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3列にお並び下さい
3列に並んで到着をお待ち下さい
3列目のお客様には特別の駆け込み乗車を差し上げますから
到着するまでは静かにお待ち下さい
殺風景な
公園前派出所にも
桜の花を飾る皆 ....
信じるものは
必ず裏切る
その
摂理を許しながら
壊れたものは
壊れたまま流される
暗闇が
暗闇のまま発光するように
欠けたものは
その空虚を慈しむ
欠落は甘い
それを知るも ....
くらげに刺されて
手がしびれ、
正座をしていて
足がしびれ、
肘をぶつけて
腕がしびれ、
血を抜いて
唇がしびれ、
眼が合って
心がしびれ、
ニュースを観ていて
頭がしびれ、
....
幼き頃
大事なおもちゃは全部弟に取り上げられた
母に話してもお兄ちゃんだからがまんしなさいと言われた
よく妹をいじめて遊んだ
そのころの楽しい思い出が僕には全然ない
家庭の ....
知っているのですか
あなたと
わたしが
手を合わせる
その意味を
つなぐ、と
つながれる、の
隔たりをあなたは
まるで何も
知らないかのように
この寂しさを
知ってくださ ....
登戸を過ぎて
多摩川を渡る
東京が網を張っているから
みつからないように
知らん顔する
空を飛ぶ鳥はカスミ網に捕まる
水を泳ぐ魚は投網に捕まり
もぐらもちのように河底を潜るか
電車 ....
{引用=冬}
一月
夢から覚めた
中世の僧たちが
山の僧院から
列をなして
出てくるところだった
杖を突きながら
歩いていた
暗く
葬列
そのもの ....
ほほほと笑う
かにかにかにと縋る
草臥れた王様たち
不満だらけの猫
傷ついたサソリ
みんなの地球が
細くなるね
鉛筆削り
お金が欲しいと
知らん顔する
僕の良心に
ふ ....
遺さずに
消えるものはない
指先で
痕をなぞると
血の滲む感触
知っている
拒んでいる
肌の震えは
接する場所を
浮き彫りにして
揺れる
境界
けれども
破れることなく
....
なにとはなしに 夕方おきて
産婦人科にいったらしまっていて
ちょっと不安なきもち抱えながらで
なにとはなしに
電車にのって
ぼやんとしたくて 各駅停車
下北沢まで ひとあそび
....
「悔いのないように」と思うだけで支障がないというなまぬるい生活
君のいなくなった十月がやってくる
と思い出したその日に
決まって雨が降ったり
風が吹いたりするわけではない
ましてや
今日もまだじっとりするような
暑さの残る日に
君の住む町も同じよ ....
車道に向かい 身を傾けた
コンクリートの猫
雨あがりの光を狩る
壁のほうに入口を向けた
朽ちた小さな犬小屋
墓標のように
玄関の脇にある
死ぬも生きるも別れるも
みんな時刻が釘を打つ
閉じた電車のドア開けて
彼女を内緒で乗せてやる
冷たい男の腹に乗り
電車の車輪は空回り
モーターギヤ付きブレーキ掛けて
プラットフォームに降 ....
わたしは
ここから地上を見ている
大気で霞む昼にも
誰かが見つけてくれる
よく見れば味気ない天体であるのに
そんなに想うのは
わたしが最後の衛星だから
振り返らない
嘘の顔
嘘の ....
私の創作 ≒ 純粋な殺意
誰も知らないまま
微微 暗礁にネクロマンサー {ルビ轆轤=ろくろ} バリウムプリン ベロ噛みチュー
紫脳幹 騎乗位の棺 パブロックエンハンサー 45ガロ ....
どんどん晴れろ
どんどん晴れろ
中庭の水を持っていけ
空の向こうのもうひとつの窓
外の見えないガラスだけが
....
温泉にいた。ぼくはKさんと二人っきりで露天風呂に浸かっていた。Kさんは恋人にふられたと言う。二人でそのふられ話をしていると、 Kさんは感極まったみたいでぼくに抱きついてくる。腕に胸の感触がする。
....
海辺の夜、わたしたちは畳の部屋で本を読んでいた。父と母はど
こかへ出かけていた。わたしは「太閤記」を読んでいた。母の子
供時代の古い本。兄と弟が何を読んでいたかは覚えていない。父
と母が旅館に戻 ....
天使の羽と羽のあいだに
指を一本差し入れたなら
天使もあなたもその刹那
よろこびのなか
気を失うだろう
ようなし
声がしたので
いよいよ来たかと覚悟した
用がないなら帰るよと
帰り支度をしたら
洋梨の皮を剥いている
たくさん貰ったから
お裾分けだといいながら
たくさん剥いてくれる
....
去年の年賀状の返事も出さないうちに
また来年がやってくるというのか
引っ越してからまだ一度も
開けていない段ボールがひとつある
正直怖い
お引っ越しのお祝い返し?
オノレはキャンディー ....
人の仕事までとって
頑張ってみせても
それ
本物じゃないでしょう
アナログでごめんなさい
真似すればいいなら
得意なほう
だけど
私の作ったものを
愛してくれてありがとう
....
上野まで
行けるかしら
イチョウという名の銀杏
黄色がふる
「君と行きたい」と
言ってみてはだめですか
無意味な
意味のあることを
君としたい気がしたのだけれど ....
長雨の続く夕刻の水溜まりに影が映ることは
ない。泥水のように濁るわけでもなく、清水
のように色も無くすべてを透過するわけでも
なく、それは雨水と呼ばれるものと酷似して
いる。事実、それ ....
ちくしょー、平太郎のヤツ、ばっくれやがって
俺のことまったく知らないだとー、あいつ
いてーなー、もう勘弁してくれよ
なんだよ来てんの真理だけかよ、ふざけんなよ
ああー、絵里、絵里、なんで見捨て ....
わたし
(現象する
音声に燃えていく
{ルビ紅=くれない}する
空ろな現存の呻き
青ざめる{ルビ夜=よ}
鋭くかげる新月に
引かれる心音のにじみは
血管を震わせて
蒸発してゆ ....
混むから夏コミ
違うよ
頭をぽかり
兄貴はタバコを吹かしている
そんなことも分からない中学生の弟が歯がゆくて
ため息混じりに煙を吐いて
二階の部屋に閉じこもる
計算機
機関車
....
あの頃、君に告げられなかったことを今
***
ねぇ、君
冷やし中華を誰よりも早く始めたいの、とはりきる君の姿が僕は好きだったんだ
ねぇ、君
扇風機の首フリに合わ ....
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