ある人はいう
空がくらくなるのは
日が眠るときに
よく眠れるように
空があかりをおとすからだ


ある人はいう
空がくらくなるのは
日がさるときに
次に会う瞬間を
空が恋こがれ ....
「浅間山荘に二人で泊まりたい」
と 君が言っていたので
私は ずっと 重信房子の髪型のままでした。

が、飽きてきました
今は ジャニス・ジョプリンぐらいです

銃のこと
最近知りまし ....
エレベーターに乗るとお線香の匂いがしておじいちゃんが帰って来たんだと思いました
10階にあるマンションのドアを開けるとおじさんやおばさんや知らない人がいっぱいいて
みんなでお寿司を食べ ....
二年振りに
帰ったときには
通夜はもう始まっとった

大往生や
ええ顔しとるやろ
せやな

いう声が ぽつぽつと
わしは
なんでか 
涙もでえへん
ここ何年も口きいたこと
あ ....
[バリケードのこっち側]


その前日
あたしは工場で残業した
まんまるいちんち段ボールの箱と格闘して
それでもまだ働けとベルが鳴った

自転車をこいで家に帰ると
戦いは明日だと言う ....
ゆらゆら揺らめく
かげろうの下にある水に入りたくて
僕は走り出そうとする

遠くに行っちゃだめよ

手を引き寄せられた
夏の日のいつか

日傘を差した母を困らせるなんて
したく ....
ピジョンロックというから
鳩岩 鳩の岩なのに
一羽の鳩もいないのはどうしたことかと聞いたら
人が撃ってしまったのだという

だから 鳩岩に鳩はいない
ベイルートに平和が来ないのは
まさか ....
「町田康みたいになりたい」
と言って出ていった人は
「みたいに」
と言う時点で
きっと 駄目なのだけれど

そういう私は

映画館で赤い便箋を買って
別れたい男に
「愛しています」 ....
 みんなおらっちのこと
  さんらー 
 ってよんでるけど
 おらっちはもっとちゃんとした
  せいとく
 っていうかっこいいなまえがあるのに
 でもかんじはかけないからさ
  さんらー ....
白い箱の中には 見たこともない形の 小さな部品がひしめき合ってた
ためらわずに たたいて壊した ハードディスクは
たたいても たたいても ビクともしないで
ただ 鉄の音が響いていた

スクリ ....
森のすきまを覆う街
道をゆく赤い衣たち
誰かがまいた白い紙
銀の飾り
頬かむり
目にいっぱいの赤
目にいっぱいの赤



階段は鳥
そっと踏みしく
脱ぎかけ ....
右耳に車は聞こえない
左耳に降る金属音
追い抜くたびに空は笑う
切れぎれに拍手は過ぎてゆく


飛び去れ
飛び去れ
ひとりと
ひとりの道
ひとりの自転車の他はみん ....
ねむるためのよるに
ねむらない

とかすはずの砂糖を
とかさない
珈琲は苦いほうが目に痛い
肝油ドロップをふたつぶ口に入れて
つくりかけのシャツをつくりきる

かたづかない部屋に
 ....
夕闇が迫ると
遠い海が騒ぎ出す。

半円形の観客席に
色とりどりの衣装を着け
首から番号札を吊り下げられた人魚たちが舞台を見下ろす。
一人の男が登場する。
おどおどと観客席を見上げる。
 ....
ベランダ越しの未だ遠くは
氷雨と陽光がないまぜとなり
見慣れた不陸の白い壁へ
硝子に囚われたあまたの雫が投影されゆくのを
掬い 指で 伝い
一筋いきおい斜めにたゆたい
曳かれてゆくものなど ....
一対五で混ぜるのよ
カナコさんは慣れた手つきで
ビンのどろりとした白い液体を
コップに注いた
それから
冷えたペットボトルを冷蔵庫から出して
ぐわぐわっと振ってから
神妙な手つきで
 ....
蜘蛛の巣が
空いっぱいにひろがるように
石炭運搬システムはかたちをととのえつつある

複雑にからまる配管
たちならぶタンクの密集する水処理システムは
巨大都市のように姿をあらわすはずだ
 ....
夕焼けの頃)

