肋骨の奥
さざめく{ルビ内海=うちうみ}
水面には
破砕された斜陽が撒かれていて
大都会みたい、
いつか つながっているという証明すらあった
いらない町みたいだね、
と つぶやくにも莫大 ....
チュチュを着た七歳の女の子
ふっ、と息で飛ばされた綿毛のように
猛スピードでかけていった
冬の交差点の上
やっと、二ヶ月以上、
入院してた彼女が退院して、
来週、
向こうの親に、挨拶に行くことにした。
人間、いつかはいい時代がくると信じないと、
生きて行けないのだろうけれど、
いつもやることは ....
風向きが変わりましたね

この風に乗れば遅くとも明日には着くでしょう

そこには何もないけれど

あなたの心を満たす土と水があり

それを一生懸命耕せば

後に作物が自然に生えてき ....
お空にうかぶお月様
まあるい大きな傘さして
明日はすねて出てこない

足元で咲く小さな花は
精いっぱいに背伸びして
きれいでしょ?と自慢顔

隣のあの子は憂鬱そうに
あくびと一緒に涙 ....
呼吸のように
代謝のように
君と僕を
当り前につなぐもの

歯磨きのように
晩御飯のように
君と僕を
さりげなくつなぐもの

無理矢理つなごうとしても
呆気なく解けてしまうも ....
                   111111



まがじんがらになせられたら、がらんだりんぐらんぐにんぐみんくしんぐりんぐやんぐ、まんぐりにんなにのんぐりみまらりんぐり、たらまんがら ....
コンビニでお昼におでんを買う
予算内に納まるように三つだけ
出汁はたっぷり
冬が近い

お腹の中からあったまりながら思う
ああ 関東炊きが食べたいな

おでんじゃない 関東炊き
ここ ....
台詞が浸透する
蝶じゃなくて花なんだ
月じゃなくて太陽なんだ
生活に懐かしい呼吸が舞う

遠くから見守っていた蝶が
夜のとばりのつぼみにとまる
戯れながら休息を得たなら
朝日を浴び 光 ....
獰猛で

狡猾で

臆病で

暗闇で

血がにじむ左足は引きずって走れ

傲慢で

厄介で

不潔で

空腹で

欲しいものは奪って逃げろ

無情で

貧弱 ....
靖国通りの先に大きく聳える
東京スカイツリーの展望台から上部ユニット
メタル素材の三つの顔が浮かんでいます
陽光を反射するでもなく
ぎらりぎらぎら照り光っています。

ゆっく ....
夜風が強く吹いています

あなたの町でも風は強いですか

月が外灯よりも明るいです

あなたの町でも月は明るいですか


木々が夜風に鳴っています

ぼくを風がなぶっています
 ....
つばがじわりと溢れる
喉ぼとけを鳴らし梅干しを予感する
大きな瓶に詰められた
肉厚の梅干しは
弾けそうなほど丸みを帯び

さあひと口でおやんなさいと
口をまんまる放り投げれば

すっ ....
イラついて
鬱血した脳髄をガリガリ齧りたくて、どうしてもそうしたくて
釘抜きで顎を削っていたら鈍臭い音がして
俺の口腔には脳漿の雨だ
舌の上に降るたびに目映い光が…
 ....
おく病で
部屋から出ないと決めた日
には 味わえない感覚

外に出たのは良いけど
人目気にして強がって急ぐ
身では 見れない風景



じぶんにとって
自然で無理のない
歩き方 ....
「明日という希望の光」
なんていううさんくさい言葉を
わたしはいつまでも信じられないまま
からだだけ大人になって

背けたい真実と
妥協する常識と
逃げられない世界に
がんじがらめにな ....
遠い異国の地で安い労働賃金により
生み出されるスニーカーたち
一日中機械の音を鳴らしながら
大量生産されていく顔はどれも同じ

それは何かのはじまりに購入したスニーカー
もう何年履いたかは ....
(まっかだね。
(もえているんだよ。
(うまれたんだね。
(まっかだね。
(ないているんだよ。
(ないているんだね。
(まっかだよ。
(そうさ。うまれたんだよ。

