すべてのおすすめ
はっと、
目を覚ますと
ベッドの足元に
等身大のアンパンマンがいた
といっても
実物を見るのは初めてだったから
それが等身大なのかどうか
本当のところはわからない
つやつやのほっぺ
....
カーブ投げられたらいい
いつもと少しちがう構えで
ふとそっぽ向いて
はぐらかしてみるのだ
フォーク投げられたらいい
ピースサインつくって
超とびきりの笑顔で
すっぽぬけちゃってもさ
....
にんげん
だけど
くだもの
にんげん
なのに
くだもの
せめて
くだものにんげん
とか
しょくぶつにんげんなら
まだしも
ざんねんながら
にんげんくだもの
ど ....
君は急な坂を下っていったんじゃなかったのかい?
ところで、あの噂を知っているかい
噂って?
今度の十五夜の晩に、この森がなくなってしまうという噂だよ
ああ、、、、
それなら知っているとい ....
昨日までの不運は
さっきポケットの紙屑と一緒に
コンビニのゴミ箱へ捨ててきた
家までの帰り道
すれ違う車の中で
黄色があったら
明日、君に告白しよう
タクシーも走らない時間帯
....
怒髪天を衝き
コタツに空手チョップ
一刀両断
見事なまでに真っ二つ
でも全然スッキリしない
今日の朝刊で読んだんだけどさ
太陽の直径の千五百倍もある
馬鹿デカい星が見つかったらしい
....
夕べ 腐った天ぷらは
生ゴミとなり
土となり
芽となり
葉となり
猿となり
類人猿となり
赤ん坊となった
息子
どっかで間違えたらしい
昭和元年が
自宅の階段から
滑り落ちて
踊り場の手すりに激突
品よくあつらえられた手すりを粉砕した。
七人兄妹の末っ子である昭和元年は
戦時中もすくすくと
ちりめんじゃこを食べ続けて ....
はじめに世界があり
世界には
あたりまえのように
卵があった
時が満ちて卵は孵り
そこからアダムとイヴが産まれた
アダムと
イヴは
であった次の瞬間には
アタマと
インブになり ....
かどをまがると。
うんこがあった。
ふんでみた。
うんこぷぎゃぁ。
哀れ路傍のうんこ、
「ぷぎゃぁ」と踏まれて、ただの糞。
きぶんはるんるん。
うんこはうんうん。 ....
これは1618年にロバート・フラッドという名の錬金術師が発明した永久機関です。さしずめ「アルキメデスの螺旋」の応用といったところでしょうか。この螺旋の管が水車の力でまわると水は上方へ運ばれそこにある枡 ....
8つのおとうとは
私が夕飯時になっても
食卓に来ないので怒っている
8つのおとうとは
私を呼んでも返事もしないと
私の部屋のドアを蹴り
「何か悲しい物でも、隠しているのか」
と問 ....
あなたの名前を何度も呼んでいるうちに
気づいてしまいました
あなたと僕が結婚したら
同じイニシャルになるのだと
実は僕
あんたの事
5回殺してるんですよね
ええ、頭ん中で想像して
だから罪にはなりません
心の積荷は少々重いですけれど
まぁ、現実にあんたが生きているのは
僕の想像力のお陰 ....
昨日、嵐だったんだ。
そうなの。
たくさん死んでる。
そうね。
ある日
またあの爺さんがやって来た
趣味は昔語り
昭和の思い出と
粋についての話が得意
爺さんは戦争で身寄りを失い
戦後も独りで暮らしている
昔気質を絵に描いたような人
....
本当のことをいえば
ほんとの私はこんなもんじゃない
すごいのだ
あたりの様子を伺いながら
どこかの家に入り込み何かを得ようとする野良猫のように
意味もなく尻尾を振り
くるく ....
ペッ、
地面に唾を吐いたら、
そこに
てんとう虫がいた。
羽を一枚無くしたのか
もう飛べないらしい。
それでも
一生懸命
どこかに行くらしい。
カラカラ
突然、踊りだし ....
ドトールで女と待ち合わせ
といっても携帯時代
正確にはドトールで女の連絡を待っていたが
まるで、連絡が来ない
ドトール地下のライブハウスでは
メロコアバンドが「青春」について叫んでい ....
外で誰かが ドアをドンドン叩いている
そのあとにありえない音がする
最近同じ二階で引っ越していった中国人がいたのを思い出す
この前アパートの消火器の箱を開けたら包丁が入っていたのでうちで ....
「はい、次のひとー」
「こんにちわ」
「はい、今日はどうしましたか?」
「どうも最近ヒメギミみたいなんですが」
「ああ、あなたくらいの年齢だとね、よくありますね、ほんと」
「そうなん ....
泣いているこどもは
湯気が立っていて
かわいい匂いがする
抱き締めて
頭に鼻をくっつけて
くんくん嗅ぐよ
産まれたてのときは
わたしの内臓の匂いがした
今も少し
する
....
今夜は
無性に 胸のあたりが苦しいので
闇の中
家の裏山に ドラえもんを探しに行く
おそらく
好物のどら焼きをえさに
すずめを捕るような仕掛けで
竹篭を逆さにしておけばよい よう ....
世界で2番目に人波が速い街で
レースゲームみたく追い抜かれ 追い抜かれ 追い越して
シューティングゲームみたく避けて かわして ぶつかって
世界で2番目に難しい日々の第1ステージを何年も挑戦し続 ....
青空に戦闘機が飛び交うようになってしばらく
故郷をなくした
自分ん家はもちろん
ピンポンダッシュしてまわった近所の家も
鬼ごっこをした公園も
灰の舞う黒い大地に変わってた
国民の激励と ....
(おとなりのワンちゃんは犬次郎といって
生れたときから
ネコとばかり暮らしてきたので
自分がネコだとかたく信じています
イヌがやって来ようものなら別の動物ということで
ワンワン ....
うっかり逆方向の快速列車に乗ってしまったり
足の小指をイヤというほどタンスの角にぶつけたり
外出直前どこを探しても財布がみつからない
そんな時
母の背中を思い出す
ぼくと弟がびりびり ....
だれる
うなだれる
母は自分でもうペットボトルの蓋も開けられないのに
私の掃除の仕方に文句を言う
若い時に肺結核で肺の一部を切除したから
母は水に入れない
息苦しくて
子 ....
ペン一本で食べていくなんて
まるで夢のような話だけど
これが二本になると
きわめて現実的な話になる
とはいうものの
アメリカ人の私にはちょっとつらい
デスネ
ぼくがひとり
窓を閉めている
ぼくがふたり
雑木林をあるいている
ぼくがひとり
床を掃いている
ぼくがふたり
ゴミ箱をあさっている
ぼくがひとり
湖畔 ....
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