フィチカ、雨の国。

春には雨の花が咲き
夏にはきらめく雨がふる
秋には雨も紅葉し
冬には白い雨がふる

   (誰か)が「冷たかろう」と言い
   (誰か)が「寂しかろう」と言う
 ....
壊して
確かめる
この気持ちの意味
そして
終わったものに
ひとつずつ順番に
名前をつけて
それで
安心する
陳腐な構造で
思い込みの螺旋を
縺れながら滑り落ちる
交感
ある ....
北風に震える 
枯葉並木の向こうへ 
携帯電話の画面を見ながら 
朝の歩道をのんびり歩く 
ふたりの女子高生を 
追い抜く 

シャッターを開いた 
動物病院の女医が運ぶ 
{ルビ檻 ....
冷たい夢 もわんもわん
目覚めの悪い 午後二時

休みが不定期な君に
あわせてとった有給休暇

綿密にたてたデートプラン
直前になって水の泡

しかたのない理由
優しく受け入れるの ....
枝分かれしていく 夜の
長く、しなやかな腕は
わたしを覆いながら それぞれ
しだいにたわんで その先端からやがて
着地し、朝に触れる



不必要なほどに震える あなたの
声と、指先 ....
{画像=071201103529.jpg}
明るい陽射しの中、

枯れ葉の写真を撮っていると、

暖かい人の手の平を、

撮っている気がする。

年輪を重ねて一生懸命、

生きて ....
わたしって
よく道をたずねられる
どこかやさしげにみえるのかな
近藤さんの朗読した「夕焼け」って作品大好きで
繰り返し読んだりしたけど
登場する娘さんのように
「やさしい心の持ち主」なんか ....
わたしはいつも欠けている 
あなたもいつも欠けている 
欠けた互いがむきあうと 
こころのさびしいすきまには 
風のふしぎが吹きぬけて 

別々だった 
あなたとわたしは 
ひとつです ....
白い手首から
あかいなみだが滴りおちて
砂に染みた
日をしるたびに乾かされる
ざらついた海の響きが
耳に刺さる

あらゆる事象が眩しい

それまでも花の咲く過程だときみはいう
半信 ....
最初はマジで嫌だった
スタッフのひと替えてもらいたかったけど
お気に入りのお店だったし
いつものひと不幸があって急に休んだらしいし
どうにでもなれって心境だった

助手のひとがわたしの好み ....
赤い葉っぱ 黄色い葉っぱ
これは茶色
秋はいろんな色の葉っぱがあって
とっても楽しいね

枯葉を踏む音だって
サクサク ガサガサ
いろんな音がしておもしろい
歩くのがおそかったかいちゃ ....
ちいさな雲を
いちまい、いちまい、風が縫って
空に真っ白な衣を着せている

あそこへ往くの?
問いかけても
もう動かない唇は冷たく
ひかれた紅の赤さだけが
今のあなたとわたしの今を
 ....
病気になると みんな
入院すると思ってる

ずっと入院されていたんですよね
お見舞いに伺いたいのですが どちらの病院ですか
病院にいた方が 苦しくないんじゃないか
病院にいた方が 安心なん ....
「ブリザード」


梢吠え闇の怒りと共鳴し生を償う旅路震わす


零℃切るなみだ氷雨が張り詰めた世界の銀を裂くデリュージョン


ブリザード膝つき見上げる万華鏡身を刺す寒もい ....
現在という塊の中から
わたしの輪郭だけを残して、わたしが
蒸発していく
夕暮れの空は赤く発光し、届かない高さで
じっとして居る
いったい、わたしは何に忘れられたのだろう



浮遊す ....
晩夏の草むらに足を踏み入れると
かわいた空気がひび割れて
よれた、真っ白いシーツが敷かれ
見たことのない男が横たわっている
あばらの上には、何本もの{ルビ径=みち}があり
そのどれもが、わた ....
すべてにけりをつけて
ゆっくり回りだす世界に
打寄せる思い出
消えるわけじゃない
最後にゆっくり
涙をこらえて踊る
涙色の照明に照らされ
「またね」
言葉に隠された
「さようなら」
 ....
朝、ぼくの季節は二十五歳で
ざらざらとした空を
東から西へ
たとえそれが夢だとしても
渡って、どんなにボタンを押しても押しても/押しても
改行できないでいます



ぼくが、ベーコン ....
泥を
振り払おうとする腕こそが
いつまでも拭えない
泥かもしれない

確かめようの無いその有様を
透明である、とは
誰も語らない

そこでまた
ひとつの泥の
可能性が
散る ....
この草のにおいを意識し始めたのは、
いつからだろうか。
翳る当為が、こおりのように漂い、
透きとおる幻視画のような混濁のなかで、
きみどりいろに塗された、切りたつ海岸線が浮ぶ。

