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電話できいたあの人の声は
限りなく藍色にちかい、
薄紫
遠くに見えるあの人の存在は
夕暮れと夜の境界みたいな
インディゴブルー
思い出せるのは
それだけ。
いま
こどもの頃 よく遊んだ 河原に 来ています
川面にうつる 薄紫色の夕焼けを眺めながら
貴方に心を奪われた いきさつから
貴方と終わってしまった いきさ ....
おとといまでのぽかぽか小春日和から一転
きのうはどんよりと冬枯れが
凝ったような空模様で
天気予報も縞模様を
綺麗に入れる為か
季節の針を先に進める一押しか
下り坂に向かう予想
朝、カー ....
一度も口には出してなかったけどね
すきだよ
「好き」という言葉は、何度も口にしたけど
本当の意味での「すき」は、言ったことがなかったね
ぞくぞくするような毎日
いつでも新しいこと ....
階段通りの野良子犬は
最上段の空を追い続ける
影雑踏の中
隙間雨の中
値札付の足は
ゴミ色に染まり
パンヤ ハナヤ クツヤ
フクヤ ホンヤ イヌヤ
看板色に汚された雨水は
母の色まで ....
枯葉がたくさん 地を這っているので
焚き火をしましょう、と
あなたが言うものだから
ボクは
ライターと 竹箒を
しっかりと 握るのです
この庭中の 枯葉どもを
全部集めようとすれ ....
めぐっているのは
時ではない
願うこと求めること欲すること
は
知っていても
祈ることはいまだ知らないのだから
憧れるほどに
まなざしは遠ざかる
破滅的な情緒で
恋をする ....
11月22日午前3時08分
お母さん あなたが逝った夜
空にはぽっかり月でした
今 あなたの死に顔に口づけします
冷たい頬よ
べにをさせ
あなたの面(おもて)に
私たちの涙が落ちそう ....
じわり じわりと
滲んでゆく景色に
何も浮かばない
黒いばかりの失敗の後にも
得るものは ありますか
歩きながら
理由付けに必死
空にも
この街にも
何も無かった一日 ....
明け方に君の気配を感じなくて目がさめた
ふるふるまわる一人きりのこの朝
手応えのない時間の中で
自分を責める気にもなれず
夜中に帰ってしまった君の想いが
妙にうらめしい
....
準備運動は必要だよね
途中で足がつらないように
君と地球を泳ぎきるため
助走はやっぱり必要だよね
途中で失速しないように
君と地球を飛び越えるため
怖いときは目を瞑ればいい
....
キミが ボクの人差し指を
折れそうな 両手で
必死に
必死に
にぎるから
ボクの
折れそうな 心は
やっぱり 折れて しまった
キミのバイバイと
ボクのバイバイ
違 ....
何事にも関わらず
こだわっていない、と言うのは嘘だ
それは自分を偽っている
それが真ならば、怒りと言う感情はありえないし
その怒りもその実歪曲された性欲だ
思い通りにならなかった過去から
手紙が届きました
悲しい虚しい苦しいみすぼらしい過去から
何億と続けているこの脈拍
えいやっと飛んだバンジージャンプ
生ある ....
フリマの一番隅の方で
いなくなったままの父が
お店を出していた
犬がいっしょにいた
名前をペロといった
父が好んでつけそうな名だった
お店には小さな靴が一足
子供のころ私が履いて ....
長い夢から醒めた僕に
突きつけられた現実の嘘
温めてきた僕の想い
僅かでも君に繋がっていると
信じていたかったのに
届かない声を振り絞り
伝わらない言葉を投げかけて
君の心を待ってい ....
白いノートに
木を三つ書いたら
それが森になりました
空を支えるように
枝の真似をして手を広げれば
わたしもまるで木のようでしたが
何かが足りない気がして
淋しくなりました
....
やがて光が空から降りそそぎ
何かの形になると
それはわずかばかりの質感をもって
わたしたちの背中を押す
わたしたちは少し慌てたように
最初の一歩を踏み出す
でも決して
慌てていたわけでは ....
恋をして11ヶ月目の男と寝ていた
わたしの首筋にある小さなほくろを
男がそっと撫でた 幸福感に鳥肌がたったが
孤独は相変わらず
わたしのへそに隠れていた
コンプレックスになるほど愛し ....
強がり 自分勝手 口下手
でも
弱虫で 寂しがり屋で 友達想いで 優しい
あなたが 今までとは 違う道を 歩み始めます。
私の知らない 新たな道を 進んでいきます。
私は ....
どうしようもない
どうしようもないよ
ばかみたいに ただ いそいでいる
世界はまるで早送りの様
どうしようもなく美しいそれは 視界の隅で何かにかき消されていった
光を辿り
てさぐりまさぐり ....
掌に乗せられた錠剤ひとつで
一体何を観ることが出来る
揺りかごのなかは孤独で平和だ
何かがあるから何かがない
きみはぼくのとなりに
りんごに赤を
空に青を
ぼくにはきみを
きみ ....
人になった人魚は毎夜
海を見て泣くという
そうだろうか
脱ぎ捨てた過去には
もう2度と
袖を通すことはない
どんなに
やさしくあろうとも
もしも
私が人魚な ....
わたしのからだをみて
よく覚めたその目で
きのうできたばかりのほくろ
乳房の産毛 透明色
幸福なときに見え隠れする
目じりのしわ
いつかの傷 主張している
....
淋しさの屋上に幽かな
夕焼けが照らし続ける赤い星
病んでしまった日記帳や
駅前の木々までも染め抜く
まだ朝早い空を見る
しんと冷えた空気をうけて
手先から足先まで肌に朝を行き渡らせる
ペダルを蹴って
まだ朝早い空の
紫の雲に朱が広がり染まるのを
日々異なる角度から瞳の奥に閉じ込めていく
....
なんにも無いところから
花が咲くわけなどないのに
私の目はいつも
開いた色しか見ていない
綺麗な色しか見ていない
いつのまに咲いたのか
どうやって咲いたのか
質問したなら ....
とても悲しいことはわかっています
涙を流しても 構わないということも
十分すぎるほどに 理解しているのです。
線香のにおいにも 嫌気がさすほどに
理解しているのです。
だから、私 ....
ごめんなさい
わたしのほうこそ
あの時にあんなメールを送ったりしたことが
まさかこんな結果になるなんて
それを知っていたらそんなことはしなかった
なんて後悔してももう遅い ....
瞼(まぶた)を閉じ
安らぎに抱かれ
ゆっくりと
ゆっくりと
呼吸する
やわらかく息を吐き
おだやかに息を吸う
くりかえし
くりかえし
やわらかく
おだやかに
息を吐き
....
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