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瞳の中の園丁は俺
その情念を
醜類に沈ませようとするなら
心の深海から抜剣して
あなたを妖しく陶酔させようか
その時は時を選び
夕焼けをプリズムの断層にして
それを次元にして
君を開花 ....
君の心臓は
「車の中で注射して」
と悟らせた
でもその前に
せめてジュラルミンを身体にぶら下げて・・よ
俺の我慢の看板も壊れたら魅力は無いんだ
大体、君と会うからに ....
二〇〇〇年隠居元年一月一日。墓参。
東京都立多磨霊園二四側四九。
おふくろとおやじとおとうとに「無職」報告。
おそい午前のひざしはおだやかで風もない。
よどんだ時のながれのなかに六九歳 ....
サクラサクラ僕は行きます
風の逆巻く世界の果てを走る走る
花弁散り敷き足首ざくり踏み込むと
散り散り舞い上がる幻視幻聴幻臭幻覚
しっとりうっとりなよやかにはらはら
しかし激烈 ....
鳥のように生きたいと言っても
鳥の悲しみなど
知らないで
薔薇の花のようになりたいと言っても
薔薇の苦しみなど
知らないで
知らず 知らず
ひどい仕打ちをしていることを思って
....
昨日でなくて
明日でもなくて
永遠の向こうにある
今日
“おかえりなさい”と
風に揺れてる 桜草
思わず 微笑みかえしてしまう
不思議な春の魔法
今 旅に出よう
この灰色の街を逃れて
心も涙もなくなってしまえ
何もかも空っぽになってしまえ
そしてただ ただ
あたたかな黄色に
一面の黄色に包まれたい
うつむいてる私と
見上げてるあなたたち
それに勇気づけられたから
君がうつむいた時に
私は水色の希望の星になって
咲いていたいナ
扉を開けて
去る者がいる
新しい道へと
新しい世界へと
つぼみのままでは
何も見えない
ひだまりばかりじゃ
強くなれない
ひと雫の友情を胸に
去りゆく者へ
ご卒業おめでとう ....
恋をすることは惨めだ
倉庫の巨大な薄闇の片隅で
段ボールの埃をはたいて
組み立て式ペーパーボックスの
在庫を数えながら
君の黒髪を両手に受けて
溢れるほど両手に受けて、顔を
....
風が強くて
笑うほどはためく
せんたくものたち
私のからだも
飛べたらいいのに
月に散った桜に
銀の雨が降る
うまく眠れず
見あげてみれば
落としてきた
私がそこに
時計 − 針 = 休日
車 × 湾岸線 = 風
マグカップ + 海水 = 地球
夕方から恋人と会うが
今は一人昼過ぎ
なにやらイマイチ
気持ちがボーッとしている
恋人に物を買ってあげる日でもないから?
外は三寒四温中だから?
好きな音楽のCDが転がり過ぎているから ....
ベランダに産まれた雛を祝福します
遠吠えでもいいでしょうか
忙しさに そぞろにかまけます
できないものはできないので
ベランダで空地の雑草が生い茂ります
今なお 石に躓く幼さですから
....
無数の硬い実だ
日陰の広いテラスの横で
落葉したポプラの木に実るのは
黒く枯れた夢だ
初春の陽射しに映る
しろく輝くビル街は
湖水の向こうの蜃気楼
見たことの無い未来だ
二人で ....
パラダイスが弱っているよ
ああ、早くしないと
早くキスしないとみんなダメになってしまう
夕焼け雲の形をした船は沈み
トカゲたちの種の命脈は絶えちゃうんだ
僕はぐったりと射精し ....
洋なし色に 辺りが包まれ
萩焼のカップには
チャイの印香が漂う中
窓辺からは
いつもと同じ風景
いや 今日は
こんもりと茂る葉の代わりに
樹木には 綿雲の実がなり
成熟したそれは
....
でっぱらない 私
仲間と入ったレストランで
おんなじものを食べて
美味しいと騒いでる中で
一人だけ
まずくて食えないとは
言えない
まあ 好みは色々だからねえ なんて
誤魔化したつ ....
そっと想うのは
君の幸せ
私は少しでも
顔を出せているのかな
たとえば
本のしおり
サンドイッチのパセリ
寒い日のマフラー
日常の何気ないところに
そっとでも
顔を出せてい ....
あなたは、あなた
わたしは、わたし
逆立ちしたって
違う人間だけど
手をつなげば
わたしたち
ひとつの夢を
追えるといいね
淋しいときには思い出してほしい
悲しいときには思い出してほしい
あなたの苦しみを
共に苦しむことはできないかもしれないけれど
あなたをまだ知らなくて
何の力にもなれないかもしれないけれど
....
小学生の時の話で
学校に行くと先生が休んでいて
自習の名目で
突然試験をやらされた
わからない問題は後回し
けど 記憶にないから
答えず終い(俺はね)
そ ....
その港の海は
溶鉱炉の煙突の火で燃える
月面が見たくなったら
その火柱の傍で
7つの石を 意思を
いっそ一度に海面に放れば
一瞬だけでも見れるのだ
....
ごめんね、ごめんねと何度もあやまった。
泣けば泣くだけ、悲しくなった。
木の幹の中は
小人の国
「冬」という地下の駅から
汽車の音がきこえるよ
しゅっぽ しゅっぽ
長い長いトンネルぬけて
しゅっぽ しゅっぽ
新しい緑の帽子をかぶった小人たち
夢と希望ととき ....
君と初めて会ったのは
病院の白い背景
小さな小さな君に
どんなに 喜びをもらっただろう
今はもう
上から見下ろされている
目の前に君が座ると
その背中で テレビが見えないんだ
あの ....
ほんのつまらないものにも
隠された意味があるのだとしたら・・・
どうしても捨てられない
くたびれたぬいぐるみ
君はずっと見てきたんだ
転んで擦りむいた膝小僧も
叱られてこぼした涙も
....
正直に言います
今 あなたを見つめてました
ふいに目があって
慌てました
アッカンベェをしました
正直に言います
アッカンベェは 嘘です
心でそう言っ ....
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