寝苦しさに目を覚ますと
やはりホリデーインの一室に泊まっていた
わたしの隣では
脇臭く寝相の悪いやつが
馴れ馴れしくいびきをかいていた
エーチャンのニューグランドホテルは
わたしのこころの ....
昨日の夜は月を見てたの
ワタシを照らし出す
スポットライトみたいで
{引用=優しくて 暖かくて}
淡い光のベールが
身体を包み込んで
{引用= ....
どうでもいいような昔のことを
おおげさに懐かしがったり
にぎやかに笑いあったりしながら
おれたちは川べりの細い道を
ただぶらぶらと歩いていた
真冬の太陽は
弱々しいけれどやさしく
そして ....
大地には梅の花
赤い赤い梅の花
光をいっぱいに受けて
大地を彩る
花が開くと
なぜだろう
どこからか
喜びがやってくる
今の喜びがやってくる
今の喜びは今しかない
明日の喜 ....
目指すのは
頂上ではなく
より高い場所
轍の無い荒れた道にこそ
新たな可能性は潜んでいる
棒の様な足
乾いた喉
前途は多難
それでも後ろを向いてしまったら
どこまでも落ち ....
もうひとつの空の下には
空想好きの少女がいた
彼女は瞳の中で
小さな星を育てていて
世界からこぼれるように鳴るメロディーに
詞をつけては歌いながら暮らしていた
詞の中では少女は
....
何も書かれていないノートに
想いを綴る
真っ白な小さいノートの中には
えんぴつでしか書かれていないけれど
そこには
色がある
歌がある
風がある
とても小さな平面の上には
とても ....
息をすって
息をはいて
それを一緒に
森の中で
雨にぬれて
森の中で
息をすって
息をはいて
おまえのこころ
いばらのとげに
息をすって
息をはいて
....
彼は眠りこけているが彼女は目覚めている。
息で曇る車窓の向こうは夜更けた雪国、
どうせなら洒落たペンションにでも泊まりたかった、
と彼女は思うけれど、
財布の中身を考えれば車中泊もしかたな ....
赤
これは色ではなく
文字です
そしてそれは
人によって色が違う
ある人はペンキの赤を思い浮かべ
ある人は流れ出る血を思い浮かべるかもしれない
もしもここに
私が思っている赤を画像 ....
しあわせに触れたら次はふしあわせお手玉の唄うなじ香らせ
あやとりの糸たぐるうちたどりつくふたつの胸のはざまのひかり
遠くをば見つめることすらでき ....
【一女】
今昼の行い
良人の夢に
現れぬことを
ひたに願う
この行い
一瞬の産物なれど
世にもおそろしや快楽は
我の内をひた濡らす
嗚呼うつろな顔を見 ....
今の生活から逃げたくて
花になりたいと
思った日はいくつあっただろう
それでも人として生まれたのだから
自分のどこかに
きっと
花があるにちがいない
一日中ずっと部屋にいて
星にな ....
あの娘を抱きしめたとき 君の肩幅と比べてた
やっぱり
君は細かった 君の頭は小さかった
見上げる顔が可愛いかった 胸元に響く声が切なかった
悲しいこと 多すぎて ....
赤ちゃんに笑いかけたら
笑い返してくれるように
空に
街に
世界に
笑いかけよう
わたしから
あなたに
ないものばかり
足りないゆびで
折りかぞえても
夜のさみしさは
ぬぐ ....
国語の時間は書く事が多いから
鉛筆は休む暇も無い
消しゴムは特に仕事がないから
筆箱の中で一休み
社会のテストは筆記が多いから
鉛筆は休む暇も無い
消しゴムは特に仕事がないから
筆箱 ....
少し前、3年ほど教会でゴスペルを習っていました。
ゴスペルは、奴隷制に苦しめられた人々が作り上げた、悲惨な状況の中での狂おしいまでの自由への渇望や、神への賛美を声と身体で表現する、ノリノリの賛美歌で ....
あなたの心の手を広げてください
そして
風を抱きしめてください
ほら
やわらかい風が
あなたの微笑みに応えている
もしも
あなたが涙を流しそうになったら
ここに来て
大地に浮きましょ ....
生きてりゃいい事あるよ
{引用=ホントニソウイエマスカ?}
もっと強くならなきゃ
{引用=ヨワイコトハワルイコトデスカ?}
自分をしっかり持ってさ
{引用=ジブンッテナンデスカ? ....
君が食べているソフトクリームが
あまりにも美味しそうだったから
一口だけと取り上げてみたら
子どものようにすねた顔をした
僕はいつもふざけてばかりで
笑顔の君を見つめていたくて
時々本 ....
なあダーリン
悲しいときもあるやろ
寂しいときもあるやろ
辛くて
訳分からんなって
死にたくなるときもあるやろう
けどな
あたしは止めるよ
あんたが死のうとして ....
ぼくが
ぼくから許されて
きみがきみから贈られる
ぼくは
ぼくだけど
きみを愛しているわけで
いちたすいち、は
いまならわかる
たやすく
解ける
ぼくは
....
坂を上れば風の里
力弱まり留まるも
風から風へ向きを変え
遠い空へと旅に出る
坂を下れば風の道
力の限り流れ出し
風と風とが重ねあい
遠い街へと旅に出る
目には見えない風の里
....
二十年近く前 たまたま誘われて 文学の人の集まりに出席した。
そこで小説を書いているらしい 年配の男性が ベルリンの壁の崩壊やソ連のゴルバチョフさんについて触れ
「人の行動力は凄い それに比べ ....
動かない空気のなかで
宛てもなくひらりと
便箋を翻すと
そこには
まだ言葉にならない溜息やのぞみが湧きだして
いつの間にか黒い模様を描きはじめる
遠くへ帰るひとを
いま見送っ ....
「 いい娘だったのにね 」
母が ぽつり もらした
「 ね 」
だから 好きだったんだよ
平凡でありきたりな人生に
幸せを感じる人もいれば
不幸だと嘆く人もいる
青い鳥を探す旅に出て
力尽き星になった人がいる
誰もが彼を嘲笑ったけど
その死に顔は満たされていた
どれが ....
凍りかけてる湖水のほとりで
ゆらゆらゆれてるあれは何?
あれは仔牛の頭蓋骨
あれは仔牛の頭蓋骨
ポッカリ開いた眼窩から
無常があふれ出てゐます
冬冬冬冬(トウトウトウトウ)
....
もしも空がなかったら
空よりも広い
夢を抱くことができただろうか
静かに流れている雲は
どこから来て
どこへ向かうのだろう
もしも星がなかったら
星よりも遠い
想いを馳せることがで ....
ねえ聞いてる
聞いていない
ねえちゃんと聞きなさいよ
聞かない
彼女は歌唄い
彼だけのために
歌を歌う
彼女は歌う
誰にも聞かせない
美しい声で ....
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