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毎晩ネットで
ばかなことばかりつぶやいてると
ばかな女があつまってくる
あたしのばかを
代弁してくれてありがとうと
ご丁寧にお礼をなさる
みなりっぱな
女のひとばかりなのだ
 ....
夫婦喧嘩しながら
酒を飲む

楽しい酒ではないけれど
つまみのイクラを
一粒一粒舌で潰しながら
時が過ぎていく

その一瞬にも
互いの言い分が述べられて
これは生きてい ....
  
 
父の隣の病床に
テレビが入院した

治すよりも
買い替える方が安いですよ
と医院長は言ったまま
ろくな治療もしない

翌朝テレビは死んだ
 ....
蝉が鳴いてると思ったら
お隣の山田さんだった

いつものように挨拶すると
蝉になるしかないですね
と、いつもの声で山田さん
その後ふたたび
蝉の声で鳴きはじめた

わたし ....
なかまとあそんでると
かぞくが
たいせつになる

かぞくとすごしてると
なかまが
たいせつになる

ひとりでいきてると
どちらも
たいせつになる

まようなあ
し ....
こしかけていたひとが
もういないので

そのいすに
こしかけてみる

いなくなったひとと
おなじくうかんに
はじめに
ことばはなかった

からだひとつで
うまれてきた

わたしたちは
いつしかことば
そのものとなり

やがてことばとともに
きえていく
かごのなかから
かたちのよい
みかんをえらぶ

どれでもいいのに
なぜか
えらんでしまう

だれでもいいのに
なぜか
わたしはこいびとを
えらんでいた

だんらん ....
都会はいいねと人が言う
暮らすところではないけれど

雪国はいいねと人が言う
暮らすところではないけれど

だから人は旅に出る

暮らしを離れ
夢を探しに
たべることは
つみだなあ

しんだひとは
たべられなくて

もうしわけない
きみだって

うまれるまでは
しんでいた
きっとわたしが
しんだあとに

そのへんじは
くるのだろう

はるになれば
つぼみがふくらみ

なにごとも
なかったかのように
お代り、と言って
空の茶碗を掌に持ち
伸ばした腕がどこまでも伸びていく

伸びきったところで
祖母が茶碗を受け取って
傍にある炊飯器のご飯を茶碗に盛る

おばあちゃんのお代 ....
 
 
おかねをかりに
まちにきたと
つまがわたしに
でんわした

こんなにてつやして
やすみなくはたらいても
まだたりないのだ

しょうひんけんをかう
そのとなりで
はしゃ ....
 
 
ときのほとりで
さかなつりをした
たくさんつれたけれど
いっぴきもつれないひもあった
さかなはつまがりょうりした
おいしいとつたえた
たべないひもあったから
あいしてるとつけ ....
 
 
イマ カエル

妻に電話する
自分の声がおかしい

イマ カイモノ シテル

妻の声も
カタカナになっている
おかしい

近くで息子の声がする
オツキサン ミエナイ ....
 
 
あなたの
まじめさはいい
ただしさはいい
はじめはたにんを
ひていしなかった
けんきょさがいい
ひとがらもよかった

けれども
ひていしている
ひていしはじめている
 ....
 
 
目を開けた
まま眠ってる
アパートの
水槽の部屋
見知らぬ魚
 
 
 
 
きゅうじつ
のっぱらにねころんで
そらをみている

くもが
すこしずつ
かたちをかえながら
いそがしそうに
そらをながれていく

あれはあれで
しごとをしているのだ
 ....
 
友だちの
りんご畑から
りんごを盗んでしまった

十数年後
街でばったり
友だちに会った

一緒にお酒を飲んだ
ふところには
あの日のりんごが
ひとつあった

りんごは ....
板谷みきょうさんの小川 葉さんおすすめリスト(19)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ネット詩- 小川 葉自由詩713-1-8
夫婦喧嘩- 小川 葉自由詩1212-12-20
テレビ病院- 小川 葉自由詩412-7-9
蝉の山田さん- 小川 葉自由詩412-7-7
サービス- 小川 葉自由詩412-5-14
空間- 小川 葉自由詩412-2-20
言葉- 小川 葉自由詩512-2-11
団欒- 小川 葉自由詩312-2-2
- 小川 葉自由詩612-1-10
- 小川 葉自由詩311-4-13
返事は遅れてやってくる- 小川 葉自由詩5*11-3-21
お代り- 小川 葉自由詩911-1-24
いいわけ- 小川 葉自由詩110-7-7
時のほとり- 小川 葉自由詩610-5-31
帰還- 小川 葉自由詩4+10-5-20
人間のしくみ- 小川 葉自由詩1+*10-5-8
- 小川 葉短歌410-4-30
くも- 小川 葉自由詩510-4-29
りんご- 小川 葉自由詩708-8-15

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