閃光は 僕を超えて 真っ直ぐに 延びていく
触れれば その光の粒子は 弾けて四方へ飛散していくけど
すぐにまた 一筋の線に戻って
立ち止まる僕を 嘲笑うかのように まっすぐまっすぐ延 ....
空に氷が張っている
その向こうは凍っているのでよく見えない
諦めて僕は瞼を閉じる
いつの間にか僕の眼にも氷が張っていたので
閉じた瞼がくっついて開かない
11月8日
....
君はもう見たのかい?
翼をもった
銀色の馬が
空を翔けてゆくのを
冬はこうして
やってくるのを
君はもう聴いたのかい?
いななくたびに
冷たい風が
地上に吹くことを
冬はこうし ....
ガラスに溺れている
他愛のない光の粒
漫画のような宇宙と
十月に揺れる何かを
五線譜のお皿に
のせたまま
すべての嘘が
優しくほほえんで
窓辺に腰をおろして
待っている
海 ....
風に
どこまでゆくの?
と尋ねたら
わからないけれど
吹けるところまで
と返事をして
どこかへ行ってしまいました
雲に
どこまでゆくの?
と尋ねたら
わからないけれど
....
ぴょぴょがあふれたら、
もうきせつです。
ばすけっとにつめこんで、
のはらにでおでかけしましょう。
みんなまっていますよ。
さあはやくじゅんびをして、
....
心が抜けてしぼんでしまった
わたしの身体に
あなたの息を吹き込んで
ちょっとあたたかな
ちょっと煙草臭いあなたの息を
自分までもが赦せなくなった
あの日から
わたしはわたしじゃ無くなって ....
心が枯れてしまったと
思ったとしても
君にはまだ
心の種が残っているじゃないか
君にだって
人と会話する気持ちがあるだろう
そう、それが心の種
そこからまた
新しい芽が生まれるのさ ....
お月さん
震えていなさる
今宵の風はあんまりじゃ
空が空っぽになってござる
塵ひとつ とんと見当たらぬ
裸で ぽつんと
一人でいなさる
地上に降りて来れたら ....
ピエロは
いつも装っていた
彼のまわりには
いつも明るい{ルビ日向=ひなた}があるように
ピエロは
どうでもよかった
彼のことを
まわりの人々がどう言おう ....
おまえの醜さが好きだ。
嫉妬に狂ってわめき散らす、
おまえの顔が好きだ。
ものを投げる時に、
わざと割れないものを投げる。
おまえの計算高さが好きだ。
....
つ…
つ…
湿潤を終えた葉の首の付け根を冷気が断ち切れば
涸れた維管束の行く先が、風とされる
そしてその葉の薄い鋭い赤い輪郭が今度は
冷気を切ってゆく
ああ、切 ....
―刺青
そこには船があって
ずっとずっと遠くで
何かを引きずりながら
航海を 続けている
そこには涙があって
ずっとずっと近くで ....
太陽の雫が落ちてくる丘で
あなたからの便りを待ちました
やがて日が暮れ
梟が夜を歌い上げる頃
あなたの寝息が聞こえてきます
あなたは私を必要としてますか?
そんな問いにさえ答 ....
{引用=↓↓ありがとうございます 一番下から空にむかってお読みください↓↓}
☆
....
星をみるんだ
この街の真ん中で
分厚い手紙を齧りながら
発泡酒で侘しく
それも公園、
結構サムイもんだ
どこかの朝焼けまで
ずっと続いてる電柱に
ひっかかった安穏
夜の天井は低い ....
う〜ん、いらない
もう、いい
こんだけこんだけあんたを想うから
だから
もう…いらない…
ずつと前から空を泳いで
ずつと遠くにいきたくて
あんたの背中にしがみつき
必死に放され ....
少年と少女のささやきが
午後いっぱいの光をあびて
牛になる
と、牛飼いの男がやって来て
どこかに連れて行ってしまう
もう少年も少女の
ささやきはしない
語られる愛と
愛に似たものは
....
駅前の寂れた広場
少年がギター片手に
この世の終わりを歌っている
死んだ魚の目をしている
完全だろうが不完全だろうが
事態はすでに起こっていて
動いていて生まれては無くなっていて
....
明日と書かれた本が
売られていました
中を開けることができないその本が
不思議と気になって
ふと買いました
明日と書かれた本を
買ってきました
中を開けてみるとその本は
不思議にも ....
中庭に
シダがある
岩がある
中庭に
カニクサがある
玉石がある
中庭に
コケがある
時間が止まっている。
1
ゴルゴダの丘の受難が、針のように、
人々の困惑の眼を包んで、
砂塵の闇に、厳かに、消えてから、
すべてを知った空は、
瞬きもせずに、顔色を変えることなく ....
前を向いて歩きたい
自分だけの長い道のりが
ずっとずっと終わることなく
ゴールは見えない
歩かなければ
風が背中を押してくる
いや
何かが背中を押してくる
前を向いて進みたい
自 ....
空とぶセスナの 繰り返される女の声が
街中、凶暴にふりそそぐさなか、彼はいつものように
駅前のロータリーでキャベツを抱いて
坐る。 踵をつぶした革のスニーカーを穿き、
深緑のトレーニングウエ ....
くすんだ星空におやすみを言って
物凄い寝相で寝ているおまえたちにおやすみを言って
まだまだ元気な犬たちにおやすみを言って
たまにはオカンに電話でおやすみを言って
親父によろしく ....
透明にて頬をつたい
ほろりと落ち袖元を濡らし
貴方の元へ行ければと
恋しき心彷徨い途方に暮れれば
能の面のようになっていると
囃し立ててた貴方が浮かぶ
嘗て泣くこと弱さと思い
感動悔 ....
蛍光塗料で
発電したような、
剥き出しのエポック
僕は感動して
いやらしくニヤけていた
ここが先端
ひき裂かれ
乖離した阿吽が
子作りをしていた
終焉の人々は
自由に蹂 ....
きょうの風は
きみの笑顔の
香りがする
きょうの空は
きみの心そのままに
澄んでいる
そして
きょう
きみは
きみの中の
海にかえる
黒いインクのその文字は
目から頭へ流れると
文字は絵になり色となり
言葉の影は白くなる
白いページのその文字は
頭の中に広がると
文字は詩になり歌となり
言葉の影は白くなる
文 ....
この世界はどうかしている
根拠もないことが信じられている
真実でもウソだということにできる
昨日までいた人が今日はいない
この世界はどうかしている
そんな世界を普通だと思っている
その ....
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