気がつくと きみは
魚になってしまっていたので
ずっと
きみを知っていたのに
はじめて見たような気さえした
望遠鏡をのぞくと いつも
波がよせては砕け
飛び散る
セロハ ....
水びたしの指で
コンセントに差しこもうとした
叱られた
しらない世界はいっぱいある
目のまえのオーブンの火照りもしらない
けれど追いかけたりしない
食パンにまかせて
いいとおもう
....
どうにもやるせない自転車です。雨水の玉つぶてなサドルの革を「そうでもなく茶色だ」と言って、拭き取ればままよ、と走りました。光、スロウ、アウェイ。そして溶解するするりとした残像を肴に、ウィスキーに言い訳 ....
ろくがつの洪水の夜に
しばらくぶりに泳いでみたが
溺れるすべを知らない僕は
たいへいようおうだん
とうとう魚になってしまった
今となってはもう
せめて、魚大好き!な君に食べられたいと
だ ....
「あー、腹痛かぁ」
と言いながら休憩室に入ると君がいた
「からだの調子の悪かときって、脈の速うなるとよ」
君がそう言うので
僕は脈を計る
手首の付け根をさまよう指
(見つからな ....
初恋が終わっていない
夢を見て
シンプルになって
目を覚ます
午後
一本のメールで
今日の予定がすべて狂った
夕べからの心の準備も
無駄になった
これからのからっぽの時間は
メールが来なかった方の未来に
嫉妬して過ごします
焼 き 魚 泳 ぐ 世 界 は 詩 の 世 界
前 世 で の 僕 ら ふ た り の 墓 参 り
夢 枕 寝 グ セ で 立 っ た 先 祖 さ ま
ね み み み ず 寝 間 着 ....
飛行場だった廃墟に忍び込むと
僕は思わず
飛行機になってしまう
両手を広げ
雑草の生い茂った滑走路を
全力疾走
夜風は冷たくて気持ちがいいな
思わず顔が微笑んでしまう
いつの間にか「キ ....
バラバラで、それは上下の問題ではない。波打つとか押し寄せるとかではなく、スッと入ってくるそれは曖昧な塊だけれどちぎれた雲ともすこし違って、ピントはあっている。ところでピントに気づくのはふとした時で、た ....
最初から誰のために生きるかを母子手帳にでも書いてあったら
ゲームなのシュミレートなら任せてよ 幸せよりもドキドキが好き
夢ならばキミの生きるべく道ならば迷わずアタシくらい捨てちゃえってば
....
まろんまろんな、かなしみだ。貧血でクラリとするときのあたまのイメージは、からっぽでしょう。カウンターパンチで、どう?投げて様子見、投げて様子見で、過ぎていくは時計の針、折り折りだよ。四角いだけのビート ....
あれ
紺色に透明な夜に降り続いてこじ開けた
明けたら砂糖水がいつのまにかこんぺいとうになって
「お早う。」
揚々と
響く頭が予想以上に甘くなって
甘い 甘い 甘い 甘いと
踝がだるく ....
シャッフルして上海された。ぼくらはアスファルトに寝そべったままの、夏の夜なのです。気がつくと彼は東京されていて、ぼくらはそんな近視で眺めるいつものぼやけた月を「冗談だろ?」と問い詰めたりしている。しり ....
そんなもんはすべて、知らないフリだ。
そんなもんは。だ。
左から右へ焦燥をフェードしてつきぬけるのは、たとえば車が走っていって、硬質さが強がりをほんのひととき掠め取るのは、たとえば ....
(1)
僕は眩暈をおこし倒れゆく途中、眩暈の原因はこの部屋の絨毯の模様がどうにも見慣れない形に変わってしまったからだということに気づき、しばらく斜めになったまま考察を続けた。
(2 ....
陽が当たらないこの部屋には夜が堆積したまま、おはよう。
けして眩しくはないけれど、それは挨拶だ。
腕を下にしていたのでしびれた。下敷きが平たく硬いのは、しびれずに楽に生きていくための防 ....
ニュー。ニュー。
新しくなることについて考える昼すこし前の柔らかい光だ。
上着のポケットにしまっていた石を垂直に投げる。加速度と重力。そう、加速度と重力がせめぎあうその瞬間の曇り空に、押し ....
壊れない
程度に抱くんだ
きつくきつく
その程度で
私?
私は大丈夫
柔らかいのは一つの凶器
どんな形にも
あなたの腕をすり抜ける
自信があるからここにい ....
着信音を歌うよ
ここにいることを忘れないように
ぼくらには耳から入って 沁みこむものが多い
指折り数える
どうしても欲しいものに 妙な気をはりめぐらせ
何だか耳鳴ることばかりで
た ....
圧倒的にはみ出さない
駐車場の白いワクに
タイヤが
かかりませんように
そんな毎日を送っているのは
たぶん
踏み出す勇気とか
広がる意識とか
そんなものに欠けて ....
駅のホームは終電まで1時間の23時で、ぼくは「のりかえ」が「チェンジ・ヒア」と訳されているのに気づく。「チェンジ・ヒア」というのは「いる」ところからスタートしているが、ぼくらは「いない」ところからスタ ....
卑猥だ
どうしてか 椎茸が卑猥である
もう寒くもない夜に自転車を走らせて川べりに行く
警察官に止められて ライトをつけろと言われ
彼らもこう見えて 楽しく生きているといい
上々な証拠 ....
ねぇ君
久しぶりに天気もいいし
どうだい一緒に伐採でも
まぁ素敵
世界中の大木をなぎ倒すわ
わたしとことんやっちゃうから
ウィンク
すごくチャーミングガール
僕もすかさず斧 ....
自転車のサドルってやつは、大抵ピッタリしているものだけれど、一瞬どこだか忘れてしまうその名前はさておき、色はタンカーから流れ出す按配の、石油的な黒だ。とにかく座る場所なんだけれど、それがそいつはどうも ....
ベランダに産まれた雛を祝福します
遠吠えでもいいでしょうか
忙しさに そぞろにかまけます
できないものはできないので
ベランダで空地の雑草が生い茂ります
今なお 石に躓く幼さですから
....
あいあい傘は
左側の方が好きなんだ
利き手で
あなたを守りたい
青信号の色は淡い水色にちょっと緑色がかっていて
クシャミとも咳ともつかぬ勢いですり抜ける
ぼくらは
マンホールの下に流される水の色を確かめる術がないので
黒い地面の バリエーションにとんだ想像 ....
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もちろんYES
YESYESYES
並びに並んだ
あなたの名前
あなたの名前
あなたの名前
ときどきクリックしては
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あな ....
今朝、レモンを産んでしまった
それは、色も形も匂いもレモンそのものだった
もし産んだのが卵だったら対処のしようもあったろうに
なんでレモンなんか産んでしまったんだろう
レモンに耳をあてると ....
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