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夏至は過ぎた
バッタが叫ぶ
長椅子の陰で
低地の王国には
車のエンジンが
冷たいまま飾られている
産卵を終えて
ジェット機は行く
もうそこを
誰も空とは呼ばな ....
小さな虫を追いかけて
少年がどこまでも走っていきます
窓の内側でも外側でもなく
ガラスの中に広がる草むらを
何も持つことなく
私はいったい何時
ガラスの中から出てきたのでし ....
魚屋の片隅にあった目薬を買う
お店の人と角膜や水晶体等について
少しだけ話した
すぐ側で魚介類はそれぞれに
幸せそうな形で整然と並んでいた
それから帰りの駅ではお腹が痛くて
膝 ....
待合室のソファーで
男の人が傘を差していた
空が見えないから
屋根に気づかなかったのかもしれない
名前を呼ばれ
男の人が立ち上がった
傘を丁寧に閉じて
今日はひどい雨ですね、 ....
逆立ちをしているゾウの足に
流れ星が刺さった
昼間の明るさで
誰にも見えなかった
ゾウは少し足が痛い気がしたけれど
逆立ちをやめてしまうと
子どもたちががっかりするので
我慢してその姿勢 ....
冷たくなった朝が
空から落ちてくる
何か理解できないものが
パジャマを着て街路を走り続ける
軒下で洗濯物が干からびている
風景になることも出来ずに
右手で覚えている ....
さりさりと幼い
草はいく
草むらの中を
食卓に斜めに降り注ぐ
花のような物体
の匂い
それらはすべて
私の位牌なので
私は残さずに
食べなければならない
生きていくことは
....
海の匂いがする
わたしが産まれてきた
昔の日のように
テレビの画面には
男のものとも女のものともわからない
軟らかな性器が映し出され
母は台所の方で
ピチャピチャと
夕 ....
男は昨日の
手柄話を始めた
その頃、野原で
女は鏡だった
何もないような空が
どこまでものように続き
インドから来た象は
黙って船に乗った
僕の舌に
冷たい
宿舎が建った
犬は犬の形を
少し崩して
それを見上げた
今日は良い日和なのに
窓などを開けて
海に行く人もない
夏交番の
日陰
女は
ゼリーに飛び込む
僕はその人を
お母さん、と呼び
誕生日のような日に
日傘を贈った
まだ幼い車掌の
ポケットの中で
紙の羊は
長く生きられない
かつては命の一部として
穏やかな日の光を
浴びていた気もするけれど
めー、と
ひとつ小さく鳴いて
もう誰に
....
部長室にはいつも
風が吹いてる
日あたりのよいところで
書類の端がめくれている
窓を開けているのは
たぶん部長さんだと思う
机の上で
ピストルが少し色あせてる
微笑みながら毎日 ....
菊池ナントカさんのたもつさんおすすめリスト
(13)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
マイ・ポケット
-
たもつ
自由詩
3
11-4-22
忘却
-
たもつ
自由詩
8
11-4-19
目薬
-
たもつ
自由詩
10
11-4-10
待合
-
たもつ
自由詩
7
11-2-27
ゾウの話
-
たもつ
自由詩
16
10-11-10
ふくらはぎ
-
たもつ
自由詩
8
10-9-16
息継ぎ
-
たもつ
自由詩
6
09-6-12
誕生日
-
たもつ
自由詩
9
09-4-25
ペーパー・シープ(空)
-
たもつ
自由詩
5
08-8-19
ペーパー・シープ(舌)
-
たもつ
自由詩
3
08-8-17
ペーパー・シープ(日傘)
-
たもつ
自由詩
1
08-8-9
ペーパー・シープ(紙の羊)
-
たもつ
自由詩
6
08-8-8
ゴムを踏んでる
-
たもつ
自由詩
13
07-11-5
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