ある日

ヒゲが全然剃れないので
やけに切れないカミソリだなと思ったら

カミリソだった

そりゃそうだ


*


ある日

ヒゲを剃っている途中
カミソリにカミリソ ....
照り返しの眩しい白い階段をのぼる
六六段を数える
栗の木の緑がむせる
コンクリートの階段だ。

後ろを振り向くとまだのぼってくる人がいる。

毎朝沢山の伝票を抱え
昔のぼった経理部への ....
三丁目の角を曲がったところでふと
君の匂いを感じたとき
なんてことないと思っていたのに

電子レンジに卵を入れて
しばらく眺めてから取り出し
破裂するかどうかを少しだけ考える
あれと似て ....
たとえば
男の手を盗み見て
どの指を入れているんだろうかと
思案するとき
大抵中指なのだろうが
どうでもいいが本当は薬指を入れるべきだ
と思う
覗き込むように真剣に
見つめて
「 ....
インドの魔術師から花束を貰った夜
僕は何故平安時代の日本にいたのだろう
うら若い細身の美女に囲まれて

宴が始っていたようで
僕はひとりの女を抱き締めている
官能が昂まり思わず腕に力をいれ ....
 おっきい おばあ
 おきなわでもきしゃがはしってたって
 ほんとぅ

 ええ やーぬ わらばーや        ねえ お前の子は
 ぬーんでぃ あびとうが         何と言っているの ....
お久しぶりと
声をかけると
愛人は
この愛人はとてもよくできた愛人なので
泣いたり駄々をこねたりせずに
お久しぶりと
笑ってくれる

「連絡取れなくてごめんね。元気だった? ....
長男 22歳 
卒業研究題目「二次元突起列を有する平行平板間の流動性」序論 実験方法 結果 エネルギー 有効利用 機器 小型化高効率 熱交換機 伝熱特性向上 工学上重要 問題 壁面 伝熱促進方 ....
回転寿司屋に入ると
寿司といっしょにジュースの缶が回っていた
しかもプルタブはあいていて
中身が入っていない

すいません、これ何ですか

ええっと、空き缶ですが

何の意味があ ....
銀座は今日も沢山の人で溢れかえっていた
中央通りの歩行者天国を歩いた
人民服を着た小柄な初老の男が弾く胡弓を聴いた
白人の大柄な大道芸人のピカピカと光る赤いつけ鼻を見た

人ごみを歩くのが苦 ....
あたらしい
いのちが
うまれてくる
えいえんをゆめみても
おわりはくるけど


かみさまが
きみたちに
くださったのは
けして
くじけない
こころ


さみしくて
しず ....
  1
弟悦章は一九五二年四月二九日
英生院法安育徳童男になった。
母こまは一九七九年一二月一九日
淑生院妙玲郁徳信女になった。

父今吉は一九八三年三月二四日
瑞生院法禅嘉徳信士になっ ....
今、寒いと言った
昨日も言った
一昨日も
その前の日も、多分

毎日毎日が
まるで当たり前のように
それを確認するかのように
毎日毎日を

明日、僕は
大好きなあの人と結婚し ....
形。
私はこけしに似ている。
木の机に こけしを置くと
転がり落ちそうだ

箱根で君が
「欲しいの?」と問うた
木の 指輪
欲しくないが。

きっと こけしのまま
おばあさんにな ....
おやすみなさいとゆめをみない
おはようとめがさめない
こんにちはとてをふれない
さよならとふりむけない
しらないうちにわたしは
がらがらごえのばばになり
ひとりきりでさくらのしたに
ねむ ....
そのままの静かな脚の間から
見える色は枯葉だった


風と風ではないものの境に
あなたは立っていた


空き地に囲まれた家が
はじめて舞うもののようにふるえてい ....
人はなぜ恋文を書いたか
体内の炎を紙につけて燃やすため
でもあるが案外
紙と鉛筆がそこにあったから

近頃では
恋人たちはテレホンカードを消費する
電話器は二十四時間鳴りっぱなしで
体 ....
かな小父の通夜はにぎわい
三弦と木魚 お宮の龍笛をひきあいに
かな小父の唄と三弦曲かれこれが寄って
大ざら酒瓶もたたかれる とむらいの夜
かな小父がわたしにくれる遺物 掌が
その壺の ....
「ずっと恋人でいましょう」
と言って 結婚をしました
結婚をして15年
ずっと敬語を使っていますね

「待たせました」
「出来ていますか」
が好きです

ついに私達の娘は
ロングス ....
素敵なうた
1、2、3、4、
マンホールから地鳴ればいいのに

工事中のサイン
伊勢丹のてっぺんから果てしなく闇夜
ぼんやりとすりきれた空
咲く花

泣くだけ泣いて水分ゼロで干からび ....
あまりに大きな白い冷蔵庫
あまりに大きな白黒テレビ

届けられた 送り主は分からないけれど 

私たちには こんな冷蔵庫を一杯にするほどもちろん何も無かったし
最近映画館にも出かけていなか ....
五反田へは
品川まわりの方が早いけど
君を思いだすために
久しぶりの家並みを見ながら
今の僕には池上線が
ちょうどいい速度で
君と出かけた日
洗足池で降りだした雨は
五反田で本降りにな ....
透明な波が
どこからかやってきて
ささささあん、ささささあん
とうち寄せてくる

けれど
透明な波はあまりに透明だから
私はいつもそれに気づかない

例えば
静かな朝の食卓
箸を ....
雨を吸った荷を枕に眠り
どこまでも開きつづける羽を夢みる
左側だけが蒼い羽
鍵を持つ手を戸惑わせる羽


いさかいの火に
月は燃え 雲を吐く
ただの黒へ ただの黒へ
鳥は沈 ....
連なった文字の中に
あなたを見た気がした
近くにいる時は
あんなにも近くにいた時には
見えなかったあなたが
見えた気がした

並べられた論理の中で
あなたを解った気がした
吹き込まれ ....
隣りでは君の咳が止まらずに
ウイルスが部屋中に降り積もって
負けじと僕も僕のウイルスを飛ばしながら
お互いのウイルスは僕らと同じように仲良くしてるのかなんて
そんなこと
ど ....
妻と相談して
家にエレベーターを取りつけることにした
けれど、取りつけた後で
この家には二階も地下室も無いことに気が付いた

ボタンを押すと
チーン
と音がして扉が開く
上にまいりませ ....
「石になる」
とは 聞いていたけれど今
あなたを探すと
胸が 林檎になります
彼女はレースの手袋をしていた
日傘の陰の中に棲む渦巻のように道に迷い
信号を渡ると必ず赤になるのだった
僕たちは警笛と仲良くなって
赤いビートルのボンネットにひと蹴り入れてからひとごみに消える ....
嫌いな奴にぶつけてやりましょう。
岡村明子さんのおすすめリスト(178)
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戒名 - 狸亭自由詩303-11-7
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『渦の女』- 川村 透自由詩8*03-10-10
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