すべてのおすすめ
信じるものは
必ず裏切る
その
摂理を許しながら
壊れたものは
壊れたまま流される
暗闇が
暗闇のまま発光するように
欠けたものは
その空虚を慈しむ
欠落は甘い
それを知るも ....
知っているのですか
あなたと
わたしが
手を合わせる
その意味を
つなぐ、と
つながれる、の
隔たりをあなたは
まるで何も
知らないかのように
この寂しさを
知ってくださ ....
遺さずに
消えるものはない
指先で
痕をなぞると
血の滲む感触
知っている
拒んでいる
肌の震えは
接する場所を
浮き彫りにして
揺れる
境界
けれども
破れることなく
....
長雨の続く夕刻の水溜まりに影が映ることは
ない。泥水のように濁るわけでもなく、清水
のように色も無くすべてを透過するわけでも
なく、それは雨水と呼ばれるものと酷似して
いる。事実、それ ....
くもり。非常階段へ続くベランダからは大き
な白いビルが見える。本当は白ではなく薄く
濁っているそのビルの外壁には大きなヒビが
いくつか、ひとつ、ふたつ、崩れ落ちるよう
な気配。ジェニファーの俊 ....
言葉で武装してはならない
言葉を武器にしてはならない
争いは銃からではなく
言葉から始まることを知らなくてはならない
言葉で武装してはならない
言葉を武器にしてはならない
言葉の扱いが ....
大江戸線のホストは
千代田線に乗ることができない
みどりの色の
まぶしさにうつむいて
落ちていく
その先に
大江戸線のホストは新宿で降りて
それから
鼻をかんでみる
する ....
さよならの温度が肌に絡み
満月が揺らぐので私は
消えていったあなたのために
右の頬を撫でてあげる
幾たびも満ち欠けを繰り返すあなたに
満月は寄り添うので
もうそれ以上
満ちることはな ....
竜が獲れた。これで数十年は村の食料だけで
なく地位も名誉も安泰なのだろう。ウマサ(*1)
が長と何か話しているがここからは聞き取れ
ない。若い者が数名命を落としたらしく、笑
みの合 ....