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世界の片隅で生まれた風は
猫柳の枝を揺らし
水辺に群がる蝶の触手を掠め
乾いた轍の上を砂塵を巻き上げながら
叫びと響きを翼にのせて
つむじとなって舞い上がる
鋭いまでの切っ先 ....
このゆびを
のぞんで降りたきみですか、
しずかな熱も
いそぎゆく風も
そのゆくすえは
つながってゆく気がして
荒れたくちびるを、恥じらう
ふゆです
やさしさ ....
雨が降ると
紫陽花の咲くあの場所を思い出す
カタツムリは今日も
葉っぱに隠れて雨宿りをしているのかな
高校生の頃
雨が降った日には
よく二人で放課後の音楽室で時間をつぶした
君の奏で ....
シェリル
まぶしいな、区切られない場所は
名前を持つのかどうかも知らないような虫が
指先をつたってきて
それはぼくになにも響かなかったから
そっとしておいた
シ ....
遠き空より舞ひ落つる
雪の光を感ずれば
やはら一ひら手に取りて
心を開く花と見む
近き川より流れ寄る
水の光を眺むれば
しばし一向き佇みて
心鎮むる音とせむ
遠き国より打ち寄す ....
恐いものなど
一つも無い
恐いものなど
僕
夢見る術を知ってる
空を飛ぶことも
愛すべきこの街に
このアスファルトの道に
自由に白線を引く
方法も知ってる
フ フ
....
忘年会をした
車で来た人
用事のある人
風邪をひいている人は
欠席で
参加者は六人
お店の人に
無理を言って
二つのテーブルを
くっつけてもらって
乾杯をする
夢の話 ....
青く煙る 夕暮れ
窓から 黄昏の気息 忍び寄り
一人 聖書よむ 我
ロザリオ握り締め ラテンの呪文など唱え
夕焼けの紅 粗末な卓にかかり 青く遠く 紅 近く
偉大な日没を見入る もう夕べの祈 ....
人間と人間の間で起こりうるものに
無限の可能性
無限性の可能を感じた
わたしが何者であるかとか
彼女が何者であるとかはそれほど重要ではなくて
彼女との出会いを通して
わたしのなかに新 ....
緑と金と鋼色の円柱が
等距離で嘘をついている
左足の表面が冷たく痺れ
背の後ろで握った手
強く振り出され
呻くなら いつかの喜びの為に
長い柄のスプーンが
宙を駆けて
落ちた音で産れる ....
青い冬空透き通る
沢の{ルビ辺=べ}歩くその音は
見渡す空の声となり
孤独を忘れる時となる
白い{ルビ川水=かわみず}清らなる
峠を越えるその風は
鳥を寄せ呼ぶ歌となり
勇気を与える ....
残酷な少女がやってきて
僕を恋に突き落とした
残酷な少女は落とした僕の心を踏んだ
何も知らずに
何も気づかずに
残酷な少女は敬語が下手で
落ち込んでいたが
僕はそれが嬉しかった
....
歌舞伎町嘲笑っておしまい
歌舞伎町泣いてもいいのよ
歌舞伎町喧嘩はお止しよ
歌舞伎町なんでもありね
いっそ連れて行ってねぇ
結局ついて行きましょう
可憐な少女が立ってるわ ....
気になること
地球に生きている生命の始まり
ずっと向こうまで流れる雲の味
淡々と繰り返される波の終わり
これらは
どうなっているのだろうか
私たちは知らないことが多 ....
リコーダーを吹き
静かに一日が
終わる
そっと目を閉じる
夜に飲める一杯の酒
涙が出てくる
抱しめてそっと
「お疲れ」と言って欲しい。
また明日、人の幸せのため
喜んでもらう ....
風邪をひいた
2年ぶりだろうか
前に風邪をひいたとき
友人はまだ生きていた
前に風邪をひいたとき
父もまだ生きていた
前に風邪をひいたとき
....
携帯の画面上の
イチバン星みたいに
薄紫の空に
消えていった
追いかけたいけど
向かい風で
足動かなくて
目で追って
背を向けて
・・
・
僕も帰ろう
再放送を見逃して
そのまま旅に出る
いくつか電車乗り越して
慌てて駅に立つ
一面広がるどこの海
帰らない大人と子供
いつまで経っても気付かない
太陽は浮いたまま
どうせ別れる運命だ ....
頭の中の言葉が
たくさんあるというのに
捕まえることができない
つかもうとする手と言葉とが
磁石の同極同士のように
退け合ってゆく
言葉が拒んでいる
言葉をつかめない
そうではない ....
ふゆのめだまはゆめみるめだま。
ふゆらふゆらと、
ふねこいで、
ゆめやゆめやと、
ゆめをみる。
つめたくなったら、
めをとじて、
まぶたのなかで、 ....
海辺に
ギターを弾く男ひとり
音符は波に洗われて
貝になるかな
全部の音を閉じ込めて黙るよ
海辺に を弾く男ひとり
ギター
「ギターのピック虹色 ....
あの曲がり角を右折すると
あなたのステージは燃えてしまってるわ
火の粉が
ひとつ、またひとつと
逃げてゆく
あ
今度は一度にいくつも
あなたは
愛しい場所と野次馬たちと ....
何もかもが寒い夜だった
遠く離れた家から
犬が吠えている
その声が神経を尖らせる
何もかもが切ない夜だった
窓から覗く街灯の
力のない光が見えている
その暗さが心を曇らせる
何 ....
薄闇のなかで煙っているのは
発光するわたしの、産毛にかかる氷雨
ヒールを脱ぎ捨て、アスファルトに踏み出す素足は
ぴしゃり、ぴしゃり
水溜りに滲んだネオンを攪拌する
ぐっしょりと水 ....
抱きしめるこの胸の中に
喜びと悲しみが戸惑っている
真夜中一人きりだけで
街の中の片隅で叫んでた
叶える瞳の中で
大空に煌めいた一つの星
幻の夢のカケラ ....
君を初めて見つけた時僕の鼓動がときめいたよ
君と初めて出会った場所いつまででも忘れないよ
あの日2人で夜の街を歩いてた時に
君は僕の手を握って微笑みながらキスをしたよ
....
樹齢500年の
杉の木の根元には
大きな洞があって
わたしは
その中に住む
爬虫類だったと
ある日突然
思い出しました
気のせいかもしれないし
気のせいじゃないかもしれないけれど ....
君と僕とは性欲で繋がっている気がする
だいたい疲れた顔をしていた
たまに、ほんとうに笑っているようにも見えた
空港が近いから、ひこうきぐもは見飽きていたはずだ ....
はやる気持
はやる動悸
はやる思い
はやる答え
僕の心は
爆発寸前
僕の胸は
窒息寸前
苦しい
悲しい
つらい
疲れた
まね、まね、まね
昨日の私は誰かを映し
まね、まね、まね
今日の私も誰かを映す
まね、まね、まね
そして、私は明日も誰かを映すだろう
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