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主の居ない実家の風通しに行って
帰京する日の昼食は
親父が通いつめていたラーメン屋
生前
親父は帰省していた僕が帰京する日には
決まってこのラーメン屋で一緒に昼食を食べた
それだけ ....
映写機がカタカタ鳴っている
僕の撮る写真が君は好きだという
街は白黒というよりも何かひとびとの
息吹をはらんだ色彩に染められている
街灯には設置された年がゴシック体で
刻印されているのだ ....
すごく鬱陶しそうに言われた。
「私たち疲れてるんだから、それぐらいしてよ」
だから鍋の中のシチューを温めた。
べつに、なんともおもわなかった。
ちょっとぬるかったかな、とか意識の遠くの ....
夢 いかがですか
どんな夢でもお好みのままに
夢 いかがですか あなたに夢売ります
僕のポケットにあふれるぐらいに
夢がたくさん入ってる
あの日 君の心から奪った
夢も押し込まれている ....
フレル 震えるそこに フレル
いつまでも降り止まない雪は
ついに私の心にまで侵食する
どろどろになっている私の心の中に
冷たい温度のそれはしんしんとつもる
フレル 凍るそこに フレル ....
ただ存在を
受け入れてもらいたいだけなのに
何故それさえも拒むのですか?
妄想をやさしくふくらませて
勝手にせつなくなろうとした
なにかを突破しようとした
きみの一言一句を推理する
ぼくはひとりの探偵だった
欲望に
肯定的な推理だけをした ....
「おじさん、競艇のどこが楽しいんですか?」
「知るかよ」
うごくと
あたっちゃう
にがいとげ ふゆのやま
すぐには
こえられない
わたしなんかに?
とんでもない
やさしさに
ぼたぼたする、
これは
もろさじゃない、よわさじゃない
....
寒すぎると心が痛む
一人でいると涙腺がゆるむ
みんなでいると息がつまる
やっぱり私は わがままなんだろう
右から生えてる草をちぎって
左の川へ投げ捨てる
自然に命があるってことも
知 ....
彼は走り続けます
遠く、遠く
どこまでも、どこまでも
馬鹿な猫と呼ばれた彼は
遠く逃げる様に
“黄昏ノ君を探して”
遠い昔、昔、昔
貴女は ....
なんかちょっと曖昧にしてたら男が逃げた
いいかげんにはっきりしてと言ったら母親が逃げた
みんなどっかへ逃げる癖があるんだろう
どうするつもりだっていうから私は逃げた
私だって逃げてもいいと ....
もう壊れてしまったから
捨ててしまうのですか?
ぼくの紡いだ時間の縦糸が
ぷっつりと切れてしまいました
重たい
川に入ると
そのままでは浮かんでこれない
瀬
壊れ物だけが集まる遊園 ....
詩が何のためにあるか
詩っていますよ
あらゆるものを
名づけてしまうことなく呼ぶために
どの言語も
単語のひとつひとつは
一々長ったらしく説明してられないがための
高速言語
符 ....
こうやって真っ白な入道雲を見つめながら無人駅のホームで涼風にあたっていると
私は永久にこの季節の住人で
それ以外は旅しているだけなんではないかと思う、昼下がり
何もかも果てなく親 ....
車輪を空転させ
巻き上がった金色の砂埃の中で彼は踊るが
石に躓き足首を捻挫する
家でじっとする
永遠に陽のあたる家
しかし彼は照らされたくはないので
びっこをひきながら外へ出る
彼は ....
そうだね私はちょっとなんでも受け入れすぎるのかもしれないね。良いことでも悪いことでも私はなんでも拒絶することなく受け入れてきて、それがよいことなんだと思っていたよ。でももしかしてそうじゃないのかな。私 ....
石を並べていく
川を越え
空を越え
虹の橋を渡る
あなたがいた場所まで
石は並んでいく
あなたがいない場所で
今日もまた
体を成し遂げている
明日もまた
同じ数の
石 ....
指のさき
雪がひとひら、消えました
わたしの熱を、あら熱を
かくまうように
消えました
うなずくべきことなど
何もないけれど、
わたしは確かに
うなずきました
す ....
神様 あんた いたんだね
てっきりいないと思ってた
苦しいことばっかりだから
てっきりあたしは神様に
愛されてないって恨んでた
神様 あんた いたんだね
こんな最後の最後に ....
なにかを恐れ
なにかを待っている私の
目の前になにかが
やってきたとするなら
静かに受け入れることが
できると思えない 今は
まわりくどく
考える私には
寄り添ってくれる
言葉が ....
泡の中に階段
階段の突き当たりに崖
飛び込んでごらん、ウールだよ
と言って
飛び込んでいく民兵たち
砕け散ったポケットの中に
鉄屑
こぼれ落ちた鉄屑の雫で
埋め尽くされた野 ....
なにをためらっているのか なにもためらっていない
酷い傷だけ生きているの 掠り傷だけみとめられるの
気の遠くなりそうな曲がり路 死んでも越えてみせるわ
えらくなれ 燃えあがれ
壊せぬなら ....
かんかん照りの星空に
ふたりの哀しみ
狂いなく配置されている
ぼくらは模型の街にいるようだ
ふゆの夜が
星粒を散らしている
見上げるたび
眩暈してふらつい ....
流されることのなかった涙は
夜になると人知れず空に抜け出し
宇宙のどこかで
ひとつの星に結晶する
僕らは手を伸ばしても
その涙をぬぐうことが出来なくて
だから
ただ夜の空白をなが ....
せつなくて
封 印
苦しくて
封 印
意識の底の底の底
君をグッと押し込めた
はずなのに…
この道も
あのショップも
この曲も
あのライブハウスも
この雪も
....
恋をすると女は美しくなると申しますが
恋をすると男は醜くなるのです
それはそれは醜く浅ましくなるのです
そして男はそんな自分を愛して欲しいと願うのです
貴方が悲しみに暮れている時に涙を拭う ....
星の数だけ浮かんだそれぞれ孤独なロダンと
それぞれ頭の中で試されるモダニズム
泣きべそをかいた子供が唯一カギを持つこの城で
誰も知らない自分だけの
誰も知らない自分だけの
宇宙へと旅立ちます ....
{引用=
雲の崖から
流れ落ちる虹
光は水に沈み
黄昏の彼方に
風は失われた
日々を呼ぶ
夜の匂いの中
思い出は座礁し
波のはかない仕草に
古い傷は{ルビ火口=ほく ....
今日
はじめて 自分以外の誰かのために
神様にお願いをしました
霧たちのぼる早朝に
ひとりで そこに踏み入り
ひとりで 歩を進める
人の手の 届かぬ領域
....
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