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毎朝 電車に乗って仕事に行く
ある朝 いつものように電車に乗り込み周りを
見てみると(私は常に立っている)
座席の一番端にひとりの精悍な顔つきの企業戦士といった
雰囲気の中年が座っていて
....
在る様に見えた向かいのプラットホームに
止まる列車ばかりを待っていた
落ちかけた陽に照らされ
辺りの羽虫も塵も金色に飛び交う中
次第に此処へと近づく車輪の音を聴いていた
けれどそれは ....
カーテンのなか
星が瞬く
わたしの夜は
白雲に
知らされないで
過ぎる
忘れない方法を
忘れたから
忘れる方法も
忘れた
わたしはカーテンの兄
星の夜は
瞬いて ....
青いワンピースの彼女を好きになった
彼女の白い肌によく似合う
さらりと長い髪
しゃんと伸びた背中
彼女に付け入る隙はなく
僕には近寄る術がない
彼女は、、
2つ手前で降り ....
明日も
来ていいですか
と問いかけるのが
私の日課で
でも
獣らしきものは
月の暦の朔日のみで
あとは静かな小波のような
ほのかな思いが
引いてゆくような
満ちてくるような
....
水底に
動物園はあった
かつての
檻や
岩山を
そのままにして
いくつかの動物の名は
まだ読めたけれど
散り散りの記憶のように
意味を残してなかった
あなたは月に一度の ....
君とふたりで並走
自転車で並走
笑いながら
たったふたりでの並走を
僕はずっと夢見てたけど
きっとその夢 ずっと叶わないね
バイバイ 僕の自転車は
夕暮れの
スモッ ....
ああ、ぼくらの恋、なんてのは
もう風車だ
風車
五月の風に、さ
混ざり合ってもいつか
止まって
色は、分かれて
屋上のさらに屋上に、屋根をつたって登る
椅子と毛布を持ち込んで
月が現れるのを、待つ
会話をするのが全てではなくて
視線を合わせることも同列
同じ月を探しているという二人 ....
ぷくぷくとうまれ落ちるみどり
重なって、傘鳴って、昨日も雨
折りたたまれていく日のひかり
雨降りお月さんを泣かしたのは
さくらのかんざし、つげのくし
ヴィーナスにご執 ....
満月の夜
神様は君を見た
そこで見た光は
ふわり
ふわふわ
月泳ぐ
ゆらり
ゆらゆら
光踊る
満月の夜
君が見た
宇宙眺めて君思う
ほわり
ほわほわ
月笑う
....
闇の中で厳かに
点滅を繰り返す
淡い金色の光
甘美な夢は仄か
極寒の海に漂う
藍色の氷山の群れ
現実は冷徹
孤立している魂
不安が彩どる ....
「働くホームレスになる」なんて
半年前には冗談交じりで言っていた
無精ヒゲに長い髪がよく似合う
黒猫を抱いた横顔が
少し悪びれてて好きだった
そんなあなたの髪が短くなって
三月、白 ....
わたしはいつも、つつまれている。
目の前に広がる空を
覆い尽くすほどの
風に揺られる{ルビ椛=もみじ}のような
数え切れない、{ルビ掌=てのひら}に。
その手の一つは、親であり ....
花冷えのころ
すきとおるあおと
ぬくもりをさがしながら
蝶のようにとびたち
風の声をとどけに
あなたの耳で
蕾になって
向日葵のだいたんな喜び
わすれな草のブルー
おしろ ....
めをひらき
みあげたそらの
青さにふと
あなたにあえないつらさをしる
この指先の ちぎりたる
その花びらの 薄匂い
一度にすべて 散らそうか
淡き涙を 惜しもうか
風は遠くに 行くばかり
奪う事さえ よしとせず
私は元来
無口な男でありまして
うっかり、思慮深く思われがちですが
それは、本心を秘めている
というより、むしろ
現すタイミングを計れない
どうにも不器用な人間なのです
何か言わ ....
ぼろぼろに
なっても
また
誰かを
すくおうとしてる
ぼく
自身さえ
すくえないのに
はざくらがきれいだった
るうとのけいさんはいつも
にがてだった
すしやにかくまわれてる
ごうとうのせんたくものにも
すずしいかぜがふいた
+
ははに
るびいをかってあげた
に ....
鶯が
桜に色を
わたしています
今日は雨
あなたは
静かに
そういいます
書きかけの手紙
まだ、
ポストへ
出せずにいます
花びらは
雨を乗せて ....
あっ、春が飛んだ
今、飛んだ
すぅと、まっすぐに
春が飛んだ
とてもうれしそうだ
おや、あっちでは
春が跳ねている
清らな音で跳ねている
春のリズムで
なんだか楽しそうだ
....
あなたが
この頃やさしいのは
何か企みがあるのかと
首を傾げていましたが
いま、この橋にたたずんで
ようやく気がつきました
もう
春なのですね
欄干にもたれて
あなたの
い ....
産まれて来たからには
そりゃあもう生きるしかないのよ
理由なんて特にないけれど
それでも死にたいなんて
レモンの酸っぱさ知ってからでも
遅くないと
....
はらりはらりと
川面に亡骸を落としながら
咲急ぎ
散り急ぎ
噎せる程の緑に溢れる
木漏れ日に遊べば
また巡り来る
時を思い
木肌に祈る
マンホールの上でベーコンが焼ける暑い日
屋根瓦の上に産み落とされたあなたのアイデアは
半熟からウェルダンになって
天へと昇っていったのよ
ねぇちょっとおかしいと思わない
....
空を見て歩いていたら
どこまで行っても空で
そりゃ曇る時も
ポツリと来る時もあるけれど
夜になっても
そこには空があって
そうそう大雪の日は
空も地もその間も真っ白で
境界線す ....
気がついたら
目の前に森があった
そうとうぼんやり歩いていたらしいが
もしかしたら忽然と姿を現したってやつかもな
とにかく入ってみる
ほとんど光の入ってこない
真っ暗な森だった
....
幼い頃からいつも一緒でした
わたしとあなたは
いつしか
あなたの右の指に花が咲くようになり
わたしの左の頬に花が咲くようになり
わたしたちは
その花を愛でたり食べたりするよ ....
夕暮れ誰かの輪回しが
カラカラカラと泣いていた
知らない少女の影法師
カラカラカラと泣いていた
だあれもいない街の角
人恋しいと泣いていた
街の広場の古井戸が
カラカラカラと泣いてい ....
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