冬の呼吸 ....
私の心の悲しみは
あなたがいないと鳴く小鳥
私の心の悲しみは
いつまでたっても止まぬ雨

私の心の悲しみは
ひとり寂しく見る夕日
私の心の悲しみは
寄せては返す波の音

私の心の悲 ....
ひとりで食べる夕食は
いつものように
電子レンジでチンして3分

たった3分
それでも3分

どうにも待ちきれなくて
電子レンジの前で腕組みしながら
ながめるタイマーは
永遠にカウ ....
放出された 夏の、
取り扱いをあやまった空から
束ねられた雨が落下する
世界はまだ、はっきりとした輪郭を持っていて
ぼくも きみも それを知らない 


ウィリー、ウィリー、
なぎ倒さ ....
夜が、二足歩行で
足早に通り過ぎていく音を
淡い錯覚にくるまりながら、聴いていた
抱きしめあう行為は どこか
呼吸と似ていて、ときどき
わたしたちは声を漏らす
ともすれば ....
恋をするなら
声の素敵な子猫を飼って
恋しい 恋しいと啼かせます
一人の夜に膝に抱いて
小さな頭をやさしく撫でて


恋をするなら
おろしたての靴を履き
街をあてもなく歩いてみます
 ....
傾くピアノの黄昏に
透明なオレンジの
一滴が
空に
しみてゆく


そうして
トタン屋根の宇宙では
魚たちが
泳ぎはじめるのだ





どうか
明日も小鳥たちが
 ....
駅までの道を雨の中歩いていて
改札に入ろうと財布から定期券を出して手に持って
けれど指からすり抜けて濡れた道路に落としてしまって
だから拾おうと僕はしゃがんで
水の流れるアスファルトを爪で引っ ....
垂れ込めた 雨雲の下
その街は 午後を迎える

あの路地を
右へ折れると尻手黒川線
左側は商店街

猫の通う 細い道
衣料を商う 廉価店や
まだ 人のまばらな飲み屋街

気の早い ....
プロフィール読んだら
すごく嫌いなタイプだけれど
言葉の使い方が上手いんで
ポイントあげます

いままで
まったく
こっちの作品には
ポイントを入れてくれてないけれど
描かれてる情景 ....
柔らかなシーツのうえで目が覚めて
ああなんて暴力的なまいにちなんだろう
とおもった

日記を書く習慣はあっというまにモノクロになって
美しい夢物語ばかりが微笑んでいた

彼は
嘘をつく ....
藤原有絵さんのおすすめリスト(291)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
フィチカ- ルナク自由詩44*07-12-2
ラスト- 大覚アキ ...自由詩307-12-2
檻の犬_- 服部 剛自由詩4*07-11-29
目覚めの悪い木曜日- 北大路京 ...自由詩8*07-11-29
かさなりつづける、朝に- 望月 ゆ ...自由詩40*07-11-28
枯れ葉- beebee自由詩5*07-11-26
手の鳴る方へ- 恋月 ぴ ...自由詩30*07-11-24
(_無題_)__- 服部 剛自由詩307-11-24
花葬- アオゾラ ...自由詩1207-11-24
わたしたちの空- 恋月 ぴ ...自由詩22*07-11-20
かいちゃんと秋- 未有花自由詩15*07-11-20
百年樹- LEO自由詩25*07-11-18
入院- たちばな ...自由詩32*07-11-18
組曲「白のみちゆき」- Rin.短歌16*07-11-16
輪郭、その曖昧な、- 望月 ゆ ...自由詩33*07-10-22
径(みち)- 望月 ゆ ...自由詩20*07-10-17
ラストダンス- プル式自由詩10*07-10-16
拝啓、君は元気ですか?- 望月 ゆ ...自由詩20*07-10-11
透いてゆく- 千波 一 ...自由詩22*07-9-11
感傷的な夏より—連弾する午後の夢- 前田ふむ ...自由詩33*07-7-26
私の心の悲しみは- 未有花自由詩27*07-7-25
くるり- 恋月 ぴ ...自由詩39*07-7-21
ウィリー、ウィリー、きみの名は、- 望月 ゆ ...自由詩44*07-7-14
リスク、- 望月 ゆ ...自由詩61*07-7-9
恋をするなら- 石瀬琳々自由詩22*07-6-28
あしたへ- 青色銀河 ...携帯写真+ ...1007-6-23
定期券- 水町綜助自由詩13*07-6-15
その街- アハウ自由詩1207-6-15
ポイントあげます- 北大路京 ...未詩・独白72+*07-5-29
目を瞑る- オオカミ自由詩707-5-29

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10