粋人の午睡
……とある蛙

夏の雪降る深海の
窓にうっすら映る影
ちょうちん鯨の大口に
飲み込まれたのかマルラメの
思考の中の小宇宙

星々の輝き 極彩は
積乱雲のその向こう
遥か彼方に拡散し
そのまま夢の辺境の
秋の午睡の夢のまた夢

劇中劇の伝聞の
新超星に覚醒し
そのまま尽きるか
その命運 

人里離れた果ての果て
端太鴉が頭上を舞い
狙われるものはこの魂
諦めるには早すぎる
棄ててしまうには多すぎる

頭上天空 見上げれば
極彩色の諂曲模様
賢治にへつらい
地上にへつらい
描く地上の虫の溜息



自由詩 粋人の午睡 Copyright ……とある蛙 2012-08-16 19:17:51
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