北の国で少女は
歌を集めて翼を織った
旅してゆきたかった
生ぬるいかげろうの季節に
歌はそこら一面で摘まれ
籠のなかでちいさく鳴いた
迷子になったひよこたち
草原を季節風が ....
牽かれていく二すじの偏光
孤独な少年の手なぐさみ
自転車にまだ補助輪があったころ
ぼくは愛されていたかしら
いなかったかしら
初夏の予感が初めて来たとき

駅前通りに二匹の妖精 ....
突然見舞われる不幸は
偉そうなご高説によるものではなく
リアルな現実でしかない。
直面する哀しみは
勿体ぶった芸術作品の中にあるのではなく
喪失したという現実の中にある。
今見ることの ....


                 120222


すべての動物は静物園からやって来たのだと二人の男が決めつけた
男は一人いれば充分なのだから
一人は男のふりした紛い物であ ....
何をためらっているの
細胞が覚えているでしょう
心が脈打つ度に感じないの
いのちを抱きたいのでしょう
肌が泣くほどに抱き合えばいいよ
後付けの科学は興味深いけれど
あなたはあなたをもっと
 ....
{引用=テーマ/SF(サージカル・フィクション)}
 こないだのGO

雪国まいたけのGO(*)は
思慮を醸した声音が好ましかった
がついこの間出ていたGOは
顔面が何か不自然で
目元が ....
取るに足らない枯木に
カシミア混の古いコートを着せて
目抜き通りのほとりで
タクシーを拾おうとしていた

通り過ぎていくのは
回送の名札を得意気につけた
ハイブリッドな北風ばかり
 ....
新しく作られた神様を
ひび割れた背中にぶら下げて
くすんだ野道に そぞろの巡礼
通りすがりの南風から
千年前のにおいがする


中空いっぱいにひろげた彩度の
かけらだけでも ....
落とせ落とせ
千年の井戸へ
滾々たる湧水の
骨を斬る清明に
落とせ落とせ
お前の孤独
それに語らすな
波紋に語らせよ
波紋を読ましめよ
便利やで。このひと。
うれしいと泣く。
哀しいと笑う。
恋もできる。
歌も唄う。
故障は少ない。軽くて丈夫。
充電式やから停電に強い。
環境に順応。
ええ仕事する。みんな欲 ....
憂鬱な朝の第一声
曇天に向かって
呪詛する言葉を発する
自分は独りの老人だ

曇天の向こうには
雲から垂れ下がった
塔が地上に突き刺さる
恐ろしく繊細な根元が
地上に突き刺さる

 ....
つめたくぬれたまど
の、むこうがわ
で、ひかっている

ないている
わらっている
いきている、しずかに

ただしずかに
つぎのきせつを まっている

しろいひかりがまっている
 ....
三角くじを引いた
三角形の赤い紙が
二枚合せに貼ってあり
それをはがすと
一等
二等
三等とか
なにがしかが書いてあるようだ

スピードくじとも
いうそうな

アナログなスピー ....
満ちては引く波
光陰矢のごとし
なにもいらない
ただあなただけ

花がまた一つ
落ちてゆく
月光に照らされて
雫が落ちる

天から恵みの雨
全てを1から
やり直す
心の中は嵐 ....
僕の同級生の壮ちゃんは

兎唇ででも大好きだった

中大で一緒になって彼は北茨城し職員


結婚前に家まで建てちゃったもの

僕は文学を選んだだから早稲田だって寺山修司だもんね

 ....
線路の上を
ただひたすらに走る毎日は
それが
仕事とはいえ
時につまらないものに
見えてきます

そんな時でした
あなたに出会ったのは

午前八時三十五分
あなたは向こうから
 ....
          120114




無自覚な試作品の顔を撫でながらも
失敗作だと悔やむ
青空の製作は難しくて
寒がりだから
何回作っても天井にへばり付いて
なかなか降り ....
?. ヘンリー?
 {引用=His Royal Harness Prince of Wells United King-damn In Gland} 
ヘンリーって変なやつ
変なやつ 変なやつ
 ....
さしすせそ

