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バスは行ってしまって
ロッカーが三回も中身をぶちまけられている間に
発車してしまって
投げやりかつ従順に仕舞い終わったら
コートの裾は後悔の埃まみれだ

ぴかぴかの手を颯爽とひと振り
帰 ....
台所の窓から見下ろす 校庭が白く染まって
摘みとった記憶まで見つけてしまいそうだ

ふとももにあたるスカートの襞 湿り気を帯びた木の匂い
犬走り 紋白蝶 遠くのポートタワービル
木漏れ日が  ....
半月がころがった
夜の{ルビ帳=とばり}に
埋れたふたり
冬の星座は
オリオンしか知らない
道すがら探して
明日は晴れるね、
大体毎日言う
大体毎日
同じ相槌を聞く

手袋が欲し ....
一匹の{ルビ蜻蛉=とんぼ}が
脚の間をすり抜けて
小さくさざ波立つ水田
暮れ翳り始めた空に
フラミンゴの色の雲

エミール=ガレの作品集を
撫でる指で繰っていた
男のこと

苗のき ....
若草色のスカートの金具が
押さえられた背中に擦れて
小さな傷をつくる
心地良く冷たい 磨かれた床は
父だったのに

眠ったふりをして
扉に向けた工作鋏を
両手できつく握り直した
桜色 ....
 
赤色の電球が落下して
横たえた体の真上で破裂する
透き通って赤いガラスの破片が
ゆっくりと飛散し
白い二の腕の内側や
{ルビ粧=めか}した鼻のてっぺんや
潤んだ眼球に降り注いで
わ ....
戦後の娼婦きどりで
緑地に黒い花模様のワンピース
軍服みたいなコートを羽織って
男物の
赤茶けたウエスタンブーツは
歩くのに適していない

意固地に引きずる

産婦人科の
ある種 ....
肌をすべる泡が灰色に変わりはじめ
見下げて
乳房から続く白い曲線や
つま先の綺麗な花色に
絶望する

口紅を塗らないのは
ちいさな爪を伸ばさないのは
この隙間を
みつけてほしいんだと ....
一、

せんせい、と
あたしの声が響くたび
澄んだ空気が
ゆらり
あでやかに揺れる
それに気付いて
目の奥のどうようを
れいせいな
おとなのまなざしで
隠すひと

その距離は ....
まるで邪魔だというように
飴細工のこの脚を
らんぼうに折り曲げて

けがれのない白肌に
小さな毒ひとつ
残していった
あのかた

消そうとこすったその跡を
今になって
人差し指で ....
部屋を散らかしたのは
くうはくを誤魔化すためでした
ちっぽけな体一つあらわにし
眠る胎児のように
埋もれてしまう
冷たい床に左耳を押し当てたら
渦巻く激情が
ごうごうと唸る音

泣く ....
洗面台の鏡を傾けたら
小さい流木がころげおちた
どうやら 渦巻くのは小さい海
どこか角度の違う世界へと
つながっているらしい

悟ってはいけないよ、と
こころの母の声がして
そっと指を ....
枕と扇風機と
鳩のなき声は
味方だった
働きはじめる冷蔵庫のうなりに
あんしんして目を閉じた
夏の朝はいつも
まぶたを透かす白
レースのカーテンが波立って
飲み込まれる

眠らなき ....
猫が疑問符を撒きちらし
夜がいくらか賑わいを増す
その髭の長さぶんの内容を
ひとつはそっぽをむいた月へ
ひとつは笑い揺れる木々へと
夜が明けるまで
あくびする間もなく語りかける

永遠 ....
いとうさんのかやさんおすすめリスト(14)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
帰路- かや自由詩4*08-4-10
白い記憶- かや自由詩5*08-2-24
半月- かや自由詩7*08-1-18
予感- かや自由詩23*07-6-1
- かや自由詩8*07-5-11
贖罪- かや未詩・独白10*07-1-11
演出- かや自由詩4*05-11-22
浴室- かや自由詩12*05-11-18
少女舞台- かや自由詩13*05-11-14
無題- かや未詩・独白4*05-11-7
生活- かや自由詩4*05-11-7
- かや自由詩7*05-10-25
白い朝に- かや自由詩3*05-9-1
私と、猫の夜- かや自由詩14*05-8-8

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