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川沿いに歩いて ようやく
国道まで出た
ぼくたちは、しばしば
夜を迷う
ぼくたちには靴がなかったけれど
それはたいした問題じゃなかった
歩くべき道を
さがすだけの、夜を
迷っていた
 ....
送電線の下をくぐって
アスファルトの海を
ぼくたちは、
泳いで、


はりめぐらされる
緯度や経度に
足をとられながらも
ひたむきに
日帰りの旅をくりかえす
ねむる前、ときどき
 ....
規則的に並んだ 長方形の、
石の上に横たわる
やわらかな、暗室
腕をまっすぐ 前に伸ばして
星座の距離をはかる
おや指とひとさし指で足りるほどの
遠さで
わたしを見下ろしている


 ....
1.

かみさまはいるよ、
って 
教えてくれた人は
もうすぐ死んでゆく人だったけど
それは黙っておいた


だって、あいしてるんだ



2.

きのう、かみさまを見か ....
眠っている、舟の
漕ぎだすその先の朝が、
眠っている


イメージが形になっていく、その
次の瞬間に
雲は切れ、空の裏側にはおそらく
比類なき明日が
ただ 立っている
としても、底 ....
満水の夜に
感覚をとぎすませながら
無数の魚が泳いでいる
距離と、位置と、
上昇する体温と、
そういうものを
止めてしまわないように


蛇口に口をつけて
あふれ出すカルキを吸うと ....
目がさめると
世界は半透明だった


そうか、ゆうべ 
基地をつくったのだ
求めていた体温に
ほどちかいぬるさと
液体でも固体でもない感覚の
その場所で
眠ることは
ひどく ここ ....
ヘッドフォンから流れでる星を聴く白む空に祈る午前5時



昼過ぎの日ざし出窓の水槽でスプリングして七色プリズム




空の手前でカーヴしてはくりかえす「はなれたくない」ロケット旋 ....
国道沿いのマクドナルドで
あなたのシルエットを買った
伝えたかった言葉で
支払いを済ませる
足りなかった文字が、あったような気がする



4時限目の鐘が
モノレールをつたって、とど ....
あやつられる
わたしの背中に糸が生えている
よく見ると
足からも
腕からも
糸が生えていて
どうにかすると口がパクパクする
声だけが違う場所にあって
伝えることができない


こ ....
インターホンが壊れてしまって
不在票ばかり、溜まってゆく
ドアをノックする手を
誰も持たない


再配達を
今日は頼んだから、
夕暮れにつづく時刻に
言い訳を抱えて
ドアの内側に寄 ....
目に見えない時を読めるようになったのは
あのひとと次の約束をするためだった


等間隔にきざまれた目もりを
瞬間の目印にして
大きな流れの中でも
わたしたちがまた、手をとりあえるよう ....
線路脇に建つ家に生まれて
ずいぶんと長い間 そこで暮らしたせいか
今でも 5分おきに
からだを揺らしてしまう


そうやって揺れているうちに
いつしか わたしは
窓ガラスの
3メート ....
低いオクターブで
朝を告げながら
高いところを
水が流れている
知らないあいだに またひとつ
季節をまたいでしまった


雲と空に距離が生じてゆく
そのすきまを
縫いながら、通過す ....
雷鳴にかきけされてく「さよなら」と微笑みながら消え逝く夏よ



画用紙の上でちぎれんばかり手をふるは向日葵それともきみか



欠けてゆく月も満ちてゆく月も紙一重に映す海鏡


 ....
パーティーは散々だった
おやすみ、のあいさつの方角へと
だいだい色のシロップが
ゆっくりと流れて 
しだいに
粘性を増してゆく、
夜の


水の底で ゆうべ、まき散らされて
わたし ....
かくすためだけの
キャミソールに飽きて
このごろは いつも
はだかで過ごしている


夏はまだ
わたしの腰の高さで停滞している


午後4時をすぎると
夕凪に 夏がとけてゆく
 ....
クリープ現象で
夜をすべる
アクセルを踏みそこなった右足で
有明ランプをまたぐと
すこし遅れて
あした が きょう になる


うしろへと流れる景色を手がかりに
恋人だったはずの
 ....
あしもとから吸い上げたあしたの記憶が
葉脈をつたって
四肢に達し
やがて、蒸発してゆく


芽生えを待つからだに
クロスする
光合成の日々
涸れているのは喉なんかじゃなく
わたしの ....
輪郭だけをのこしたまま
あのひとがいなくなってしまったので
いつまでもわたしは
ひとりと半分のからだで過ごしている


明かりの消えた部屋で ひとり
アルコールランプに、火を点ける
ゆ ....
空が割れて
夏で満たされたプールで
泳いでいる
さかなのアンテナで
誰とも触れることなく、すり抜けて
泳いでいる
すれちがう誰もさようならをうたわない


