足跡が
砂の上に
スッと
風に吹かれて
直ぐに

耳に風を吹き掛けられて
くすぐったくて
やめてって
まとまった話がしたいのに
君の目を見ると

囁く声を
言葉にならない声を ....
彼の生きた過去
僕が生きる現在
危ういリレーは
まだ続いている

僕が生きる現在
君の生きる未来
危ういリレーは
また続いてゆく

消えても 消えても
生まれて 生まれて
 ....
あなたは太陽のようだ
恐れるものは何も無く
全てをその光で照らす
失意の底にいる私を救い
希望の光で包んでくれる
坂のある町
ノスタルジー
暗い戸口であなたは待つ
幼い私の影法師
ランプのともしび心に刻まれ
手の温もりは記憶に刻まれ
今年は、やたらと、
三連休が多い。
罪なことよ。
だってその長いむなしさに耐えきれず、
つい、
また、
女を買ってしまうから。

「女を買う」というけれど、
むかしのような粋はそ ....
私の大好きな古い窓に
あのカラスはキズをつけた
羽虫の薄さで
夕日を水のおはじきにして

木苺の赤い信号が
車を待っているあいだ
硬い色の空を背に
セスナ機ほどの小さな傷で
浮かん ....
 トゥクトゥクの傍らで赤い夕日を待って
 犬は
 なにもしていない真昼
 なにをしているのだろう、そこで
 みずからの首に首輪をつけ
 ひもをつないで

 犬って
 なにも ....
ナイフと黒い皿
テーブルには

皺だらけ
砂時計と水と消しゴム
メモと灰皿

伝票とボールペン
ぽつぽつと

灰皿と車と赤い花
黒い空には灰の雲

さらさら
風と雨とまざり ....
ココアがくつくつ
揺れている
背中を壁側に

テーブルに
冷たいシャツ
袖口から右の指先
左の指先

息を吐き出し
口内炎にいじめられ
舌はだらしなくまるめ
文字をぽちぽち
 ....
あんなことこんなこととかあったねと笑いたいけどまだ無理かもね


つい先日わかったことだ板チョコは二人で分けたほうがおいしい


日曜はカレーの日って決まってて玉ねぎ相手に痛み分け ....
気管支に埃が住んで苦しいの 古い名前を呼ぶと咳き込む まなざしが果実のように熟すなら 情も枯れゆき朽ち果てるのか

鰯雲 終い忘れた風鈴がからからと鳴る かなしいみたいに
夕焼け色の空を見て
君は癒されるでしょうか
あの日、
海で見た
あの空のように
終わり行く一日を
溶かすように
僕らは終わったのでした

愛しています
と呟くたびに
コップの中の ....
南部風鈴の音
風に乗せ
山越え
きーんと鳴る

見るも無惨なお前の笑顔
腕は白い
うちひしがれた隣に空が
はっついてる
いっときも目を逸らすな
言ったのに

泥のように夕日を沈 ....
産婦人科の女医の
知り合いもいなければ
メメクラゲに左腕を噛まれた
覚えもありません。
しかし、左腕が痺れてます。

左腕の痺れは
ネジの絞めすぎだと
何かの本に書いてあったので、
 ....
AKB48の小野恵令奈ことえれぴょんが
今夏限りでAKBを卒業する
そんな夏なんだ

買ったときは三十センチほどだったマングローブの木が
もう一メートル近くに育った
葉を触ると
つるつる ....
何でもない今日一日を出かけてく


誰もいない駅のホームで私吸う


時計が回っている今日の今日もない


この、手は晴れた日を空に見ていると
あの日、あなたは逝ってしまったと
聞いた
ぼくはドーン・グロウの朝焼けを
小さな宝石にして
ポケットにしまった

憎しみは残り続けるかもしれない
しかし、憎しみとはなんと
陳腐 ....
 
 
窓ガラスに
幼い指紋がついていた
指紋をめくると
それは昔の日記帳だった
歩道橋で終わっていた
日記の続きを書くために
歩道橋を最後まで渡り
階段を下りた
まだ小学生で
 ....
浮かんでるのがレジ袋
鴉みたいだ

甘く重たい空の様子
大鯰の口いっぱいに砂粒を湛えてる

やがて切れ間からも火の手があがる
青いネオン看板の上に指がみっつ
鉄の焼ける臭いも混ざる
 ....
 帰郷

血の秘密 過去帳繰れば死児里子
父の子と兄の子埋まる猿すべり
風呂敷に春児を包み捨てにゆく
金蝿と庄屋のみ肥え天保の
作男斜視おいど追う鎌砥ぎつ
鬼百合の群生ひと喰いの記憶
 ....
ゆがんだ
細長い背もたれのいすに座って
ぼくたちは半日を
大きな絵のように過ごした

首筋を汗が
降りていく牧場で

太陽が庇の縁をなぞって
ゆっくりと半円を描き
ぼくたちは昏い絵 ....
お晩でがんす

むじな似のおんな魚選る夜五つ
閉店後精肉売り場よぎる牛頭
三叉路で人待ち顔の地縛霊
お嬢さん背中に手形ついてます
タクシーが女客拾わぬ上り坂

ウシガエル田んぼあぜみち ....
濡れた藪の陰には
ヤスコちゃんがもう膝を抱えている
色の変わった大きな樽の中は
トシユキの指定席だ
横木の折れた狭い入り口に
クモの巣は長くぶら下がって
すでにだれかが小さな手足の跡を
 ....
アジサイは盛りを過ぎて残影をあでやかならずや花の生涯

赤い花ガルシンの書を思いいず夕暮の庭妻の花壇に

色彩と吹きわたる風雀きて心なぐさむ夕暮の家
雲が白く山肌を覆う
そんな雨が途切れた夕方に
幻を見たような気がした
むせかえる夕立の後で
耳元で囁いた
その柔らかい息づかいが
脳裏に焼き付いて
繰り返すフラッシュバック
目眩の底に ....
吹く風よ微笑む人の面影よネム絶え間なく船出の風情
 
朝ごとにアサガオその名に天国を青さに空を映して地上に
 
花、柘榴。タコさんウィンナ血の味を実に成す前に朱色地に散る

鬼の木は{ルビ ....
あかさびた喧騒昏く広小路
上野山くろぐろ聳え駅を指す

午前二時松坂屋横かすめ行く
おかっぱの少女防空頭巾{ルビ厭=や}で

千代ちゃんは数え四歳母捜す
川向う慰霊の堂は家ならず

 ....
音域が広がりすぎて小人出る


テルミンのように触れずに奏でられ


真昼の留守宅コップは端へ端へ


また祖母に会えそう異国の逢魔時


109スカートだけが濡れてない

 ....
 
すがすがしい挨拶ばかり大陸棚


ベランダで行方不明になる半分


よく隠れ過ぎたあと泣きながら帰る


石を轢いても花を轢いても軌跡


ちちははの流れていった月経夜
 ....
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