斜光に詠う
蝉の時雨
蚊帳越しの庭
縁側の隅に
境界線を引いて
あの頃は
まだ色鮮やかに

幼い君を
母の振りして
よちよちと歩かせた
差し延べた手の
焦げた肌に伝う
ひとす ....
             110720

            
トコロテンでごはん
辛抱おし
半時ぐらいは
保つでしょう
お母さまは
まだお帰りにはならないのです
 ....
<種類別> アイスクリーム(自称)
<体脂肪> 22.0 %以上
<内臓脂肪> そこそこ
<原材料名>
  怠惰、臆病、猫背、妄想、未練
  安定剤(貧乏ゆすり)、乳化剤(溜息)
   ....
捻れた螺旋階段を上りたくなかった。
羽根は抜けたし、
ヒールは砕けちゃった。

悲しい思い出、再販売します。
幾らで買ってくれますか。

メランコリック・ディスカッション。
そう、 ....
                  110225




行人偏は疲れると
台所の包丁とまな板が相談して
ストライキをするので
来期の売り上げが期待できなくなると
専業主夫気取りの亭 ....
野生の鶏が森に溶ける朝
立ちのぼる夜の残り香
白く踊る靄
女たちのはごろもの袖が
空に還るよう
斜めに抜ける鉄道の跡地に
芽吹く春を見守っている
私の肩に麦をふりかける人よ
瞳は黄金を ....
すこしおなか出して歩く
満腹な午後

すこし鼻歌ハミング
ぐったり帰り道でも

すこし効果音 呟くよ
たとえば、そう
電車の中 小さな声で「デュクシィ」と囁いたなら

微笑を絶やさ ....
さかあがりが できないころ
さかあがりのあいまに
けんかした
さかあがりのあいまに
学校へ 行った

おまえんちの家の前の空き地に
むかし なまくびが ならべら ....
わたしのベッドが
まだ、暗い空に
飛んでいきます
頭から夜の続きに
衝突して
夜が砕けていく
「すみません。さむいからおろしてください。」
ささやかな願い事にも
毛布を巻き付けていた
 ....
かもめが一匹おりまして
ちんけな傘が ありまして
小さな光を食べました
何かに 頼る者 おりまして
のどの汚れは落ちなくて
皮は肥大化して 人を流す川となりました
ぼうふらぼう ....
 猫のようなKといると
 ぼくの言葉の文脈は乱れふあんな小波が打ちよせてきて
 とても平叙文ではいられなかった

 煎じつめれば
 煎じつめなくても
 Kは妻で
 Kは猫だっ ....
               110218




汐留、駒形、八丁掘、伝法院と
歩き回ったよ日和見感染警戒しながら
風も吹かない黄昏れ時に発熱
つんとすました日和下駄
消石灰が位階 ....
いくつめかの丘の上で
目から流れ落ちる汗を拭った
いったい誰のための汗なのか
そんなもので救われようと思ってる
自分がちゃんちゃら可笑しいよ

勾配の緩やかな所を
選んで登ってきたは ....
晴天に

すごいね千人一人ひとりに黒の下敷きを持たせ、競技場の中央でできた人文字「country」を航空撮影で収める。それをcountry.jpegというファイル名の写真印刷にする。次はこれを富士 ....
日蝕がなまぬるい砂糖水に侵されていく惑星のゆめを視た
色彩のはれつした音がこなごなにな/っ/て
白昼夢をかけめぐる(ざいあくかん)におおわれる


―その音はとてもキレいだった


誰 ....
それは黒い鍵爪だった
重く垂れた空からスッと湿った宙を引っ掻いては
狡猾に隠れる
くり返される蹂躙
積乱雲はメデュ―サの含み笑いの唇をふちどり
うすく開いた


生々しいクレバスを曝け ....
絶命した蝉は最期にジュっと鳴いた
夜の電車の扉の側
踏み付けた男はそのまま電車を降りた
JRの片田舎の駅
ジュは呪術の呪だろうか
それは男に向けられたものだろうか
それを男にさせた無関心な ....
<髪>

額にかかる倦怠を

耳元でうねる躊躇を

きっぱりかきあげて君は

さらさらと綺麗に笑った


<目>

ホントを見過ごしてしまったり

ウソを見破れなかっ ....
                  080805



生えるためには水が要ると
ステンレスのボールが喚く
サルビアの花の写真は
今からでも間に合いそうに
麗しく艶やかで瑞々しくて ....
満ち足りた水盆から
たっぷりと
手のひらのうつわに水を汲み
満足しても つかの間
した した と
水は指のすき間から逃げてゆく