机の上、広口ビンの透明な壁面には
「真空」と書かれている

私はただ、じっとそのビンを見つめているだけだった
あなたはそんな私を若かったのだと笑うだろうか
あるいは、 ....
凪沙の歌


ぱぱ
ぱぱはきのうおそくにかえってきましたか
あたしとままがねてるおふとんのよこに
もうふだけおしいれからだして
おきがえもしないでねましたか

ぱぱ
ぱぱはきのうば ....
情秋や太郎は白く流れたり

情秋や次郎は黒く流れたり
エミリー
あなたと最初に出会ったのは羊水の中
あなたは何も言わず
私を蹴って押し出してくれました
あなたはそれっきりそのままで
難産だったと語る母にあなたのことを訊いてみたのです ....
よるはわたしをまたず迫ってくる
気がつくとあたりはくらく
わたしは電気をつけずにふとんにくるまる
ひるとよるの境目が
きいきいと鳴くおとでめをあけると
よるが目の前に立っている

わたし ....
西北東三方を山に囲まれ
南東は関東平野に面する内陸県
高崎から下仁田を結ぶ上信電鉄沿線
南蛇井あたりの豪農の何代目かの曽祖父の放蕩がもとで
国を追われて富岡に出てきた祖父徳太郎は
赤貧洗うが ....
 ☆山中散生「JOUER AU FEU」の場合




 
 いま私の手もとに「JOUER AU FEU」という一冊の詩集がある。このタイトル、外国語なので、もちろん読めない(笑)。が、検 ....
倉庫に積まれても
思い出すのは 彼のことで
「藁が多いですよね」とか話していた
目の前の男に

「足1本ちょうだい
しがみついて寝るので」

と言ってしまった

外に出たら
これ ....
晩秋の土手です
枯草を焼いている人がいました
深い空に
白く見える遠い穴がひとつありました

気がつくと指がべとべとするもので汚れているのでした
甘いような気持わるいような香りが流れ ....
生まれ変わったら
半紙の上の
墨絵である。

近い内に

近い内に

岩陰の 緑の苔の
中に。

水で濡れていること感謝します
街のはずれで老いた女が営む店は
闇色の菓子がたいそうな評判だったが
だれ一人材料や製法を知らなかった
ある時店が閉まったあとも
客の一人が見張っていると
老いた女は夜更けを待ってふらりと ....
嵐の日には
換気扇からも
外が侵入してくるので
それがひとりきりの夜であれば
尚更雨が風にかきまわされて
音になってすぐ
そばまでせまってきて
寝そべった体は
あっと言う間に船にの ....

荒れ果てた病院の屋上に登り
からっぽの街を見下ろす
一本の蝋燭すら点らぬがらんとした暗闇が広がる
この街は死につつある
病院の各階の二百二十あるベッドは全て閉ざされ
腎臓透析室も実験室 ....
岡村明子さんのおすすめリスト(178)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
日がくれる- りょう自由詩9*03-12-4
コーヒーとピストル- 山内緋呂 ...自由詩6*03-12-4
お帰りだけで埋まっていく- いとう自由詩603-12-4
おかえりだけで埋まってゆく- AB(な ...自由詩7*03-12-4
小詩集「マルメロジャムをもう一瓶」- 佐々宝砂自由詩18*03-12-3
かげろう- たもつ自由詩803-12-3
ベイルートの鳩の岩に- 狸亭自由詩303-12-3
嘘つき- 山内緋呂 ...自由詩17*03-12-3
さんらー_は- AB(な ...自由詩1403-12-3
受信履歴- 月夜野螢自由詩203-12-3
ノート(冬の目)- 木立 悟自由詩203-12-2
ノート(自転車)- 木立 悟未詩・独白603-12-2
ねむるためのよるに- 竹節一二 ...自由詩603-12-1
人魚たち- 狸亭自由詩203-11-27
ラインクロス- バンブー ...自由詩203-11-27
ちょうどいい割合- アンテ自由詩6*03-11-27
現代詩は貫流するシステムを越えられるか- 狸亭自由詩703-11-25
夜明け前に- たもつ自由詩1803-11-25
凪沙の歌- 山田せば ...自由詩1103-11-24
前橋広瀬川畔にて_二句- 狸亭俳句103-11-24
エミリー・エミリー- いとう自由詩63+03-11-24
いちにちの境に- 竹節一二 ...自由詩803-11-16
今吉とこま- 狸亭自由詩503-11-16
風のオマージュ_その7- みつべえ散文(批評 ...703-11-15
錆び- 山内緋呂 ...自由詩903-11-15
香り- 佐々宝砂自由詩203-11-15
白い着物刀、石庭- 山内緋呂 ...自由詩303-11-14
闇夜- アンテ自由詩403-11-14
四十三音- サダアイ ...自由詩403-11-12
死にゆくベイルートの空に光はない- 狸亭自由詩503-11-12

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