すべてのおすすめ
夕陽をあびる 
丹沢の山々に囲まれた 
静かな街の坂道を 
バスは上る 

時々友の家で 
深夜まで語らう
( 詩ノ心 ) 

午前三時 
友の部屋を出て
秒針の音が聞こえる部屋 ....
丘の上の{ルビ叢=くさむら}に身を{ルビ埋=うず}め 
仰向けに寝そべると 
空は、一面の海 

宙を舞う 風 に波立つ 
幾重もの{ルビ小波=さざなみ}を西へ辿れば 
今日も変わらぬ陽は ....
昨日の仕事帰り、バスに乗る時に慌ててポケ
ットから財布を出した僕は、片方の手袋を落
としてしまったらしい。僕を乗せて発車した
バスを、冷えた歩道に取り残された片方の手
袋は、寂しいこころを声に ....
迷える羊の私を 
いつもの空から見守る羊飼いよ 

誰かに愛を求めては
粉々に壊してしまう私を 

自らを嘲笑うかのように 
紅く波打つ海に溺れる私を 

憐れんでください 

 ....
父と母と少年と 
3人家族に囲まれた 
座席の隅の窓際で 
車窓に流れる景色を見ていた 

( あいするひとにさられたばかりのわたしは
( すっかりかたもそげおちて 
( めのまえにみを ....
「 生れ落ちた その日から 
  へんちくりんなこのかおで 
  わたしはわたしを{ルビ演=や}ってきた 」 

という詩を老人ホームで朗読したら 
輪になった、お年寄りの顔がほころんだ。  ....
残業の仕事につかれて夜道を歩いていると、
遠い空の下にいる君の声が聞きたくなり、
携帯電話を持たない僕を、
闇に光る電話ボックスが声も無く呼んでいるようで、
僕は今夜もガラスのドアの中 ....
みえないじぶんをこえてゆく 
ぬげないじぶんをぬいでゆく 
このみをしばるなわをとき 

なみだのおちたてのひら 
にぎり 
しめ 

(ふりかえれば 
(しかばねのごとき 
(む ....
 皆さまおはようございます。昨夜のBen's Cafeの夜を
共につくってくれた皆さまは、今頃それぞれの日常に戻っているこ
とでしょう。僕は先ほど鎌倉の自宅に戻りました。 

 今日はなんだか ....
地下鉄の風に吹かれて 
灰色の階段を上がる 

地上に出る前に 
用を足そうと 
便所にゆく 

入口に 
「 只今清掃中 〜そっと入ってください〜 」 
という看板が立っており 
 ....
平日、日がな部屋に篭り、息が詰まりそうであった。 
暗い部屋の雨戸の隙間から射す一条の光に呼ばれて、
ベッドから身を起こし、外へ出る。 


( 日を浴びて、空を仰いで、息を吸い込む ) 
 ....
仕事を終えると皆は帰ったので、私は独り、
他部署へと続く施設内の長い廊下を渡った。 

白壁の扉を開くと、そこは特養ホーム。正方
形の四隅を結ぶ四つの廊下に並んだ部屋を、
若い夜勤者達は忙し ....
ぼくはきみと 
ささやかな丸石をつみあげたい 

忙しさに追われながら 
過ぎ去ってゆく日々のなかで 


( それは夜毎の厨房で 
( まな板の上でたまねぎの音を刻む 
( 妻の後 ....
夜行列車の車窓。
夜明け前の雪国。 
宙に舞う風雪。
山々の裏に潜む朝陽に 
うっすらと浮かび上がる 
ましろい雪原。  

( {ルビ転寝=うたたね}の合間 
( 車窓の外に離れて浮 ....
しんかんせんが はっしゃする 
ぐんぐんとはなれゆくきみのすむまちへ 
ことばにならぬおもい 
かそくするしんこうほうこうにさからって 
きゅっ とくちをつぐんだまま 
きみのことを すき ....
ひとりの人間の哀しみに
わたしは立ち入ることができない 

十日前に夫を亡くした同僚の 
目の前を覆う暗闇に 
指一本たりとも 
わたしはふれることができない 

( 背後から追い立て ....
目覚めると 
駅のホームの端に立つ街灯の下で 
粉雪はさらさら吹雪いておりました 

次の駅の街灯の下で 
雪は舞い踊っているようでした 

その次の駅の街灯の下で 
雪はまばらに降っ ....
目の見えない人が歩く 
前にいる友の背中に手をあてて 

目の見える僕も歩く 
いつも前にいる 風の背中 に手をあてて 

そうでもしないと 

ささいなことで気ばかり{ルビ焦=あせ} ....
水仙の花のように 
できるかぎりの背伸びをして 
星の花びらの中心に開いた
黄色い唇から 
恥ずかしげもなく 
むじゃきな唄を奏でたい 

