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夜を走る電車
十五両編成の最後尾
ゆっくり居眠りしようと
乗り込んで席を確保した
はずだったのに
次の駅から
スノーボードと思しき
荷物を抱えて乗り込んできた
二十代前半の女性が
暫 ....
主の居ない実家の風通しに行って
帰京する日の昼食は
親父が通いつめていたラーメン屋
生前
親父は帰省していた僕が帰京する日には
決まってこのラーメン屋で一緒に昼食を食べた
それだけ ....
東京の原っぱが消えたと書かれても
子供のころにはもう
原っぱは無かったのだ
のび太やドラえもんやジャイアンが
遊んでいた空き地も
ファンタジーでしかなくて
リアルじゃなかったんだ
....
僕とは繋がっていない
世界中を止めどなく
流れる/溢れる情報なんて
信じられない
新しいセオリーなんて
存在したこと
あったのだろうか
すべては既視感に
満ちていて
それは瑞 ....
飯能市街を抜けて山間へ
僕の運転する車は
滑らかに進んでいく
しだいに狭まる谷を抜けると
山間の集落が現れる
カヌー工房とか
材木屋とか
しゃれたパン屋とか
横目に見ながら ....
分からないままに歩き続ける
たどり着く場所なんて知らない
まして此処が何処かなんて
想い描く余裕もないから
ただ流されるがままに
諦めて誤魔化して色褪せていく
その世界を壊せばよい ....