ミルクティー
平井容子

甘すぎる飲みものに
あまり遠くまで泳いで行けそうにない日
という名まえをつける

低体温というひびきに憧れなかった?
いいえ、わたしは
身体のとおいところが
ゆっくりとまわるようなめまいについて
なにも言葉にはしません

(ふたしかさよ、)

ここらで遠永はおしまいです

こわいほどふつうに
あくびをする
そして
カップの底に
肌色の月だけがのこる






自由詩 ミルクティー Copyright 平井容子 2013-11-01 23:53:38
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