あなたにも

嬉しい気持ちを

おすそわけ
それは
濡れた樹々の梢に透かし見た
緑の扉
明るい庭先のその扉を夢見る
光と影を刻み憧れにたたずんで
あるいは移り変わる街の喧騒の中に
待ちくたびれて
人知れず錆びついていたあの扉
そ ....
眠れない夜
眠らない夜
想いの行方は
彼方

銀の先は
星を射す

いくつの言葉を
集めても
満たなくて

繋げた言葉は
形を描けず
流れる星になる

めぐる
めぐる ....
記憶の奥に忘れられた記憶が

ひっそりと泣いていた

色あせしていた僕が君を書いた

似顔絵は何も言わずこっちを見て

ほほえみかけている

君が一生懸命育てた花は

枯れてい ....
あなたはいつも少しかなしい
春の肌の女の子 薄桃色の乳首のように
きれい
「あなたはいつも少しかなしい」
ハッカのにおい
耳たぶをふるわせた「かなしい」を思い出して
まるくなる
私は ....
筆先で湛えきれず
液体が
ぽたり、ぽたり、と
滴るので
両の掌をくぼませて、ふくらみをつくり
上向きに 
すこしかさねて
それをすくおうとしてみるけれど
わずかな隙間を
液体はすりぬ ....
今年もまた、

桜が咲く。

「誰が為に」などと

言うつもりはないが。

去年までがそうだったように、

来年もまた、咲くのだろう。

二度と見ることはかなわない

あの桜も咲いているのか。

こ ....
ターミナルに出ると
うす青い空が広がっている
通りは車で渋滞していて
そのまんなかでは 赤信号が
意味をさがしながら
点滅する
帰らなければ、と漠然とおもっていた
帰ろうとするその方角を ....
 私、空を飛ぶ

海の青さ、空の青さ
イコールで繋いで

 逆さまになっても
 怖くないでしょう


陽の光、あの笑顔
イコールで繋いで
 
 おちても
 痛くないでしょう
 ....
その日も、少年(予定)は、間違えた言葉をそのままに口にする
変換の仕方も削除の方法も、最後には気付けないことばかりなので
いつまでも、「あ」と「い」が上手く発音できない
それでもいいか、なんて思 ....
(割れ落ちた心の軋みより流れ出す)
せせらぎの音に我身を任せ
消え入りそうな意識の果てに
あなたの額より滴る汗の熱さを慕う


さよならってどこまでも悲しいのね

狂おしさは許されぬ愛 ....
冷たさが
この幸いを閉じ込める
すぐに消える雪片に
まじってもつきささる声
それは 
あなたのことよ


鍵を持つ
右の手の指がかじかんで
それでもこれを落とそうとしない
 ....
川沿いに歩いて ようやく
国道まで出た
ぼくたちは、しばしば
夜を迷う
ぼくたちには靴がなかったけれど
それはたいした問題じゃなかった
歩くべき道を
さがすだけの、夜を
迷っていた
 ....
落日
蜃気楼のよう
だけど蜃気楼じゃない

焼かれるのは
空じゃなく
今日という日の末路

果てるような
限界線
焼かれるのは空
じゃなく
塾の講師なんて仕事をしていると
子供の心に触れてしまうことがある

前に受け持っていた女子生徒が
授業中に突然飛び出して
二階のベランダから飛び降りようとした

「死んでやるー!」と何度 ....
送電線の下をくぐって
アスファルトの海を
ぼくたちは、
泳いで、


はりめぐらされる
緯度や経度に
足をとられながらも
ひたむきに
日帰りの旅をくりかえす
ねむる前、ときどき
 ....
野に咲く白い花の可憐さを
優しさに満ちた眼差しで
静かに見つめる心を
わたしは肯定する


踏み躙られた拙い夢の儚さを
悲しみに満ちた眼差しで
静かに見つめる心を
わたしは肯定する
 ....
ふたりは出会う
雛連れの野鴨憩う山郷の水面は茜に染まり
 

  ほら手をつなご
  これから暫くふたりして
  同じ水脈を流れ行くのだから


ふたりのささ舟は
透き通る冬の気象 ....
喪中はがきのイラストに
スズランの写真をのせてみる
あの人は 花が好きだった
だから もう
それでいいよと親がいう

何十年払い続けた
「年金」を
あともう少しで受け取れるというときに ....
1.

