私は思い出す/つめたい夜に/カルメンの盗んだ/赤いワルツ!

/或る冬だった/私はもう目の前を何度も旋廻していた/震えるように足拍子を刻んでいた私を席に着かせ/踊り狂う赤い靴をホットミルクで切り落 ....
 薫風馨る五月の窓に
 ぬかるむ畦道を辿る貴方の後姿を見ていました

長い髪を靡かせて振り返ったあなたの口は
手話の解説のようにはっきりと動くのに
何回も繰り返しても聞き取れないのでした
 ....
マリーは笑うために呼吸をしているんだって、誰かが言った
マリーはお気に入りのおもちゃのピストルを手に持って
後ろ向きのあいつと、しゃがんで泣いているあのこに銃口を向けてた
弾丸は飛ぶわけないし、 ....
寝てる間に熔けて口いっぱいに溢れた金属のようなチョコレートが嚥下しても嚥下してもしきれない
私の前に横たわる地獄とはそういった種類のものなのです




うたをかくのがすきなんです
おは ....
/事実、あるいていた。
海岸線と海岸線の隙間に、隠れるようにちいさく。
裸足で踏んだ熱い砂浜はコンクリイトのように固く。

/事実、みつけていた。
半田鏝で容易にべっとりと結び付けられた簡略 ....
?.

埋め尽くされている
埋め尽くされている

混沌の中で
バラとシマウマとミトコンドリアの死体とが持ち上げている
その全てを白い肌の中で殺し、生かし、踊っている右脳の中で


 ....
午前3時に咲いた {ルビ鈍色=にびいろ}の花腐し
嘘を塗り重ねて
すこし刺々しく君に抱かれた柔肌が 
うっすらと赤みを帯びる


君は私の名前を呼ぶ どんな抑揚もつけずに
ただ平淡に溺れ ....
湿らせておくれ
軟らかくしておくれ

骨に響く 歌を聞かせて
骨に響き渡る 言葉を その発声で
骨にひび入る 言霊が咽喉から溢れて

潤った声帯は愛に震えながら
情感が喉から零れ落ちた ....
千トン用ターニングローラーの不具合で

お客様の工場での徹夜作業がつづいている

ギアが破損しているのだけれど

それを取り出そうとしても蓋があかない

バーナーでなんどもあぶってみる ....
無人駅の廃れたホームに立ち
缶コーラの
残り数滴を啜り
サヨナラのハンカチがたくさん舞うような
一月の空のメランコリーを見ていた

時間は午後
暫定的に午後
そうと知ってい ....
華やかなのは

時代ではなくて

なあ、おまえ

今どうしている

青い影を歩くのか


友よ

夏の日の葉裏よ

秋の日のコンビニよ

冬よ

春の夜のセックス ....
ホームレスが灰皿に
深々と頭を下げている
制服の女性が後ろで睨みつけている
歩道に頬杖を付き
Yシャツに血が滲む
彼女の脚の下
フォーカスをぼかし
そこいら中に降ってくる
皮のアイスピ ....
まだ日のあたらない街灯が夜道を照らしている。
ネオンの光を辿って私の電話が鳴った。
シーラカンスからです。
「僕の骨を探してください」
そう言ってシーラカンスは言葉をおいた。
「見つけて僕の ....
ポットの注ぎ口から
授乳温度の液体ネコを流出させて
膝の上に置く

ネコは不定形
とろーり とろーり
湯気を立てて 
うたた寝をしている

ネコの脳波はカップの上で波紋を立てて
き ....
あなたが 空が大好きだから

わたしも 空を見上げる機会が増えました


空の色とか 雲の形とか
興味なかったけど

あなたが 嬉しそうに語るから
いつのまにか わたしも
空の 表情や 機嫌が 気にな ....
 さらさらと

お前は何しに来た

 こんこんと

お前は何を話しにきた

 しんしんと

お前は何を聴きにきた


 さらさらと

また人々の掌に舞い降りてきた
 ....
ジェシカ、
42口径の
悲しみを胸に
押し当てて
お前にいつか
言いたかった事が、
言いたかった事が、
あるんだ。
 
ビルの向こうから
何気ない日々とか
ありきたりだとか
朝 ....
               071223


考える人のポーズで休んでいたら
さぼるなと先輩にどやされた
先輩はそのまた先輩にどやされて
休むことはさぼることだと信じている
生きている ....
人の想いは伝染する。

