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空からの鳥
土からの鳥
雲をあらそい
夜に落ちて
わずかな光に溺れる
土のなかの魚たちにも
雨は少しずつ少しずつとどく
稲妻の色に目覚め
音に眠る
その ....
夕べのにおい
外灯のにおい
壁の裏側に眠る怪物
屋根の向こうにそびえる火を追い
刈り込まれた生け垣の葉をとばす
一筆書きの街から街へ
人のような虹が駆けてゆく
うろ ....
森のすきまを覆う街
道をゆく赤い衣たち
誰かがまいた白い紙
銀の飾り
頬かむり
目にいっぱいの赤
目にいっぱいの赤
階段は鳥
そっと踏みしく
脱ぎかけ ....
右耳に車は聞こえない
左耳に降る金属音
追い抜くたびに空は笑う
切れぎれに拍手は過ぎてゆく
飛び去れ
飛び去れ
ひとりと
ひとりの道
ひとりの自転車の他はみん ....
そのままの静かな脚の間から
見える色は枯葉だった
風と風ではないものの境に
あなたは立っていた
空き地に囲まれた家が
はじめて舞うもののようにふるえてい ....
雨を吸った荷を枕に眠り
どこまでも開きつづける羽を夢みる
左側だけが蒼い羽
鍵を持つ手を戸惑わせる羽
いさかいの火に
月は燃え 雲を吐く
ただの黒へ ただの黒へ
鳥は沈 ....
咲くものを追い
影は葉のように落ち
描かれた歌を隠した
ふと混じりあい
ふと離れ
振り向き
微笑む日
影は速く
光は遅く
まわりつづける
....
水たまりに映るいさかいと雲を
雨がゆっくりとかきまぜる
人は過ぎる
空は過ぎる
水たまりの底のむらさきに
次の空がやってくる
鳴き声のように震える音が
どこから ....