( 昔々
( 少年ナルシスは 
( 自らの ....
上司の心ない一言に火が点いて 
職場のちゃぶ台をひっくり返した日
しょんぼり夜道を歩いていると

通り道のボクシングジムから 
ばす ばす と
瞳をぎらつかせたぼくさーの 
ひたむきな ....
ブリキのロボットはひとり
旅先の浜辺に{ルビ佇=たたず}んでいた 

羽織った黒いマントを 
浜辺の風になびかせて   


( 振り返れば 
( 浜辺には長い足跡 


拾った ....
幼い頃に広かった幼稚園の庭。大人になって訪れると
不思議なほど狭くなっていた。密かに憧れていた保母
さんは、ふたりめの赤ちゃんをだっこして。お腹の太
ったおばちゃんになっていた。 

年を重 ....
定年後 
趣味で油絵を始めた親父が 
キャンバスに向かい 
一枚の絵を描き直している

 さっ さっ 

と音をたてると 
窓辺から
午後の日が射すこの部屋に 
絵具の匂いが満ちて ....
ましろい表紙の中心に
産み落とされた
原石の塊
見えない核に宿る(詩)に結ばれ
六つの方角へと 
自らの背を伸ばそうとしている   

( 遠天の夜空に燃える太陽 
( あるいは明け方 ....
たいして金のないわが家に 
いずれ残ったら金をくれと言っていた 
付き合いの長いSさんが来たので 
眉をしかめていた僕は 
家にいたくないので外へ出た 

散歩の途中 
なだらかな坂を上 ....
目が覚めて 
階段を下りたら 
まだ雨戸の開いていない 
暗い部屋の食卓に 
お{ルビ節=せち}料理の重箱が置かれていた 

「 寿 」と書かれた紙に入った{ルビ箸=はし}が並ぶ中 
ひ ....
仕事納めの年末に 
1月から他部署に移動するAさんと 
老人ホームの風呂場を{ルビ掃除=そうじ}した 

「 わたし家では掃除なんか
  ろくにしないんですよ〜  」 

とにっこりほほ ....
中央図書館を出ると 
すでにとっぷり陽は暮れて 
人々が行き交う広場の真ん中には 
イルミネーションのまばらなさえないクリスマスツリーが 
それ以上でもそれ以下でもない素朴さで風に揺れていた  ....
母親が子どもを抱いて 
遠くから走って来る車が横切る前に 
駆け足で道路をわたった 

「向こう岸」の広場に辿り着き 
母の手からそっと地上に降ろされた子どもは 
嬉しそうに両手をひろげて ....
歩道橋の汚れた階段下にある 
自転車置き場に入ると 
頭がぶつかりそうな段々が着地する隅に 
大きい石が一つ置かれていた 

幾度も自転車を置いた階段下で 
今まで見たことのない石が 
 ....
ぽえむ君さんの服部 剛さんおすすめリスト(298)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「_遺影の顔_」_- 服部 剛自由詩10*07-3-4
願いごと_- 服部 剛自由詩15*07-2-28
路上の手袋_- 服部 剛未詩・独白12*07-2-25
羊飼いへの祈り_- 服部 剛未詩・独白507-2-25
「_写真の女_」_- 服部 剛自由詩707-2-25
「_透明人間_」_- 服部 剛自由詩16*07-2-23
また一つ、愛が終わった。_- 服部 剛未詩・独白7*07-2-22
ひび- 服部 剛自由詩507-2-19
「Ben's_Cafe・ぽえとりー劇場」に集まる皆様へ_〜感 ...- 服部 剛散文(批評 ...507-2-19
便所のかみさま_- 服部 剛自由詩1207-2-18
(_空ノ声_)- 服部 剛自由詩807-2-13
「_展覧会の絵_」- 服部 剛自由詩7*07-2-8
石塔_- 服部 剛自由詩9*07-2-8
夜明け前_〜老婆の言霊〜_- 服部 剛自由詩1007-2-6
いずみ- 服部 剛自由詩8*07-2-5
冬の車窓_〜二〜_- 服部 剛自由詩12*07-2-4
冬の車窓__〜一〜- 服部 剛未詩・独白1007-2-4
風の背中- 服部 剛自由詩12*07-1-22
水仙の花- 服部 剛未詩・独白9*07-1-18
さんどばっぐ座- 服部 剛自由詩14*07-1-18
碧いボール_- 服部 剛自由詩9*07-1-18
遠い鐘音- 服部 剛自由詩13*07-1-13
窓辺の花- 服部 剛自由詩14*07-1-12
「_反射熱_」_〜創刊に寄せて〜- 服部 剛自由詩16*07-1-3
聖女のオルガン_- 服部 剛自由詩10*07-1-2
お年玉_- 服部 剛自由詩6*07-1-1
大掃除_- 服部 剛自由詩12*06-12-30
’06_12/22_18:30_@_Machida_〜クリス ...- 服部 剛自由詩11*06-12-22
風の手のひら_- 服部 剛自由詩8*06-12-22
石ノ声_- 服部 剛自由詩7*06-12-21

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する