドオドした炎のちらつき
言葉を無くした老人は襤褸を纏って道を彷徨う
ぶつぶつ世間への呪詛なのか
 ....
山のあなたに辿り着き
人生全部吸い込んで
空に向かって叫んでみたら
先っぽ なぜか膨らんだ
どういう訳か膨らんだ

いつまで経っても捌け口は
見えぬ病のその先に
空に向かって叫んだら
 ....
脂喰い猿

彼らに鉱物性の脂を喰わせた

OPECのスペックは
その金でボール遊びに大金をつぎ込む
あの黒い大地という偏見に人攫いを雇い

人攫いにオファーされた子は
契約というリバ ....
夏の雪降る深海の
窓にうっすら映る影
ちょうちん鯨の大口に
飲み込まれたのかマルラメの
思考の中の小宇宙

星々の輝き 極彩は
積乱雲のその向こう
遥か彼方に拡散し
そのまま夢の辺境 ....


寝床の視線の先の廊下に
猫のたたずまい
こちらに顔を向け
黒猫の視線の先の寝床に
飼主のたたずまい
顔を猫に向けた飼い主の胡乱な視線

あくび一つ

寝床の頭上の先に
開 ....
beebeeさんの……とある蛙さんおすすめリスト(219)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
土蜘蛛- ……とあ ...自由詩10*14-6-6
夕暮れの病院- ……とあ ...自由詩11*14-6-4
何人??- ……とあ ...自由詩9*14-6-1
塔の寓話- ……とあ ...散文(批評 ...7*14-5-26
つぼみ- ……とあ ...自由詩17*14-5-20
非日常- ……とあ ...自由詩15*14-5-16
非現実- ……とあ ...自由詩10*14-5-14
面談室- ……とあ ...自由詩20*14-5-12
居酒屋幽霊- ……とあ ...自由詩11*14-5-8
両国橋- ……とあ ...自由詩11*14-5-1
早春- ……とあ ...俳句6*14-4-18
空き家- ……とあ ...自由詩11*12-10-13
想像してごらんイマジンをージョンの誕生日によせて- ……とあ ...自由詩18*12-10-10
別れの詩- ……とあ ...自由詩9*12-9-30
猫の日課- ……とあ ...自由詩12*12-9-28
雨の別れ歌- ……とあ ...自由詩8*12-9-25
犬と鳥- ……とあ ...自由詩14*12-9-20
デモ……言いたい- ……とあ ...自由詩8*12-9-18
おかの上のクラウン- ……とあ ...自由詩11*12-9-17
ファミレスの孤独- ……とあ ...自由詩19*12-9-13
一滴の水遊び- ……とあ ...自由詩10*12-9-11
夏ーエスキース- ……とあ ...自由詩8*12-9-6
叙事詩??物語・詩??- ……とあ ...散文(批評 ...6*12-9-5
椨(たぶのき)ー上総国分尼寺- ……とあ ...自由詩9*12-9-3
頭に絆創膏を貼った猿の見る白日夢- ……とあ ...自由詩10*12-8-30
不安不安- ……とあ ...自由詩12*12-8-28
さきっぽ- ……とあ ...自由詩16*12-8-23
脂喰いザルの正義- ……とあ ...自由詩8*12-8-21
粋人の午睡- ……とあ ...自由詩10*12-8-16
ねどこの朝- ……とあ ...自由詩6*12-8-13

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