すべてのおすすめ
不思議なもので最初は誰もが怖さを抱いている
生まれて初めての呼吸の仕方
単純に考える事でしか出来ない
深く深く深海に行くに連れて
光が届かない闇の中で
僕は今、泳いでいる
....
紅く憂いに帯びた君
その紅い着物を丁寧に脱がせば
優しい色をした君の素肌を目にする
舐めればほんのり甘く
齧ればほんのりと苦く
双方の思いは交差したままに
僕らは時の流れに身を ....
名前もない{ルビ詩=うた}を書いています
それは誰かに向けたものではない
だから、何の為に書いているかも分からない
それは花と{ルビ同=おんな}じかな?
何の為に咲くかなんて分から ....
秋風に震えながら帰路を辿る
色づいた葉々が擦れる音が流れ
それはあまりに儚く
夕焼けの明るさに目を閉じた
海道沿いのバス停は潮風が吹き
砂が波に運ばれる音が聴こえ
それはとても美しく
....
今日、貴方はこの世界を旅立ちました
それでもこの世界は何も変わらない
万人はこの答えに直面して受け入れてきた
若くして病で旅立つ人もいれば自ら望んで旅立つ人もいる
数十年前に一人になっ ....
波音だけが静かに夜風に乗り
私の髪を通り抜けた
海面を漂う月
蟹は静かに砂に潜る
意味もなく
浜辺に文字を書いた
同じ波は二度と繰る事無く
私の足元をすり抜けて消えた
秋の ....
君の頬を伝う
一滴の感情
床にぽつり、ぽつり
時を刻む時計の針よりも遅く
言葉のナイフで君を傷つけた
僕をその事を知ったのは次の日の朝になってから
隣で寝ている筈の君の姿がない
....
{引用=「幸せの定義」とはなんだろう。
そもそも、「幸せ」とはなんだろう。 }
ママゴトして遊ぶ娘を見て考えた
彼女にとっての幸せはママゴトセットに違いない
切れない包丁とビニール製 ....
今日も失敗ばかりで嫌になってしまう
そんな時はこの言葉を思い出して欲しい
ナンクルナイサ
人は誰でも間違いをするもんさ
別に君だけじゃないさ
今日の失敗の神様は君を選んだだけで ....
後悔しない生き方を探すんだ
最初は手探りで触れてみるんだ
誰しも捜し求める幸せの定義
数学で云う所の公式に当たるものを探す
宝探しは見つけるより探している時が宝
遠い昔 ....
同意書を確認して下さい
忠告を受けたのは一瞬だった
その忠告は余計なお世話と勘違いして
目も通さずにサインをしたのが間違いだった
優しい瞳の奥は混沌の世界が渦を巻く
ジキル ....
そうだ、そうなんだ。
納得していなくても頷くんだ
反抗期は大分前に過ぎたから
手より先に頭が動く
冷静に分析する事は決して悪い事じゃないけどね
時折、悲しくもなったりする
....
人は通る事ない道だけど標識があるんだ
錆付いていて何を標しているか分からないが・・・
寧ろ、分かろうともしないままに
僕は進んだ
左右に揺さぶれらながも必死に縋り付く
皮製の手 ....
心地良い風が吹く
深夜零時の屋根の上
ぽつり
ぽつり
数えられる程の灯りしかない
後、一時間もすれば全てが消える
月明かりと星明り
僕を照らすには眩しすぎる
僕はまだ浴びる ....
自転車の後ろに君を乗せて出かける
普段は誰も乗せないからその重さに少しだけ手間取った
「二人乗りは危ないよ」と君は口を尖らせた
僕は「平気平気」と嘘を一つ吐いた
本当は心の中では怯えていて ....
僕の名前を呼ぶ人
後ろを振り返っても誰もいない
微かに呼び声が聞こえる
呼ぶのは誰だろう
自分の事に精一杯だから周りに目がいかず
その癖に人の上に立つもんだから見てみぬフリが上 ....
最後の窓景色
それは冬だった
初雪が降っていてガラスに露が付いていた
無意識で指で文字を描く
「いってきます。」
落書き塗れのノートや塗り潰した教科書
机の上で埃を被っ ....
自転車を転がして遠くに向かう
行く当てなんてありゃしないさ
僕が足を止めた場所が目的地
長い長い一本の線路の横を漕ぐ
電車はどちらから来るのだろう
僕の前から来るのだろうか? ....
今日、ひょっこりアイツが死んだ
クラスでお調子者でリーダー気取りの奴だ
いつも馬鹿なことばっかりしていた
だから、いつか何かあると思っていたが
いくらなんでも死んでしまうとは思わなか ....
吉野屋の牛丼が再開することになった
その会見で社長が涙ぐむ場面があった
その涙の意味を考えもせずに
僕らは明日から牛丼を食べることになるだろう
ツユダクとかにしたり
卵なんか乗っけたりしてさ ....
仄かに揺れ動く月光
街頭には害虫が舞う
陽炎はその音無し踊りを繰り返す
水溜りの水面を自転車のタイヤで轢く
水が左右に避けて道を作り出す
通り過ぎた後には波紋が残るだけ
....
歩道の向こう側に君の影が伸びる
車は夕焼けの向こうの闇に向かう
排気ガスで視界が切断されても
その思い出の断片を繋いで君を見つけるから
人は誰もが暗闇の中を歩く
そこで出会う人が蜃気楼
....
微笑みは遠くに。
麦わら帽子は陽射しを遮り
君の表情も影で隠す
君の小さな口元
囁く声は蝉に掻き消された
神社の境内までの一本道
轍がこの頃良く目立つ様になり
....
豆電球ほどの灯りがあればそれで十分で
傍に紙と鉛筆があればそれで満足した
ミカンのダンボール箱が机代わりで
ダンボール箱の上に布でも掛ければ一端の机になる
窓はガタが来ていているのか、 ....
四畳半の狭いアパートで暮らして数年が経とうとしていた
脚の折れたテーブルとポンコツのテレビと敷きぱなしの布団しかない部屋
窓を開けても射し込む光は薄汚れていた
ギシギシと鈍い音が出る階段は何回も ....
今はその坂の上はレンガ造りの外壁が少し在るだけで
伸び放題の草木が絡まり合い
今はその場所には何にも無かった様な雰囲気を出しているが
其処に遊園地が在ったことを証明する様に白馬が倒れている ....
あれは暑い日でした
いつも通りに長い坂を自転車で下り
数十年前に廃校の中学校を横目で見る
校庭は手入れがされてなく雑草が高く伸びているが
近所の小学生が野球をする場所はなにもない
ざ ....
この部屋は殺風景だから窓辺に花を置こう
陽はそんにに射さないけど育てみよう
午前中はベランダに置いておけばいいから
そう言ってから随分と長い事にその花は外に在る
植木鉢からプランタ ....
人間とは不思議なもんさ...
舌打ちをしながら老人は街の雑踏に消えた
スケッチブックを広げて
素早く行き交う人々を描く
名もない絵描き
色彩鮮やかな水彩絵の具が
いつも傍で ....
ベランダに出て涼しい夜風を感じて
長い髪に風がすり抜けて
ふわり
と、夢の中に落とされた
目を閉じれば一番最初に君が浮かぶ
それ程に今に満足していないのかな?
会いたいと願えば願う程に ....
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