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朝焼けの虹と青の淵
教会の十字架の左斜め上

月が泣いていた
涙を流していた

昨晩遅く
見たときは
あんな魅力的で
悪戯っぽい微笑をたたえていたのに

いま月は目を閉じ ....
まだ三日月が出ている

朝日が昇る前の暁は
昨夜寝る前より暗い気がした

冷たい風が吹くと
私たちは身を縮めて祈る

朝靄が街をぼかす
雲がべったりしている
今朝を描いた画 ....
コンクリートの直方体に
鉄の芯が入り
表面がガラスで覆われた
無機質で重い建造物
その林の中にいると
美しい灰色の空気によって
吐き気がする

夜になると
別の世界が顔を出す ....
人生は不思議だ
張り巡らされた蜘蛛の巣のように
複雑で
美しく
恐ろしく
それでいて
サイコロ遊びのように
シンプルで奥が深い

人間関係も不思議だね
感情によって色が変わ ....
こんなものだっただろうか

月を見上げて、
綺麗だな、と想った

それでお終い

朝日が上った
眩しいから目を逸らした

それだけ


ノートに這う寝ぼけたみみずとか ....
口から漏れた私の言葉は
プリズムを通って拡散する
言いたい事はいつだって
全部薄れて伝わんない
頭の中にいる何らかの存在
ペンでグシャグシャって
書きなぐったヤツがいる
どうでも ....
たとえ目を見開いていても
まるで目を閉じているかのような
黒い黒い宇宙

瞼の上から眼球を押すと見える
青紫の逡巡
網膜の裏の血管がちらつく
波打ち始めた模様の後に
現れた白い ....
思い出した
思い出してしまった


宵の寒空
その底に沈む空気を吸って

木枯らし

髪は乱れ
呼吸は出来ない
内臓を風が通り抜ける感覚
僅かに揺れる身体

静けさ ....
宇宙が透けて見える
透明な空を切り出して
ワイングラスに

緑と青と紫の間を
彷徨う涙の海をボトルに詰めて
111年

封を開け
グラスに注いだ

未来の記憶から
冬山 ....
冷たい風の音だけが聞こえる
悲しい夜の寒さだけを感じる
月に向かって飛ぶ機体は
陸に全てを置き去りにした

街の遠い灯りが見える
知らない街の時計塔を見る
左に沈んで曲線を遺し
 ....
たとえ君が空腹を感じても
僕は君の為に何も出来ない
君に何かしてあげたいのだけれど
何一つ出来ない
皿の上の一切れのパンを
君は食べるだろう
空腹感が消えるだろう

僕は何も出 ....
ふと
淋しさの風が吹く
秋は寂しいと誰かが言った
ふと
自分が殻だけになる
スペースキーを押した
零ですらない
ふと
空虚な気持ちになる
自分は無数の細胞の集合
それが
 ....
どうしようもない気持ちだけを抱え
90円を握り締め
僕は今、電話ボックスに
電話をかけた事のある人なんて
僕にはいないけど
今時誰も使わない電話ボックス
重いドアを開け
暑苦しい ....
たまに私がする、お風呂の入り方
オリジナルだといいな
湯船に浸かってからのお話です
それ以前は自由です

湯船の温度は
42℃くらい
ちょっと熱めのお湯なんです
湯量は
いつ ....
そこには雲ひとつなく
静かな青空があった
白い太陽の線が
存在を地上に焼き付けた


僕の形をした暗黒
何も語らず
何も見ず
僕と同じ動きしかしないが
深い深い底無しの
 ....
蒼い夜を仰ぐ
氷点下の月面は寒いだろう
息をするだけで
小さく鋭い氷柱を飲むような極寒
月の海はどれも凍りつき
孤独死をするのにはうってつけだ
氷点下の月面はきっと美しいだろう
 ....
昨日と同じ時間に起きて
昨日と同じ電車に駆け込んで
昨日と同じ坂を登り
昨日と同じ教室に入る
昨日と同じく昼ご飯を食べて
昨日と同じ友達と
昨日よりも楽しく笑って過ごす
それが今 ....
実験室に一人
倒れていた


痺れて一寸も動かない
もう何も感じない部屋
血管内を毒が駆け巡る
血反吐を吐いてもなお
痛みも恐怖も感じない
生きている自覚の薄れ

そ ....
こんなにも幸せな誕生日は初めてだ

今まで

今日という日まで

生きてて本当に良かった

って思えた


今までだったら嬉しい時に

“今なら死んでも良い”

って ....
僕がもしも男なら
私がもしも女なら
君に抱き締めて欲しかった
そして殺して欲しいんだ

もしも私が億万長者なら、ね
殺し屋を雇って殺してもらうの
とびきり腕の良い人を雇って……
 ....
“最悪な日だろうと最高な日だろうと
明日という日は必ずやってくるのだ”

彼は首を傾げた
何故明日が来ると確定しているのだろうか?
明日が必ず来ると
何故言い切れるのかが解らない
 ....
つまらない事でも
人は死にたくなるものだ

どうしようもなく死にたくなって
家を飛び出した深夜
空が墨汁でも零したのか
夜がどこまでも黒い
1と0に点滅する電灯を辿って
い ....
人のこころは
陽炎に揺らめく砂漠に置かれた
少しだけ水の入った
壊れやすい硝子のコップ

君の言葉で水は満ちる
放っておけばすぐ乾く

君の言葉が
君の愛が
僕を満たし潤し ....
黄昏のような明け方、夜の今際
悲しみに暮れる夕焼けの如き早朝は
空の青と昇る陽の赤が
混ざり合い織り成す紫
また明日、と言って君に背を向けた
その明日が今日だ
染まる雲の柔らか ....
これ以上この穢れた空気を吸いたくない
もうこれ以上息が出来ない
この世界はまるで変わろうとしない
まるで自転を忘れた地球
この惨劇を見たくない
部屋の電気を消すのと同時に
世界も一 ....
まだ足りない

融け出しそうなアスファルトに
全てを投げ出した缶コーヒー
プルトップ付近から流れ出す
真っ黒な涙
この世の暗い暗い所を
かき集めて固めて挽いて
それでも足りない ....
夜の公園に
惹きつけられるように入る
煌々と光る場違いな電灯
木々の手前にあるブランコを見つけた

オーケストラが始まる前の
各自がバラバラの音を出すチューニング
管弦のラや
 ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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