小学生の頃。
遊んでいた、つきやま。
1日中でも、遊んで居たかった。
広くて、高くて。
裏側はちょっと怖くて。
つきやま。
この頃、見る機会がありました。
こ ....
誘われて
宵の街へと
飛び出した
はらはら落ちる
涙を隠し
張り付けた
笑顔の裏の
悲しみに
誰ひとりさえ
気付かないのだ
手をのばす
切り貼りされた
世界の向こう
子どもの声など届かない
紅い空気は
カワイソウネの一言で
青い空気にかえられた
叫び声など届かない
おいしい所だけ
とりあげているデ ....
春の陽はひとりの心を置きざりに
雲の流れのさみしい空に
たわいないふとした言葉にはしゃぎ合う
風を摘む指花を折るゆび
春の日は濃いめのお茶にまっさらな
....
さっきまで見えていた晴れが
今ではすっかりどんよりです
雲はお日さまをひとり占めして
わたしの気分は最低です
犬はいつだって健気にこちらを見て
わたしたちが振り向くのを
ド ....
絵本の中に
入れたなら
ふんわりと
つつまれ
森の中
どんぐりをたどると
お菓子の国
ケーキの街を
クリームに
口づけしながら
歩く
ガーネット色の
飴だまが
キラキラキラキラ
絵本の ....
さあ、出発しよう
ぽっこんぽっこんぽこぽこ
キップを見せていただけますか
この列車の行き先?
知っているのはあなた自身
カタリカタカタ
遠くへと
私は徐々に遠ざかる
赤ん坊の泣 ....
街で 偶然 君に会っても 大丈夫なように
朝 鏡を見る時間が 長くなりました
食べ物をこぼすと
誰かが 食べたかったみたいねえ
子供のような声でいう
お母さん
あなたが
好き
知らぬまに歩き始めた恋心
おんもに出してとみいちゃんが言う
開花予想なんか気にせず咲きなさい染井吉野も河津桜も
駿府城見上げる街に銀座の柳、本家の柳も青く色づけ
おっ ....
おんなじ町に
子供のころから住んでいると
きょうのように
車じゃなくて電車で帰るとき
各駅停車で帰るとき
ひとつまたひとつ
思い出に停車している
駅は姿をかえ ....
ね、癒しをちょうだい
平日の美術館のしんとした空気がすきなの
色とりどりの小窓からみなが挨拶をくれる
しんとした空気
足音を立てずに挨拶を
スカートの端をつまんで優雅に足はクロス
....
初めてのおつかいは
3歳の時
初めての仮想現実も
3歳の時だった
暗くなる日暮れに
何故か朝焼けを思い出す
少女だと言われたのは
いつの頃まで
だったのだろうか
モル ....
おっこちた
うちゅうのてがみ
昨日の夜は
ずいぶんと
きれいな
星空
それよりも
もっと
ずっと前
おかあさん
うちゅうろけっとで
ぼくは行った
おっこちた
うち ....
はじまりはじまり
めくるように幕は開け
そしてやってくる
壮絶に赤い赤いシーン
ねえ、きこえる?
無音に響く
私が奏でる
インストゥルメンタル
からだごと
空も
地も
漂うも ....
歳経た
強靭な
行進
奏でる
繊細な
童心
踊りだす
群集の中に
帽子を取って
佇む
あなた
独り
目を閉じて
パレードの
ざわめきを
聞いている
....
懐かしの母校に帰って来た
生徒ではなく教師の卵として
ネクタイを引き締めて向かった先は
問題の山積みな教室
授業の時間は昼寝の時間
教科書はただの落書き帳
テレビでは何度も ....
星達が朝に帰っていく。
置いてきた温もりが微かに顔を出したように、輝いた
気がした。
星達が朝に帰っていった。
人々は狙いすましたように、朝日を追い抜いて、電車に乗る。彼等がまるでいなか ....
硝枝はけぶる
柔らかな朝
ああ
いい匂いだ
熟睡した樹皮は
哀しみを煎て
苦味すら香ばしい風
そんな
朝もやの窓を包み
夜明けの香りを注ぐ
大気のフラスコ
朝焼けは沁 ....
僕の恋が終わった
あの子の恋も終わった
僕らの大事な友達の恋が、実った
おとといの
夕暮れかけた空
君は
夏の底に
沈殿していったきり
西の夕焼けが
音をたてて色あせていく
手のひらの温度を確かめたくて
軽く握ってみても
汗ばんだ夏の終わり
いつだって ....
法律でも たった紙切れ一枚でも
君と一緒になりたいんだ
ブリキのおもちゃのような観覧車には
昭和の絵本の動物たち。
ぼくたちは運よくパンダの箱に乗ることができた。
小学生の頃亡くなったきみのお母さんが下にいて
きみの左手はぼくの手を握り
ぼく ....
みきすけは 旅だって いきました 。かあさんの 手を離れて 旅立っていきました。庭は もう 春で 今では 水仙が 咲きほころんで います 。
昼飯を買って会社に戻る途上
頭上を素早く横切った影に
ふと目を奪われた先で
一羽の鷹が悠然と
青天を舞っていた
佐世保川はいつもより澄んでいて
きらり、と陽光を弾いている
鷹は、 ....
3月10日に歌った「巣立ちの歌」
たくさんの泣き声の中、わたしは泣かずに最後まで歌った
以来、あの歌がきこえると、涙ぐむわたしがいる
すきな人を見た、最後の日 ....
はるは蝶とささやきあい
なつには蝉とうたいあい
あきはむしとなぐさめあい
ふゆにはみみずと遊びあい
風とは笑顔でダンスしあい
光とはすなおに握手しあい
雨とは ....
窓硝子を挟んで
浅い春は霧雨に点在し
わたしに少しずつ朝が流れ込む
昨夜見た夢を
思い出そうと
胸を凝らしたら
微かに風景が揺れた
なかば迷子の眼で
周りを見渡 ....
魚は
夜に鳴く
なくした
ラッパを思って
+
砂糖瓶を
よく洗って石段に
並べていくと橋を渡る
来客があった
+
探し物の
予定のない日
菜の花畑で一人
ラジ ....
{引用=
久方の (日の光がのどかな春の日だ)
光のどけき春の日に (それなのにどうして桜は忙しく散っていくのだろう)
静心なく ....
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