体の中心がどこなのか
わ ....
金魚鉢かすめる涼風の行方知ってか知らずか手招きの夏



逝く春の背中押しつつ背中からはじまるアブラゼミの{ルビ時間=いのち}よ



きみがたわむれてた波ならひとすくい両手ですくって ....
 平均台の上を歩くみたいに、生きてる


 両の手を横にのばして、バランスをとる
 あせってはだめ
 はしるなんて、なおさら


 足もとばかり、見ている
 けど、前を向いたほうがキ ....
きみがさかなになる週末さしのべた指さえ背びれの端かすめゆく



「あいしてる」吐き出す泡の数かぞえ「さようなら」にも見まごう深み



すべての色が吸収され青だけが残る孤独に想いを置 ....
コンクリートの丸いもようは、踏んじゃだめよ
って、
しあわせになれないから
って、
きみが言ったとき
さっき
二度ほど踏んでしまったぼくは
ちょっと泣きそうになって、あわてて
声をだし ....
 水たまり広がる波紋に耳すましきみのリズムでやってくる夏



 砂浜に置いてきたもの捨てたものロケット花火と添い寝する夜



 8月のリップカールのてっぺんで届きますよにぼくのメロ ....
すすんでゆく先には 
行間が待っていて
いつも 立ちどまってしまう


深呼吸、する 
 ( ふかく、ふかく、吸って、
 ( ゆっくり、ゆっくり、吐いて、


ふりかえる
ふりか ....
毎日が 
ずっと、遠浅だったらいいのに

って、言ったのは
あなただったか、わたしだったか、
もう わすれてしまった
うつろいやすいふたりだったから
ただ
手をつないだ

波が
 ....
{引用=晩夏におとずれた出会いを、わたしはいとおしくてたまらなかった。}


最初のデートでどこへ行ったかも忘れてしまうくらい、あなたのことだけを見ていたので、わたしたちにはアルバムをつくる時間 ....
手をつないで
深いところまで、いってしまった


引いてゆくまにまに
記憶の砂がすれあっては
かすかに音をたてる
ノートブックの波に
毎日つづった、日記
夕立ちをよけて、キスをして、 ....
ルナクさんの望月 ゆきさんおすすめリスト(69)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
朝の方へ走ってください- 望月 ゆ ...自由詩25*06-2-18
ブレス- 望月 ゆ ...自由詩55*06-2-4
仰ぐ、空の視界で- 望月 ゆ ...自由詩1406-2-2
かみさまについて学んだいくつかのこと- 望月 ゆ ...自由詩80+*06-1-6
漕ぎだす波の、浅い- 望月 ゆ ...自由詩24*06-1-4
夜明けの水位- 望月 ゆ ...自由詩57*05-12-10
寒天の内側- 望月 ゆ ...自由詩1205-12-3
【短歌祭参加作品】_追伸_:_さがさないでください- 望月 ゆ ...短歌1405-11-14
白日、みる夢- 望月 ゆ ...自由詩22*05-11-4
カラクレナイ- 望月 ゆ ...自由詩24*05-10-30
過去の届く午後- 望月 ゆ ...自由詩40*05-10-17
サーモクライン- 望月 ゆ ...自由詩25*05-10-15
揺れない時間- 望月 ゆ ...自由詩26*05-10-12
流れてく、頭上の、- 望月 ゆ ...自由詩22+05-10-6
夏のフィラメント_- 望月 ゆ ...短歌15*05-9-25
過酸化水素の夢- 望月 ゆ ...自由詩45*05-9-16
夕凪にとけてゆく- 望月 ゆ ...自由詩31*05-9-11
ディスタンス- 望月 ゆ ...自由詩16*05-9-9
クロロフィル曲線- 望月 ゆ ...自由詩16+05-9-1
透明な宿題- 望月 ゆ ...自由詩65+*05-8-20
満水の夏- 望月 ゆ ...自由詩37*05-8-15
泡立つ未来- 望月 ゆ ...短歌23*05-7-16
バランス- 望月 ゆ ...自由詩17*05-7-9
みなそこテラス- 望月 ゆ ...短歌8*05-6-11
空をみていた午後- 望月 ゆ ...自由詩49*05-6-8
メトロノームの夏- 望月 ゆ ...短歌37*05-5-30
行間の、過ごし方- 望月 ゆ ...未詩・独白15*05-5-26
とおい日の、ホライズン- 望月 ゆ ...自由詩19*05-5-23
清算されてゆくかなしみに- 望月 ゆ ...自由詩11*05-5-7
かなしい、さかな- 望月 ゆ ...自由詩25*05-4-30

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