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資本主義という名の透明な怪物が
ビルの谷間を音もなく駆け抜けてゆく
それとはまるで対照的な緩慢さで
新型都市交通システムが
のろのろとモノレールの上を這っている
銀色の箱型の車両には ....
どうでもいいような昔のことを
おおげさに懐かしがったり
にぎやかに笑いあったりしながら
おれたちは川べりの細い道を
ただぶらぶらと歩いていた
真冬の太陽は
弱々しいけれどやさしく
そして ....
#71
ありきたりな憂鬱に
絶望なんていうおおげさな名前をつけて
誰も見たことがないペットみたいに
かわいがって育ててんだろ
そんなのどこでも売ってるぜ
#72
....
はじまりは
とても単純なことだった
猿に似た生き物が
仲間の餌を奪おうとして
その喉笛に噛み付いた
立ち上がって歩くことで
両手が自由になったその生き物が
最初にしたことは
足元に ....