 その ....
綿毛の海で泳ぐ
後ろ姿を探す
秋の始まる午後に
あたたかさとつめたさの両側から
等しく守られていることを知った


星の人から届けられる
言葉によらない通信を
言葉に変 ....
例えばあやつることしか知らない 悲しい涙に語りかける

どうして?
あなたの 「もの」 ではないってわからないの?
本当とはそんなんじゃない
痛みから逃げてばかりで
次から次へと求めるよう ....
終末を知らないロマンチストたち
シンプルを形にして
世界を手のひらにのせたがる

枯れない花を得た途端に羽化してゆく
繊細な彼も
前衛的な彼も
シンプルに還ってゆく
 ....
やさしい光の数々は レントの風に乗って
流れていきます
どこへ向かうのか 知ることはできないけれど
きっと幸福があると推測するので
ぼくはこの身を任せて 光と一緒に
流れていこうと ....
かり かりらん からん
鉦の響きが行列を先導する

満ちていく途中の
なまめいて誇らしげな月の下


馬の背には選ばれた幼子
金襴にくるまれて
視線を集める戸惑いを隠せず ....
私、光なんですって。
文字が書かれたチノパンに、光がそそぎ
海の向こう側の浮島が、深く染まる
写真。
私、少し泣いてしまったのです。
悲しみの遺伝子
控えめな微笑み
フレームの外がわ ....
自転車で
スローダウンして
見上げた初秋の青空に
アオスジアゲハ
自然にまかせて舞おうとする
あなたのようだと思う

今朝気がついた秋は
褐色の落ち葉
乾いて道端に身を寄せ合って ....
ジグソーパズルの
欠けた1ピースが
見つからない

左目をなくした
モナリザが恨めしそうに
見上げている

完全であることに
恋焦がれる病が
再発したらしい

散らかった机 ....
ダビングしようと
君はいった
それはとても
素敵な提案に思えたけど
僕たちは
ダビングすべきものを
なにも持ってはいなかった
だからふたりは
ちょっと高価な
ビデオカメラを買って
 ....
緑色が波打って
濃くなって
育まれている
数えきれない夢たちを
数えてみる試み

1から10まで
10からまた1にもどる
5、くらいでたいてい数を忘れるから
また1にもどる
本当の ....
頼りなげな黒い煙は
空に還ることもなく
密閉された風景の中へ
呆気なく取り込まれていった

昨日の端から一刀両断に
切り離された時空に
冬物の黒い服を着せ
ひたすら透明な汗をかいて ....
観覧車が
左回りに
新しい青を曳く
真昼
女のかたちをした雲の
乳房の裏側あたりに
太陽がかくれて
鼓動している
凛々椿さんのおすすめリスト(302)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
揺曳- 伊月りさ自由詩1111-11-13
冬の綿毛- 木下レモ ...自由詩311-11-13
鮫肌の女- はだいろ自由詩611-11-13
風の知らせ- 灰泥軽茶自由詩211-11-13
歩き方- 森未自由詩14*11-11-11
えにし- nonya自由詩20*11-11-11
ただいま- あおば自由詩9*11-11-11
関東炊き- 相差 遠 ...自由詩7*11-11-11
花蝶陽月- たちばな ...自由詩18*11-11-11
ハイエナの下着- 空中分解自由詩211-11-9
靖国通点描- ……とあ ...自由詩1611-11-9
クレヨンしんちゃん- 吉岡ペペ ...自由詩711-11-9
梅干しの予感- 灰泥軽茶自由詩4*11-11-9
脳男・マストダイ- ホロウ・ ...自由詩5*11-11-8
月夜に歩いて- 佐和自由詩811-11-8
優しい色- 森未自由詩16*11-11-8
ジャックパーセルの魂- 灰泥軽茶自由詩4*11-11-8
はるびるさ- Lily Philia自由詩511-11-6
エリタージュ- 橘あまね自由詩29*11-11-5
どうか今夜ははじめて交わした色を思い出して、手をつないで眠ろ ...- たちばな ...自由詩12*11-11-3
simple- たちばな ...自由詩14*11-10-23
きみの名は- 橘あまね自由詩2111-10-18
アニュアル- 橘あまね自由詩1611-10-13
光から- たちばな ...自由詩1311-10-4
アオスジアゲハへの手紙- たちばな ...自由詩17*11-9-7
死に至らない病- nonya自由詩23*11-7-30
ダビング- Tsu-Yo自由詩511-7-29
七月を数える- 橘あまね自由詩1211-7-24
モラトリアムの夏- nonya自由詩15*11-7-23
青を思う即興- 橘あまね自由詩911-7-22

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