目の前を行き過ぎる
季節もまた
水盆から汲み上げた水 ....
              080731



7月

おそらくそれは
無理でしょう
声にして言ってみる
ひとりごとのような声が漂って
少し狼狽える
神奈川県横浜市青 ....
モディリアーニと立ち話

李欣欣
 モディ やあ お久しぶり元気?
 大きな白馬を見たよ 箏を弾きながら待っていたようなやつが この異国まで ....
コップの中に
朝が残った
醒めきらないままの
水を分けあって
ぼくらはターンする

魚のかたちをして
水がうごく
きらめき降りそそぐ
夏のはじまり

ゆっくり水際を
泳いでゆく ....
今日は中日が逆転勝ちだ

あの娘はラグビーボールみたいに跳びはねているだろう

あの娘を好きなあいつは

一緒に見ている気になってテレビにかじりついてるかな、今日来なかったし

なんて ....
熱い帯にタイダイの笑い声が響く
電気工事のおじさん
駐輪場のおじさん
建設現場のおじさん
交通整備のおじさん
ペンキ塗りのおじさん
たくさんのおじさん
設備工事の父さんも
あんな風にタ ....
話をしよう
歌を歌おう
飴を舐めて
桜を見よう

城ヶ島散歩
雨が降って
誰もいない
船が行交う

休みを取り
リラックス
桃の芳香剤
奇麗な部屋
Emは後ろに座り込んで、新しく買ってきた消しゴムの角を使おうか使うまいか

ためらっている。


Emは久しぶりに街に出て、輪郭のぼやけた春の生温い空気に少しだけ辟易する。
 ....
西瓜のように
まるい地球をぶらさげて
その人はやってきた


裸で生きるには
夏はあまりにも暑すぎた
冬はあまりにも悲しすぎた


ぽんぽんと叩いて
いまは食べごろではない
と ....
はじめまして うさぎ
大きなうさぎ
隠れ家のうたげまで
丸いしっぽを振ってさ
顔と変わらないでかさのヘッドフォンなんかが
かつて愛を共に真似た
Northって名まえのしろくまに似ている
 ....
きみが少し元気なときに
庭に植えた白梅に
真珠の粒がころころと
それは春の序章とも言える

きみが好きだった春の 前髪が見えて
それはきみの季節とも言えるが
メディアから塗りつけられる春 ....
凛々椿さんのおすすめリスト(302)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
初夏凛々- 村上 和自由詩411-7-21
心星- あおば自由詩13*11-7-20
僕はアイスクリームから生まれた- nonya自由詩24*11-7-16
メランコリック・ディスカッション。- 菊池ナン ...自由詩111-2-26
人別調- あおば自由詩2*11-2-25
鶏の香り- たちばな ...自由詩15*11-2-25
毎日に風穴を- skc自由詩111-2-25
そらおそろしい- るるりら自由詩31+*11-2-23
月のとびらとうそ- ズー自由詩5*11-2-23
悶絶_(_不可能性_)_ひとり旅_たすけてよぅ_ぐるぢいよぅ- 狩心自由詩7*11-2-21
横須賀の港でぼくは猫にうんざりしていた- 石川敬大自由詩17*11-2-19
紅白の雑音で聞きとれない会派離脱のイデオロギー- あおば自由詩3*11-2-18
丘を越えて- nonya自由詩10*11-2-16
できごとは晴天なり- 乾 加津 ...自由詩7*11-2-12
丁寧な死にかた- usoni自由詩610-12-3
トルネード・トラジェディ- 渡 ひろ ...自由詩12*09-8-19
月の影_蝉の骸- プル式自由詩6*08-8-7
からだのおと- nonya自由詩8*08-8-5
水のための夜- あおば自由詩24*08-8-5
流行- 明楽自由詩408-8-2
七月- あおば自由詩7*08-7-31
モディリアーニと立ち話- 里欣自由詩108-7-17
一瞬の夏- yo-yo自由詩11*08-7-17
気持ちのるつぼを明日へ- 短角牛自由詩308-7-17
タイダイのおじさん- たちばな ...自由詩22*08-7-12
まあ茶でも- ペポパン ...自由詩6*08-4-7
Emの視界- ムラコシ ...自由詩408-4-5
地球人- yo-yo自由詩9*08-4-4
うさぎ- たちばな ...自由詩11*08-3-28
さくら_さよら_さら_さら- たちばな ...自由詩37*08-3-24

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