歯に沁みる朝

凍ったままの思考を
ポケットに突っ込んで
背中を丸めて歩き出す

たちつてと

舌で弾けない昼

すっからかんの頭に
ラーメンをすすり込 ....
宇宙に音は無いという
完全な円は無いという
止まない雨は無いという
晴れない闇は無いという

今まで聞いてきた薀蓄や格言を
暇に任せて思い返していたら
不意に、頭が緑の劇物になり
猛烈 ....
うすっぺらな
アスファルトを剥したら
今も蘇る
ブリキの街
白く錆びた娼婦の肌が
うすい庇の影に
やさしく溶けて
ぼくを呼ぶ


はだか電球ひとつ
布巻き電線が這う天井
タイル ....
ぼくたちが小学生のころ冬はもっと寒かった

日曜日の朝 二段ベッドの下で寝ている幼い弟の布団に潜り込んで
二人で熊さんごっこをしてしばらく遊ぶ
やがて退屈したぼくは弟を誘って部屋の仕切りに使っ ....
? 

玄関扉を開け左壁面 家で一番大きな鏡がある。
その鏡は 不可能な空間ではないが、出入りする者の体全体を映すだけでなく、家全体を裏返す。

鏡の中に空間があるのだが、その空間に誰かが住 ....
急な坂を掛け上がる

長い階段を上り詰める

その先がわたし達の終点

だから今は

手を

繋いで
今年も
だるま収め所に
だるまを捨てに行く
よかった
捨てられるのが
自分じゃなくって
そんな気持ちで
右目を書き入れた
だるまが
転んだまま
起き上がらない
生真面目な絆の国の小市民の仮面

の下には

逃げ足だけが速いご立派な大人の仮面

の下には

空気より希薄な辛うじて世帯主の仮面

の下には

コップ1杯でクダを巻ける安 ....
去年の九月に赤い薔薇と葬った
人の墓に今日もまた
花の一束と共に言葉を捧げに来た
少女は途方に暮れる
一面の雪の上
去年が埋もれてわからない

地図の無い一日
悲しみは道をしるべを失い ....
2011年12月30日 夜
家の階段を2段踏み外し
廊下に左膝を突いた
足首を捻らなくてラッキーだった
悪代官に帯を解かれた町娘さながら
我ながら上出来の着地と思ったが
痛めたのは右足の甲 ....
どでん、の大怪獣

おとなに、なりたい
わたしの獣、


不渡り手形のよう、な
今夜
消化不良のカンタータ
語るべき旋律はゆらぎ
唱歌のサビに似た
主観を廃したモラルは黙す
 ....
<1>

これがなければ
生きることができなかった

これがなくても
たぶん死ねなかったけれど

これがあったほうが
人様に迷惑をかけない
はずだった

これがあったほうが ....
凛々椿さんのおすすめリスト(302)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
五月、北の国の少女は- あまね自由詩2312-4-29
エイプリル- あまね自由詩2312-4-21
あれから_ー哀しみ- ……とあ ...自由詩1212-2-23
- あおば自由詩6*12-2-22
ためらい- たちばな ...自由詩15*12-2-22
アズ_タイム_GOズ_バイ- salco自由詩7*12-2-19
春のタクシー- nonya自由詩20*12-2-18
spring_steps- あまね自由詩1312-2-16
駄作- salco自由詩6*12-1-20
だれか買うてんか- たま自由詩40*12-1-20
ネガティブ- ……とあ ...自由詩13*12-1-18
ふゆ- aria28thmoon自由詩212-1-17
謎くじ- そらの珊 ...自由詩13*12-1-17
tide- ペポパン ...自由詩5*12-1-17
公務員の哀しみを- 梅昆布茶自由詩512-1-16
午前八時三十五分恋に落ちて- そらの珊 ...自由詩7*12-1-16
あおぞら- あおば自由詩13*12-1-15
Grade_BrightenⅠ,Ⅱ- salco自由詩10*12-1-15
寒波- nonya自由詩33*12-1-14
散弾的退廃思考- faik自由詩9*12-1-11
ブリキの金魚_2012- たま自由詩29+*12-1-11
放課後- たにい自由詩412-1-11
- ……とあ ...自由詩18*12-1-11
終点- 永乃ゆち自由詩1*12-1-10
だるま- Tsu-Yo自由詩412-1-10
仮面_(再)- nonya自由詩21*12-1-10
今年- salco自由詩7+*12-1-9
括と計(かつ&けい)- salco自由詩3*12-1-9
酔いどれカンタータ。- うわの空 ...自由詩712-1-7
仮面- nonya自由詩27+*12-1-6

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11