長男 22歳 
卒業研究題目「二次元突起列を有する平行平板間の流動性」序論 実験方法 結果 エネルギー 有効利用 機器 小型化高効率 熱交換機 伝熱特性向上 工学上重要 問題 壁面 伝熱促進方 ....
1.

洞窟は亜硫酸ガスに満ちている。
酸素濃度計は警告の悲鳴をあげ続け、
俺のマスクは目詰まりしている。
俺が生きているのはどうやら奇跡的なこと。

俺を拒み人間を拒む洞窟世界で、
 ....
☆小山正孝「倒さの草」の場合




草むらに私たちは沈んだ
草たちは城壁のやうに私たちをくるんだ
倒さの草たちのそこの空に白い雲が浮んでゐる
青ざめたほほと細いあなたの髪の毛と
草 ....
雨の下にずぶ濡れていた
左手にワイン
右手にパン
行き場なく

真夜中のスーパーの駐車場
雨を吸い込んだ衣服が鎧のように私を固定する
じゃりじゃりした下着の中では
排泄物が雨と親密にな ....
地下深くもぐり
モールス信号を
生涯送り続けた男が
死んだ
その晩

世界中の
ラジオから一斉に
鐘の音のモールス信号が
響いた
しんでしまうとか

めざめたくないとか
あいたくないとか
たべたくないとか
ゆめをみたくないとか
はたらきたいとか

樹になりたいのだとか
あの灯の中に行きたいのだとか
右手に花を ....
確定されないと
思った

誰とも話をしなくなって
一週間が過ぎ
学校に行くのをやめ
電話も捨ててしまった
人とすれ違い
社会と関わることなく
存在が陽子よりも
小さくなり
消えて ....
1 自然環境におけるチャンスは人間の想像以上に確率の低いもので
  まず心よりも先に愛しいと感じる全ての器官

{引用=参考資料1「2つの景色」より

マウントするのは
野生における♂が
 ....
絵描きの描く肖像画は
どれも本物と見間違うほどの
素晴らしい出来映えだったが
どの絵からも
顔の構成品がひとつだけ欠けていた
片目の瞳だったり
上唇だったり
耳たぶだったり
必ずどこか ....
*

少女からはみでている
魂のゆらぎは
舗道のプラタナスの
青い影の上を
過ぎる一匹の黒猫
そのしなやかな足音は
遠く離れた街の路地で
こだまする



*

透明な空 ....
夏の濁ったにおいに爪先立ち
砕け散った星々の欠片のような
宿命論として小さきものの
俺がいて
夕刻のオランダ坂には
永遠に落下することのない
光の粒子の螺子があって
それは緩やかに巻き戻 ....
 ☆清岡卓行「子守唄のための太鼓」の場合






 ご要望にお応えして清岡さんでいきます(笑)
 と決めたものの、待てよ、そういえば、この詩人の作品、まとめて読んだことがないのでは ....
 君の名はパトリ 白い肌の優しいパトリ
 君の名はリーリ 眩しい笑顔の太陽リーリ
 君の名はディアロ 生傷の絶えない頑固者ディアロ

 世界の色は朝ごとに夜の元素が
 太陽の熱で変質した ....
おやすみなさいとゆめをみない
おはようとめがさめない
こんにちはとてをふれない
さよならとふりむけない
しらないうちにわたしは
がらがらごえのばばになり
ひとりきりでさくらのしたに
ねむ ....
いまはただ
雨が降り
石にしみるまま
あけないおくで翳のかたちを追っている
ひがしの空だけが
ゆるやかに
くちびるをひらき
すきまから虹彩をのぞむ
わたしは
まるい眠りを
かきわけ ....
滑車の前で 光を背に
腕をひろげて 動けずに
崩れ重なる門の残骸
霧を貫く鉄の橋から
したたる滴を聴きつづけていた


霊はいて
雪の地に立ち
応えを受ける
 ....
T.S.エリオットは「アーノルドとペイター」という評論のなかでペイターの『享楽主義者メイリア
ス』について、


   「その内容は古典学教授の学識や感じやすい観光客のイタリー印象や礼拝式に対 ....
そういえば私は批評を読むのが好きだ。詩を読むのが苦痛になりかけているとしても、批評を読むのは苦痛ではない。それは私にとって快楽だ。みつべえさんの批評を読んでいて、思い出した。私は、いい詩を読みたいなあ .... 1 バス待ち


陽だまりの停留所に
車椅子の老人


声かけようか
たとえば
今日もお陽さん輝いていますね
でもすぐそこには冬将軍で
そのブランケットは暖かそうですね
サング ....
(たもつ氏作「透明人間と」に寄せて)
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=271&from=listdoc.php%3Fhid%3D42%26from ....
ペイターはヴィンケルマンの人物像について


   「そこにはいつも、何か新しいものを発見する願望よりも、失ったものをもう一度
    手に入れようという憧れがあるように見える」
    ....
 神様への恨みその他
 いろいろあって
 昆虫に生まれ変わる夢をみた
 キャベツの葉の巻き込みの下で
 今とてもしあわせ

 緑色の天蓋はともすれば
 お祖母さんの匂いがする
 そうだ ....
こびとは手紙の最後に
「こびとより」とそえたあと
「こ」と「び」のあいだに
小さく「い」の字を書きくわえた

しばらくながめているうちに
恥ずかしくなったのだろうか
てのひらで手紙を丸め ....
 ☆佐藤惣之助「燃ゆる町」の場合






 この作品は彼の第2詩集「狂へる歌」のなかの1篇です。

 見よ、冬の強い夜明けを
 彼女はとび起きた

 これが出だしの2行。「 ....
それははちみつのいろ
きんいろにかがやくアスファルト

カーブの手前
かげのように
染みがきえない

きえないでいる

からすの世界はあかむらさきで
いいものだけ光ってる
たとえ ....
恥を知れ無宗教の雑民どもよ
誇りは高く晴天の霹靂を呼び覚ませ
高く見上げた塔の下
無名教会は聖なる言葉に今飢えている

 ....
 何日歩いたか分からなかったが
 見渡す限りはサバンナで
 振り返るとビル郡が
 しかし小山ほどの連なりで見えたが
 向かっているほうは真っ白に地平だった

 喋るのが億劫だったからっ ....
抱えているものは
深く
そこはかとなく
花が揺れている

静かな水の底の
急な流れのように
黒曜石は削られ
砂になる

空の底の風に
小さく笑う幼子のように
声無き声を紡ぎて遊 ....
「石になる」
とは 聞いていたけれど今
あなたを探すと
胸が 林檎になります
魚の群れが夜を飛び
鱗と涙を落としては
何も無い地を焼いていた
火の端々が鳥になり
さらに暗い夜へと去った


雲と砂の波のなかで
魚は涙を閉じていった
白と ....
こんさんのおすすめリスト(180)
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