卒業式のあとで
平井容子


みなみの国で生まれたような顔して
じつはとてもさみしい名前だ
だから呼ばない
必要としない

カウチって良い響きね

そうかもしれない
もう大人だから
寒いときは毛布を買おう

ピアノだって弾くし
もう果物を皮のまま食べたりしない

それでも傘も持たずに
あの角を曲がることもある
56丁目のあの喫茶で
あわよくば君の
雨の街が食べれるらしい



自由詩 卒業式のあとで Copyright 平井容子 2014-03-20 11:44:44
notebook Home 戻る