始点
青色銀河団

始点


まだ、精製されない月が、なめされてゆく朝、
わたしの瞳は、真っ白なままの夏の果実だ。
ながめるままに、わたしのからだは、白く締まり、
背中には、灰のまじった、蓑毛が生える。
もやいだ気体は歪み。固まり。ループする電線。
近しい影は、次々と、むぞうさな女の字面に変る。
生い茂った一むらの葉に
弔いにくる人々。
そのひとりひとりに、
美しく装丁された、
繭を差し出す。
草の始まり。



未詩・独白 始点 Copyright 青色銀河団 2004-09-09 00:31:28
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