夏のフィラメント 
望月 ゆき

雷鳴にかきけされてく「さよなら」と微笑みながら消え逝く夏よ



画用紙の上でちぎれんばかり手をふるは向日葵それともきみか



欠けてゆく月も満ちてゆく月も紙一重に映す海鏡



終息の気配を乗せてカブリオレ 海沿い、国道、信号の赤



鍵穴を見つけて鍵が見当たらず3日遅れで旅立つ夏よ



午後のイメージが色あせてきみの上降りくる夜の涼しさ、ためいき



オーダーメイドの夏をまた来年も纏うため有酸素運動



午後6時の青のとばりが加速して明日の今を追い越すまでに



波の手ざわりと青のにおい残してきみを連れ去る夏の輪郭






高くなる空を追いかけ発光す「ばいばい、またね」夏のフィラメント



短歌 夏のフィラメント  Copyright 望月 ゆき 2005-09-25 15:08:58
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