かみさまはいるよ、
って 
教えてくれた人は
もうすぐ死んでゆく人だったけど
それは黙っておいた


だって、あいしてるんだ



2.

きのう、かみさまを見か ....
 
私はとても小さいので
海を見れば
海でいっぱいになってしまう


私はとても小さいので
空を見れば
空でいっぱいになってしまう


私はとても小さいので
風を匂えば
風で ....
何年か前、女友達に呼び出されて、花火をした。

派手ではないが、間近で見れる線香花火がすきだった。

冬の線香花火は―。

暗闇の中、その小ささ故に、なおいっそう、さびしげに見えた。

 ....
神さまも
仏さまも
信じてなんかいないけど

マリアさまのメダリオンと
十字架を首から下げてる

初詣に行って
手を合わせたりする

金縛りにあえば
般若心経なんか唱えてみたりす ....
満水の夜に
感覚をとぎすませながら
無数の魚が泳いでいる
距離と、位置と、
上昇する体温と、
そういうものを
止めてしまわないように


蛇口に口をつけて
あふれ出すカルキを吸うと ....
どうか
あなたの幸が
やさしく
あたたかいもので
ありますように
(1) 予兆

パソコンがどうもいつもと違う音、カラカラカラと変な音を立てていたら

・パソコンの寿命が間近
・良くないことの前兆
・中のハムスターが暴れている

のどれか。ハムスター ....
君の為に書こう。
君に向けて書こう。

そう決めて、
昨日一日、
ずっと考えたけれど、
何も書けなかった。

だから、
平凡だけど、
こう書くよ。

お ....
真正面の三日月を眺めながら
帰りの坂道を登っていた

薄ぼんやりとしたその境目が
どこか僕に添うようで

しばらくの間僕はじっと
三日月を見つめて歩いた


するとやが ....
迷ったら
六角形の鉛筆を
転がしてみる

そこそこに転がって停まり
答えを示す
人間、丸くなりすぎると
転がりすぎて
答えが出ないと
言っているようだ
線路脇に建つ家に生まれて
ずいぶんと長い間 そこで暮らしたせいか
今でも 5分おきに
からだを揺らしてしまう


そうやって揺れているうちに
いつしか わたしは
窓ガラスの
3メート ....
藤原有絵さんのおすすめリスト(291)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
happy- LEO携帯写真+ ...15*06-5-6
緑の扉- 石瀬琳々自由詩17*06-5-5
月の舟- LEO自由詩13*06-5-4
枯れた花は君のせいで枯れた訳じゃないよ- こめ自由詩9*06-5-2
あなたはいつも少しかなしい- たちばな ...自由詩18*06-5-2
水墨夜- 望月 ゆ ...自由詩50*06-4-14
桜の下で振り返ってはいけません。空をあおいで笑いなさい。- 逢坂桜携帯写真+ ...11*06-4-11
終着、そこからの- 望月 ゆ ...自由詩2206-4-11
仮想空間- LEO自由詩7*06-3-30
少年予定- 霜天自由詩4506-3-29
三月のオフィーリア- 恋月 ぴ ...自由詩17*06-3-22
あなたのことよ- フユナ未詩・独白706-2-26
朝の方へ走ってください- 望月 ゆ ...自由詩25*06-2-18
夕刻、焼かれるのは- たりぽん ...携帯写真+ ...28*06-2-17
知らないことを知っている- ベンジャ ...自由詩42*06-2-6
ブレス- 望月 ゆ ...自由詩55*06-2-4
名前の無い風- 恋月 ぴ ...自由詩17+*06-2-3
冬空の輪舞曲- 恋月 ぴ ...自由詩29*06-1-18
スズラン- 阿麻自由詩20*06-1-6
かみさまについて学んだいくつかのこと- 望月 ゆ ...自由詩80+*06-1-6
私はとても小さいので- 松本 涼自由詩114+*06-1-2
真冬の線香花火- 逢坂桜自由詩2*05-12-30
イヴ051224- 大覚アキ ...自由詩305-12-24
夜明けの水位- 望月 ゆ ...自由詩57*05-12-10
いのり- 逢坂桜自由詩7*05-12-9
廃棄文章_#01- Monk散文(批評 ...1005-11-23
「_ぷれぜんと。_」- PULL.自由詩14*05-11-10
坂道にて- 松本 涼自由詩6*05-11-7
六角形の鉛筆- イオン自由詩4*05-11-7
揺れない時間- 望月 ゆ ...自由詩26*05-10-12

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