あなたの温かみと重みが
わたしの存在に加えられる
その重みで
わたしは少し沈む
ほんの少し
沈む、あなたのわからない程度に
支える四本の脚
と呼ばれている、それは
わたしの言葉
....
なんとなく気分のいい日には
枝を揺らす風だとか
キラキラした川面だとかを
鼻歌にして口ずさむ
そうやって
枝を揺らす風はやさしいなぁ
キラキラした川面はきれいだなぁ ....
ドラッグストアーって
もっと危険な場所だとおもってた
アイーン
シュタイーン
漢検一級に出てくるような
難しい二字熟語にすることで
失われたものを詩にしたい
分裂しかけている腐りかけ ....
メディ知家のウンムラウ兎葬 Loopすモデの指輪r×finのピン
扉ヲノ・ノックinアトリAir、コデ韻ショウerのカーゼの中
笑ラフ塗装の赤.no墓に 踊るO$銅貨の王 he鳥の影n'月下に
....
灯台で夜明けを待てばすこしずつ世界は回り海が生まれる
田園を静かに渡る鉄道のすべての窓に死者達の顔
寝室にまき散らされたビー玉の光のなかに夜が満ちてる
熱帯夜大家に黙りバスタブに ....
むすんで ひらいて
また むすんでひらく
輝きは どんどん増してゆく
それは分かる
何かを手にする度に 人は何かを落とすらしい
そうしてバランスをとるんだって
誰かが言ってたよ
でも ....
理由とか
言い訳とかで
きっと空は窮屈なんだ
自由とか
愛だとか
きっと雨であふれてるんだ
別れとか
嘘だとか
羽が痛いに違いない
憂鬱鳥の
青 ....
影が隙間から
抜けてくるように
薄い木綿のシーツを
引っぱってきて
路上でなびかせてから
敷いて昼下がりのお茶を飲む
時を隔てたような
杭州のぬるい息づかいが
湿ったまま身体に{ ....
再会の地に佇んで草臥れた
10年間待ったけどまだ来ない
樹海では磁石が効かないから
GPSが必需品といったのに
頑固なデジタル嫌いなお人なの
あの人は古臭い
ゼンマイ時計が好きなの ....
今日が終わる
その少し手前で
ひとつ足りないことに気づく
いつものように
君を送りとどけた駅で
「またね」でもなく
「さよなら」でもなく
「ありがとう」でもない
ひとつ ....
貴金属コーナーに群がる高校生は
鼻で笑えたけど
たくさんの買い物袋を両手にさげて信号を待っている中年夫婦を
バスの中から見た時
手袋をはいていない手も
雪の上での足踏みも
会話からもれ ....
事象の先に 行き止まる 今
深く 古いところから 聞こえる声を
身体の底で 聞いてみたい
全てを統べるものなど いない 今
うたは 身体の奥深くにだけ 響く
うたは 身体が かた ....
夏が欠けていきます
溌剌とした空の滴りを
濃厚な季節が吸い尽し
あとはさらさらと乾きゆくだけです
さっきりと出た月の高さも
いつの間にか伸びて
変わりゆく時は
青葉さえ少しずつ朽 ....
あの日から、
背負ったこの柱は、
復讐だったのかもしれない。
だがもういい。
もういいんだ。
おれは後数日で、
十五から背負い続けた、
柱を下ろし、
そ ....
朝からクワガタ
クワガタの話かよ
下あごの話かよ
さん、はいっ
「下あごの話かよー」
ご飯はゆっくりよく噛むこと
ほらあれだ利口になるから
両親は本日もご健在
飯をバクバク食う ....
ディック(スラングで男性器のこと)
ディック
原色の街で出会った少女
国道から七面鳥までを許し
キャンディから微酔までを憎んでいた
深海の瞳と嫋やかな脛と
ディック
拷問 ....
僕らが歩き出す衝動は
希望なのかもしれない
その過程でいくつかの
意味のようなものを口に含むけれど
次々と廃棄しなければならない
進めば進むほど薄くなるものを感じながら
やがて一番 ....
輪郭だけをのこしたまま
あのひとがいなくなってしまったので
いつまでもわたしは
ひとりと半分のからだで過ごしている
明かりの消えた部屋で ひとり
アルコールランプに、火を点ける
ゆ ....
汗染みだらけの帽子を目深に被って
叩きつけるような陽射しの中
スーツ姿のサラリーマンの流れに逆らうように
足早に歩くあなたを見かけました
頬には汗が幾筋も流れ
まるで涙のように見えました
....
子供が行きたがっていたはずの
遊園地に行った
子供が恐がるであろう乗り物
恐がらないであろう乗り物
そのひとつひとつに順序良く
そしてなるべく丁寧に
乗っていく
スタンプカードがたまった ....
散乱する格子らに
畏まって居られないらしく
文字達が泳いでいる
水族館にしては蒸し暑いし
少しも苦しくない
もともと肺呼吸がとくい ....
檸檬
光る檸檬が
見ていたかった
まだ
ナイフを入れてはいけない
その酸味が
私を殺すから
そして
いつしか
レモンが衰えて
光らなくなる
そのとき
はじめ ....
サンディの煙草は誰にも止められない
と、誰もが思っていることを
サンディはなんとなく知っている
黒く長い髪
茶色のひとみ
その他の身体的特徴
にもかかわらず
サンディといえば
....
(詩と作者)
私が詩とつながることはいい。
私が詩とつながらなくてもいい。
私=詩でも、私≠詩でも。
また、
作者=詩でも、作者≠詩でも。
ただ、詩の「作品」を、作者本人に結びつけ ....
雨、
雨音
ヒグラシのリズム
おもむろに始る
朝のデカダンス
雨が沁み入る
抗体のしきたり
生き足りて苦痛です
滅落して遊ぶ生態は
蓄音機になりたいのだ
潰されない虫に ....
買い物袋から
オレンジが転がったのは単なる偶然で
私の爪の端っこに
香りが甘くなついたのも単なる偶然で
果実が転がり出さぬよう
そろりと立ち上がった頭上に
飛行機雲を見つけ ....
入院してる友達のために折ってるのと
その子はちょっと淋しそうに
鶴を折っていました
それを手伝おうと
わたしも折ったのですが
できあがった鶴の
羽を広げようとしたとき
その子 ....
すべてが終わると
その町にも銃を担いだ人たちがやってきた
彼らはこの国の言葉や
この国の言葉ではない言葉で話すものだから
町の人々はますます無口になった
少年は喧騒と沈黙でごったがえ ....
くもり。非常階段へ続くベランダからは大き
な白いビルが見える。本当は白ではなく薄く
濁っているそのビルの外壁には大きなヒビが
いくつか、ひとつ、ふたつ、崩れ落ちるよう
な気配。ジェニファーの俊 ....
言葉で武装してはならない
言葉を武器にしてはならない
争いは銃からではなく
言葉から始まることを知らなくてはならない
言葉で武装してはならない
言葉を武器にしてはならない
言葉の扱いが ....
1 2 3 4 5 6 7