だから、
いつでも素直でいよう。
いつでも笑顔でいよう。
沢山の愛を感じていよう。
小さな幸せを見過ごさないでいよう。
素敵な気持ちでいよう。

不意に闇に包 ....
母に堂々と指差しをしながら
「ばーーか、かーーば、どじまぬけーーー」
と小僧が歌うので

小僧を指差しながら
「あーーほ、かーーす、でぶさいてーーー」
と歌ったら

小僧「あ ....
空の鋭角を切りとるように
にじみ出した切りとられた
青い空のカメラ
オブスキュラ
青い空の向こうの黒い宇宙

果ても見て
見ぬふりをして過ごした時間
時間のすきまに
おとずれ ....
ひとつひとつに
名前なんてなかった
きみだけが知っていた
美しい世界
神さま
ねえだから
きみは神さま
みんながうまれたときに
さいしょに泣いてくれたのは
きみだったな
あわくする ....
ゆきつもどりつ戻り橋

雨にかすかの影うつす

きいてもらえぬ声千歳

まどうこころに戻り橋


ゆうべのけがれ

あなたの声か

からだを濡らす

あなたの声か

 ....
 
 
 
 
きみはコーラを飲み干せない
柴犬のジョンは鳴けない
そしてぼくは笑わない
 
3つ揃うと
「不幸」
ができた
 
きらきら光る
「不幸」
だった
 
  ....
                 2007/12/15




白々と初夏の短い夜が明けて
東の空にも
シロナガスクジラを思わす雲が
ゆっくりと背中を持ち上げる
美しく光ったりして ....
君から譲ってもらったのは
淡いグラデーションの空
透明に近いあの感じの中で
僕は気が違いそうになっていく

君から奪ったのは
なんでも飲み込む深い淵
虚ろになることで
許 ....
1年前の物干し竿がボキボキ折れたため

線香立てに刺し

バスタオルを半年前の乾麺にかけると

「向いてないですから」

一瞬で職場放棄され
シフトに二つ穴が開き

洗濯機が運ぶ ....
黒い道がのびている
静かな{ルビ轍=わだち}が寄りそうように走り
道の上には白い雪が
粉砂糖のようにやさしく降り置いて


灰色の空には切り裂く翼もなく
肌を刺す冷たい空気ばかりが動く
 ....
{引用=私は失敗の多い女の子じゃない。}
生々しく映えている淡い光の中でみっともなくすがりつく、皮膚のたるみなんかでもない。
大きな椅子の中で眠りについて教えてアリス。
時間はまだ探せないの?
 ....
吹き上がる

地下鉄の風

はずしたネクタイが

飛ばされる

それをつかもうとして

右手が顔をぶつ


蛍光灯の白が

やさしい色のように

ぼくらを均質にする

それが不快だ


吹き上がる

 ....
揚羽 欄符さんのおすすめリスト(80)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
赤いワルツ- aidanico自由詩508-4-11
- aidanico自由詩608-4-10
マリーのこと- 無知アコ自由詩2*08-4-7
あたしのものではないこどく- 因子自由詩6*08-4-6
括る- aidanico自由詩208-4-5
死。私が見たのは、- エチカ自由詩4+*08-3-10
林檎落下- エチカ自由詩8*08-2-3
若き歌人に- アハウ自由詩308-1-18
夜の薄いひかり- 吉岡ペペ ...自由詩308-1-16
もう風の中にもない(教えてくれなんて初めから言ってなかった)- ホロウ・ ...自由詩6*08-1-14
青い影- 吉岡ペペ ...自由詩508-1-13
くすぶる- 佐々木妖 ...自由詩10*08-1-12
イマジネイションの腐海- エチカ自由詩6*08-1-12
液体ネコ- アハウ自由詩22*08-1-11
携帯電話で撮る空- 北大路京 ...携帯写真+ ...15*08-1-7
- 乱太郎自由詩20*08-1-7
ジェシカ- 黒子 恭自由詩1008-1-5
夢を見る人- あおば自由詩8*07-12-23
伝染- ライチ自由詩6*07-12-21
愛ね暗いね名はトムジーク- リーフレ ...自由詩3*07-12-21
ゴーシュ- mizu K自由詩4*07-12-20
神さまとさよならする日- アオゾラ ...自由詩3607-12-20
戻り橋- 吉岡ペペ ...自由詩407-12-20
たとえばそれはビー玉のようで- 森さかな自由詩707-12-19
機関車とくじら- あおば自由詩7*07-12-19
「僕が手にしたもの」- 菊尾自由詩1*07-12-19
その優しさ- 佐々木妖 ...自由詩11*07-12-19
絵本- 石瀬琳々自由詩18*07-12-19
Alice- エチカ自由詩6*07-12-19
地下鉄の風- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...207-12-18

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