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はがき一葉
舞いこみ、大要、

「言語障害が発症しているようです。発作もなく、突然電話中に失言症になり、思う通り表現できなくなりました。脳血管障害なら軽い症状で、希望が持てますが、アル ....
日本の冬はなんともはやうそ寒いし
不景気の師走の街もうっとうしくて
仕事らしい仕事もほとんどないし
飯島さんのせいでバルザックによみふけって
『従妹ベット』おもしろくておもしろくて
ユロ男爵 ....
ねむれ。
胎児のように、ねむるがよい。
せいけつなみなれた風景の、
すこしばかりの変化など気にせずに。

あわれなものだ。
マルチメディヤとかいうものに
おかされてゆく母胎の中では、 ....
途方もなく繰り返される通勤という愚行
なんとか自由になろうと編み出した歩行
いまでは神保町から西新橋まで徒歩強行
満員すしづめと戦いながらの空しい思考

電車と速歩各一時間でストレス解消成功 ....
まだ若かった三十年前、薄っぺらいクラシックラルースをテクストに辞書と首っぴきで
ランボーを読み、痴がましくもその全訳を夢見たものだったが、十歳の少年が「金利生活
者になりたい」などと書いているの ....
夏の空には白い雲がながれ
暗い緑色の湖にうつる木々
幼い想いを秘めた草いきれ
揺れて動く昆虫の青い狂気

母と若い二人の姉とぼくを
残して夏の日父親は死んだ
集まった縁者は皆知らん顔
 ....
ピジョンロックというから
鳩岩 鳩の岩なのに
一羽の鳩もいないのはどうしたことかと聞いたら
人が撃ってしまったのだという

だから 鳩岩に鳩はいない
ベイルートに平和が来ないのは
まさか ....
夕闇が迫ると
遠い海が騒ぎ出す。

半円形の観客席に
色とりどりの衣装を着け
首から番号札を吊り下げられた人魚たちが舞台を見下ろす。
一人の男が登場する。
おどおどと観客席を見上げる。
 ....
蜘蛛の巣が
空いっぱいにひろがるように
石炭運搬システムはかたちをととのえつつある

複雑にからまる配管
たちならぶタンクの密集する水処理システムは
巨大都市のように姿をあらわすはずだ
 ....
情秋や太郎は白く流れたり

情秋や次郎は黒く流れたり
西北東三方を山に囲まれ
南東は関東平野に面する内陸県
高崎から下仁田を結ぶ上信電鉄沿線
南蛇井あたりの豪農の何代目かの曽祖父の放蕩がもとで
国を追われて富岡に出てきた祖父徳太郎は
赤貧洗うが ....

荒れ果てた病院の屋上に登り
からっぽの街を見下ろす
一本の蝋燭すら点らぬがらんとした暗闇が広がる
この街は死につつある
病院の各階の二百二十あるベッドは全て閉ざされ
腎臓透析室も実験室 ....
照り返しの眩しい白い階段をのぼる
六六段を数える
栗の木の緑がむせる
コンクリートの階段だ。

後ろを振り向くとまだのぼってくる人がいる。

毎朝沢山の伝票を抱え
昔のぼった経理部への ....
インドの魔術師から花束を貰った夜
僕は何故平安時代の日本にいたのだろう
うら若い細身の美女に囲まれて

宴が始っていたようで
僕はひとりの女を抱き締めている
官能が昂まり思わず腕に力をいれ ....
長男 22歳 
卒業研究題目「二次元突起列を有する平行平板間の流動性」序論 実験方法 結果 エネルギー 有効利用 機器 小型化高効率 熱交換機 伝熱特性向上 工学上重要 問題 壁面 伝熱促進方 ....
  1
弟悦章は一九五二年四月二九日
英生院法安育徳童男になった。
母こまは一九七九年一二月一九日
淑生院妙玲郁徳信女になった。

父今吉は一九八三年三月二四日
瑞生院法禅嘉徳信士になっ ....
人はなぜ恋文を書いたか
体内の炎を紙につけて燃やすため
でもあるが案外
紙と鉛筆がそこにあったから

近頃では
恋人たちはテレホンカードを消費する
電話器は二十四時間鳴りっぱなしで
体 ....
何処か知らない 浜辺
の砂の上に座りこんで ぼんやり
海を眺めていたようで
すぐそこの岩屋の蔭

から蟹が一匹
ちろっと動いた ように感じて
眼を凝らそうとしている
つもりが逃げ ....
北京秋天
見上げる空はひたすら青い
空港へのびてゆくまっすぐな道
あかしや ぽぷら まつ 三重のトンネル

豊かにひろがる畑
樹木に囲まれた家
点々と
丸くなる地球

ビール 白ワ ....
舞台の中央には透明な攪拌機がありまして
僕によく似たピエロが登場します
ピエロは無言で虚空を凝視めると
両手をひらひらさせて様々な八月を取り出します

粗末なリュックに詰め込んだサツマ芋 ....
高校時代といえば
一九五三年 一五歳から
一九五六年 一八歳までのたったの三年間なのに

そこには僕のカオス 大袈裟にいえば 
天地創造の混沌があった
頭の中は吉川英治から太宰治へと

 ....
岡村明子さんの狸亭さんおすすめリスト(21)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
梅雨空に- 狸亭自由詩16*04-5-30
浮気のバラッド- 狸亭自由詩204-1-17
ねむれ- 狸亭自由詩404-1-15
歩行による思考の試行_- 狸亭自由詩403-12-17
自己の言語回路からの自由へー九鬼周造著『日本詩の押韻』私解ー- 狸亭散文(批評 ...1803-12-12
五十三回目の夏に- 狸亭自由詩503-12-8
ベイルートの鳩の岩に- 狸亭自由詩303-12-3
人魚たち- 狸亭自由詩203-11-27
現代詩は貫流するシステムを越えられるか- 狸亭自由詩703-11-25
前橋広瀬川畔にて_二句- 狸亭俳句103-11-24
今吉とこま- 狸亭自由詩503-11-16
死にゆくベイルートの空に光はない- 狸亭自由詩503-11-12
階段- 狸亭自由詩503-11-11
インドの魔術師- 狸亭自由詩403-11-10
平成元年ヤング事情家庭篇- 狸亭自由詩703-11-9
戒名 - 狸亭自由詩303-11-7
恋文考- 狸亭自由詩403-10-29
コレスポンダンス- 狸亭自由詩603-10-6
北京—東京三時間半- 狸亭自由詩303-10-1
八月のミックスジュース- 狸亭自由詩603-9-28
一七歳の僕がいてー高校時代-- 狸亭自由詩303-9-27

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