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101111
蜜柑の皮を剥く
指先に鈍色が
剥かれる悲しさを
染め付け
証拠を揃え
もはや逃れようもない
皮を剥き終わると
赤子の房が跳びだして
早く ....
いつの日か漂着しなければならない比喩を
前もって鑑賞されていない博物館が生み出された由は
ある地層に転換して僕達の無知だと言える
いらないいらないそんなゴミより
確かに愛せる媒体を確保して ....
逆立ちをしているゾウの足に
流れ星が刺さった
昼間の明るさで
誰にも見えなかった
ゾウは少し足が痛い気がしたけれど
逆立ちをやめてしまうと
子どもたちががっかりするので
我慢してその姿勢 ....
しらない人が
にやにやしながら
ついてくる
ああ
わたしは
人を殺しつつ
誕生に感涙し
星空にふるえながら
少女の処女をうばう
わたしの命から
意味が剥がれおち
あな ....
金星の風景的未踏の地に放られて
サラサーティーとか音姫の需要について
の論文をねそべってかいてる
紙が飛ばされて
それをおおげさに追っかけ
ホントは自分が
大声でそのことを笑っ ....
冷たくなった朝が
空から落ちてくる
何か理解できないものが
パジャマを着て街路を走り続ける
軒下で洗濯物が干からびている
風景になることも出来ずに
右手で覚えている ....
イエラルシーはかっこつけて
電柱より高いところから
君の日常をじっと見ている
手出しはしない 見るだけ
NOxにまみれた有酸素運動の権化が
こぼれる夕方の未練を噛む頃
僕は白く焼けた砂 ....
若いよね〜
とちんちんの固さに感心されたので、
32歳ということにしておいた。
女は、
冷めたビッグマックのような42歳で、
体験入店と客には言えと、
お店に念を押されて来たらしかった ....
100822
本物件は建坪率を超過しており
同規模での建てかえはできません
なんじゃこらと電車乗り換え
お客様は帰られた
中古の一戸建てを売 ....
風の強い日だった
乾いた砂混じりの風がざらざら吹いてる
カーテンがバサバサと悶える夕暮れ
とさっと夢から落とされる
冷たく黙り込んだ壁に
CDの歌声は無機質に響き
部屋がオレンジに染ま ....
正直者が
墓を見ている
使い古された言葉のように
花が一輪
添えられている
祈ることが
生きることになって久しい
誰もいない部屋に
また電話してる
かなしみが ....
ラ・ピュセル、大地の娘たちよ
あんころクロワッサンは
暗黒のクロワッサン
すなわち新月の三日月
ポエムのポトフ
ことこと煮込んで
雪消の葉っぱのサラダには
スペースシャトル・ドレッシ ....
ゴリラは白雪姫しか担保が無かった
百万円で売れるよとゴリラの自慢であった
ところがである。猿の見積もりによると
毒林檎を食べた後の白雪姫は
百億円で売れるよ
との事だった
何ですと ....
気づいたら、すでに私でした。
鏡に映っている、ひとでした。
産声を上げる場所も
時代も
両親も
自分という役を選ぶ間も無く、私でした。
砂浜を往く、亀に憧れ
黙ってそこ ....
瞼をおろす瞬間を、捉え
コンマの世界は動き出す
1から10までの呼吸で
張り付いたのぞき窓
乾いた風と枯れた土
ささやかな幸せとやらは
この集落ではまだ 咲いては、いない
....
灰色がいとしかった
軒先の粗雑な植物がいとしかった
産業道路はいつも混んでいた
アスファルトの平地にはチャリが湧いている
ラブホテルやコンビニがいとしかった
おまえの家で ....
藤沢周平の小説に殺すなというのがある
中二のとき国語の先生が授業で朗読してくれた
先生はいまの私より十歳下だった
先生の野太くて明るい朗読は
鹿児島なまりの抑揚で歌うようだった
不埒な中 ....
今日の鏡は
流体にちかいのです
あまりにたくさんの欲望を映し出し
水銀の鏡面に、他人のわたし
髪を短くすぎるほどに切ってしまったまま
ばらばらになった抽象画の
かけらが流線の色彩を ....
ずっと覚えている
長いこと凭れてきたあの約束
なんども繰り返し巻き戻して
いやだね、よのなかはつらいね
死にたい、死のうかいっしょにもうだめだと
おもうかたちが重なったらそうしようし ....
見えないナイフが
空気を切り裂くと
景色は加速する
僕は時計のワニに怯えて
部屋の掃除に明け暮れる
千切れた布切れみたいな寂しさは
何処にも結びつか ....
100122
方々に散っている友人が
一堂に集まると
威勢が良くなって
すぐに革命を起こしたくなるそうだ
その友人の一人が打ち明ける
革命的な ....
雨が宙の溝を流れる
音も光も流れ砕ける
見えない緑
見えない金に吼えつづける
夢と文は 同じ場所に居て
時おり向きを変えている
互いの息の影
互いの音の光を重 ....
横浜の赤レンガの倉庫街で行われた朗読会の帰りに
ふとタクシーのなかから六本木ヒルズを見ると
点いている電気が文字のかたちになっていて
「認めてほしい」と書いてあった
俺はヒルズになぜ認 ....
清掃のアルバイトをしながら
陽射しに当たりすぎると疲れるのはなぜだろうとふと思ったとき
太陽は
すべての生命から養分を吸い取って存在しているのかも知れないと閃いた
光のような触手を俺た ....
視神経が悲鳴を上げる
肺が酸性に降参する
皮膚の断面がずれてくる
もうピントが合わない背骨
ここからが始まりだとは
勝ち目のない戦争のような
この場所から始めるとは
どのような自殺行 ....
あのとき踏み切りの前で思いとどまらせたのは
お前の もう帰ろう
というひとことだった
母は繰り返す
私をみていない目で 私を語る
お前はぎゅっと私の手を握り それで私は ....
ワンツ、ワンツ、ワンツスリーフォー!
ハッピーニューイヤー
元気しているかい?
地球は何歳だ?
君は何歳だ?
お酒は二十才からです。
愛し合っているかい?
心を大切にしているか? ....
ミサンガが切れたら願いが叶うんだっけ?駄目なんだっけ?
いずれにせよ食堂の箸が唾液で洗浄されてること、それを僕は知ってしまったんだ
彼の言葉を信じてここまで来た
が
彼の運転するミニの後 ....
らんらんらららんらら
波長滅茶な色蝶(しきちょう) ひろがる
テキメンに君を支配する起源 意色(いしき)の羽で飛ぶ。
闇夜の渦ツー。君へ打つツー。
信号ひびきわたる ....
この世には
絶対はないという絶対しかないっていう絶対はある
って、誰かが言っていたような気がする
どういう意味かと聞いたら、
意味なんてないことが意味なのだと、教えてくれた
僕にこの地球 ....
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