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さっぱりわかりませんの
もう何が何だか
とヘロデヤ
眉根を寄せて声をひそめる
ご近所さんと同じくさっぱり
「いや? 何かフツーのお子さんでしたよ?」
母ひとり子ひとり
懸命に ....
苛性ソーダを鍋で煮る
知っておるやら何の日か
泡立つおはじき夢に見る
わしの願掛け{ルビ三隣亡=さんりんぼう}
睦月いち足すじゅうににち
黒丸しるす{ルビ天赦日=てんしゃび}は
ひがみ ....
あれは
花の散る音だよ
花びらの儚くはがれ
地に落ちる音
砂に擦れる骨片の
乾いた軋みのようだろう
あれは
時の流れる音だよ
流砂のさらさら崩れ行く
風と波の造る音
私の体を通 ....
にわか雨が去ると
真冬の風が通りみち
樹木も人も躰を震わす
「バーイ!」
「バァーイ!」
交差点の娘たち
無敵の若さにさざめいて
もっと綺麗な明日に生きる
ヒラヒラと手を振って
ひと ....
休日の正午前、
あなたは図書館に向かう歩道を歩いています。
2メートルほど前にトロピカルピンクの半袖ポロシャツ、
ストレートジーンズの中肉中背、
22、3歳と思しき男性がふと立ち止まり
左脇 ....
男は毛まで立っている
口の周囲を
まるで鉱物よろしく皮膚を押し上げて伸び
(しかしありがたい事に
神はそれを顔下半分のみに留めて下さった)
陽に透け腕を覆っている
何と安物の古毛布の ....
齟齬の由来
影はいつも
動く舗道の上
坂もスルスル
ずるいね
こっちは歩いているのに
考える人はこっちなのに
のっぺらぼうの頭の方が
よっぽど考え深げ
憂わしげだ
「そうね。 ....
体が重い、頭が重い
手先が器用で走るの遅い
夕やけ嫌い、夜ふけ好き
考えるのが趣味
思うのがよすが
知っているけど知らん顔
わかりもせずにわけ知り顔
かき捨ての恥まみれ
含羞忘れの外聞 ....
{引用=テーマ/SF(サージカル・フィクション)}
こないだのGO
雪国まいたけのGO(*)は
思慮を醸した声音が好ましかった
がついこの間出ていたGOは
顔面が何か不自然で
目元が ....
落とせ落とせ
千年の井戸へ
滾々たる湧水の
骨を斬る清明に
落とせ落とせ
お前の孤独
それに語らすな
波紋に語らせよ
波紋を読ましめよ
?. ヘンリー?
{引用=His Royal Harness Prince of Wells United King-damn In Gland}
ヘンリーって変なやつ
変なやつ 変なやつ
....
去年の九月に赤い薔薇と葬った
人の墓に今日もまた
花の一束と共に言葉を捧げに来た
少女は途方に暮れる
一面の雪の上
去年が埋もれてわからない
地図の無い一日
悲しみは道をしるべを失い ....
2011年12月30日 夜
家の階段を2段踏み外し
廊下に左膝を突いた
足首を捻らなくてラッキーだった
悪代官に帯を解かれた町娘さながら
我ながら上出来の着地と思ったが
痛めたのは右足の甲 ....
お前の墓はたれ建てる
わしも一度は参りたや
たれにも知られぬ偉人あり
その名も男ジョン次郎
ふるさと捨てて母捨てて
砂また砂の大航海
夢も希望も質草に
さすら ....
体重は二百キロを超え
母は
終日をベッドで寝暮らす
半身を起こすのは
朝昼晩の食事だけ
動こうと思えば動ける
膝を痛めて以来は這って行く
息を荒らげ汗を浮かべ
みしみしと座敷を圧し ....