はあとのつもりで
はあとをつけた
いたがった
はあとのつもりで
あとをつけた
いやがった
はあとのつもりで
はとをつけた
とんでいった
はあとのつもりで
と ....
ときどき僕は、まだ羊水の中で
少し離れた場所から聞こえる声に
そっと耳を澄ませている気がする
それは子守り唄のようで
鼓膜を揺らすほどでもない
優しさを持っている
とき ....
あなたの
まじめさはいい
ただしさはいい
はじめはたにんを
ひていしなかった
けんきょさがいい
ひとがらもよかった
けれども
ひていしている
ひていしはじめている
....
僕は、雨が嫌いだ。
というよりは、雨で濡れるのが嫌いだ。
だから、雨が嫌いというよりは濡れるのが嫌いなのかもしれない。
しかし、シャワーを浴びるのが嫌いじゃないことから、水に濡れるの ....
泥になって
まもろう
あなたの
すこやかな睡眠と
思想を
まもろう
ひやりとあたたかく
まもろう
泥になったわたしには
思想もなく
身体もなく
ただそこにあるよう ....
厚顔無恥な私を
やわらかな笑顔で迎え入れてくれたその家で
酒をごちそうになった
しどろもどろの
要領を得ない
私の話に
やわらかな笑顔で相槌をうってもらいながら
温かい
温 ....
嫁が欲しいが良縁がないので
この際もう人でなくても良いと思い
皮付さきいかを嫁として迎え入れたが
晩酌のつまみをうっかり切らした際
ほんの出来心で嫁を食ってしまった
以来わたしは嫁殺しの罪を ....
残飯を
あさって夜に
うろついた
十九の夏が
蘇る夏
目を開けた
まま眠ってる
アパートの
水槽の部屋
見知らぬ魚
きゅうじつ
のっぱらにねころんで
そらをみている
くもが
すこしずつ
かたちをかえながら
いそがしそうに
そらをながれていく
あれはあれで
しごとをしているのだ
....
林檎のかおりがする 天の河
もう随分と走ってきた
星へのひとり旅
白十字も恐竜の化石の海岸も通り越し
鳥を獲る人は、とうに降りてしまったし
銀のすすきの野をみるために
列車の窓を開 ....
たかい
たかい
あったかい
たかい
たかい
あったかい
だれかのうでに
だきあげられて
たかい
たかい
あったかい
あれから
なんじゅうねん
たかい
た ....
桜の花びらに見えましたが
それはお墓でした
とても小さな墓石でした
とても小さな人が
入っているのだと思いました
ところどころ緑に苔むして
たしかにそれでも
桜の花びらに見え ....
こぼしちゃいけないってがまんしているきみの
その眉間のしわが好きなんです
吐息が融解していく夜の海に
降りしきる雨はひそやかな銀
さようならをうまくただしく言おう
そのためにわた ....
何そうやってさっきから
イヌコロみてぇに聞き分けねぇのさ
これは雨戸のすき間の音で
風は声なぞたてやしねぇよ
聞いてて骨が辛ぇのは
いつでもこっちの勝手さね
まったく大した晩だねぃ
....
夜な夜な通う男があった。
おのれとは不釣り合いな貴人であると思ったから、
娘は誰にも告げなかった。
幾山越えて川越えて
林を抜けて森抜けて
夜な夜な参る者の名を
ちちはは知らずたれ知ら ....
「馬鹿な奴は嫌いだ」と言えてしまう人が嫌いな馬鹿です。
愚鈍だと思われるのも無理ないけど侮りすぎも大概にして。
見えてる景色が違うから歩む速度も均一じゃない。
粒揃いもいいけれど、ごめん、そんな ....
小学生の頃
うちのネズミ捕りにかかった
一匹の親ネズミを
母親は
バケツに水をためて
ネズミ捕りごと沈めた
....
morning.Zn無
君が2日前に置いていったメモにかかれた、言葉?
*宇宙からのメッセージ
だってさ
夜風が命のないもの達を
動かして、遊んでる
カタカタカ ....
時間は繋がっている
ようでいても 実は
繋がってはいない。
ただ
連続して 重なってはいる。
繋がっているのならば
常に未来は予想できるはず。
川に浮かべた笹舟の様に。
でも実際は ....
【ジュゴン】
目覚めると、恋人がジュゴンになってゐた。慌てて抱へあげ風呂に入れたが、彼女はとても不機嫌さうだった。湯に食塩を入れると、少し機嫌が直った。あとは食べ物だ。ふえるわかめを湯に入れてみても ....
小鳥が死んだ。
何の前ぶれも無く突然落ちていた。
鳥が死んだ事に驚いたが
それよりも自分の心が波打たない事に驚いた。
何の感情もわかない。
涙も出ない。
子供の頃から色々な生き物を飼っ ....
おひさまは
毎日うまれて
毎日しんでしまう
しんでしまったおひさまは
地球の裏側を
じつは照らしていることを
わたしたちは
ちゃんと知っている
しんでしまったひとさまも ....
末の息子が帰った後は
母さん 堪えるらしい
寂しいらしい
悲しいらしい
飯も作らにゃあ
起きても来ない
そんなに辛かりゃあ
キャッキャ キャッキャと
喜ばなあ いいの ....
今はもうだいぶ古びてしまったけど、
あなたが生まれてすぐの頃
お風呂に入れている写真がある。
頭の後ろを片手で支えて
おなかの上にはガーゼのハンカチ
ただ無心に 洗い残しのないようにと気 ....
小学校から帰ったぼくに
「今夜はお母さんの店で夕食だぞ」
と微笑みながら次兄がいう
長兄が帰ってきたところで
兄弟三人で冬の夕方の千住の町を
母の店に向かった
今夜は母と一緒の夕食だ
....
君の手のひらで
雪は溶けていく
それは
僕の涙だと
君は気付かない
季節外れの雪は
僕の思いなのだと
君は気付かない
そして、君は
誰かの腕に抱かれて
雪は ....
本業を失って早2ヶ月過ぎて
暗中模索の仕事探し
友達さえも不況の火車に乗る始末
唯一の家族の弟にさえ
頼ることさえできない姉である
こつこつとバイトをしながら勉強 ....
そのまま に そのまま で
手はそこに あった
そのまま に そのまま で
足はそこに あった
白い殻の向こう のすぽんじ物質
ちょっといいにおいがして
はしでつまんであげて・・・
かさ ....
息子も中学三年生となった
進学のことで小言を言った
もっと真剣に勉強に取り組め
現実は厳しいものだ
思うようにならないのが人生だ
うつむきながら息子は黙って聞いていた
....
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