寒波ならキレキレの夜冷蔵庫ふるえるきみかふるえる空か
前方の窓に窓らにアクセルの踏みつける後に拭ききれぬ痕に
黄信号まんまる月の注意なの前へ進むの右に曲がるの
対向車無数の街灯無数の ....
おまえがほんとうのことを口走る度に
鳥の翼から羽毛がぬけ落ちる
世界はやせ細り 目に見えるものすべてが
絵に描かれたものとして溶けてゆく
たとえば可哀相な妹が
人に知られぬ速度で後退する時
....
想像もつかない未来がきたとしてそれでも言葉は消えないだろう
できるだけ近づくことを目的に携帯電話が進化していく
消耗を減らす進歩が未来でも無駄を愛する癖が消えない
一瞬も止まることな ....
中指から先に
地に付け 飛び立ち
光を
奪うように吸う
ひとつの緑
とどろく緑
水滴の世界に
隣り合う水滴
手に余るものはこぼれ
いつのまにか芽吹き ....
伝わらぬ想いは水に成り果ててかたち失くした器かなでる
しあわせの過ぎる時刻もわからずに待てど狂えど来ぬものは来ぬ
冬空の鉄は緑に手は鈍に雪か ....
{引用=まだまだ探す気ですか?
それより僕と踊りませんか?
井上陽水『夢の中へ』}
「明日も全世界の空にオーロラが架かるでしょう」と ....
水に姿と色を浮かべ
二枚の白い布をひたして
染まるもの染まらぬもの
ただそのままを見つめている
渇いた指で手のひらに
水がほしいと幾度も書くとき
空をまわりつづける葉は ....
こんな気がする。
書きつけるぼくらの身の上は怠惰で、
ありふれた人に、靴下の夜に、
まるい、まるい気持ちを。
ぼくには、いざというときはないからだ。
とるにたらぬ ....
風流を語るにはちと近いぞ空
幾層もの雲の下気も触れない
提灯を連ねる紐が犬臭い
冬の射程に傾く夜の地平消ゆ
闇夜に一枚の壁が見え透いていた
台からの見晴らしに落ちんとすれ ....
小指が曲がらなくて
指輪がはまらない
意図しない動きから海中を流れるくらげまで
水面に浮かぶポリ袋が
月明かりを反射した
まぶしいとは言えないまでも
指輪を包むには充分すぎました
輝 ....
絶滅のかけらを掴みそこに透く生物たちの重みで沈む
生まれたのが坂の上だから 死ぬまでは下り坂のが一つ多いよ
爪に刺す赤は死因で最終の電車に名前はつけられていない ....
満水の夜に
感覚をとぎすませながら
無数の魚が泳いでいる
距離と、位置と、
上昇する体温と、
そういうものを
止めてしまわないように
蛇口に口をつけて
あふれ出すカルキを吸うと ....
海へと向かう夜を見ていた
蒼い蒼い
光を見ていた
光をぬぐう水の手が
冷たい曇に触れていき
たくさんの小さな影をつくった
影は夜通し降りつづけ
肌の上で
....
言霊は無色透明たどりつくところによりて色を変えゆく
雑然とした日々のこと雑踏の中に紛れて目を閉じないで
ありのままそのままでいい君の目はくるっていない間違ってない
戦場で逃げ惑うひと ....
眠り明け
耳鳴り低く響くので
夢のはしから余白を殺す
しゃらしゃらと林檎をむいてゆくひとの
まつげは綺羅とひかる音楽
唐突に遠さを知った花の色、あれは残響怖くないもの
....
ほつれ湧き出る緑の影
ふいに生まれ溺れるもの
双つの空と迷いの木々
巡りかがやく枝と枝
無数の緑のなかの一葉
空に立つ空
こがねの樹
波打ちながら遠去かる陽
金は緑 ....
縦に長い城が見え対岸であり草を刈る
拇印舐めるひとさしゆびはおかあさん
天井のゴム跡とがる
日に日に ねむるごとに
木陰から飛んで弾む砂地永遠にも似て
窓向こうは逆風 数年前 ....
(6) 引っ越し
「俺、引っ越すんだ」
「え・・・急に・・・、どーして今まで黙ってたのよ!」
「いや、なんかか、言いづらくってさ」
「バカっ、そんな大事なこと、ギリギリまで黙ってるなんて」 ....
「あの光、鉄に運ばれ折れ曲がる!」(聞くともなしに?)「聴く友無しに!」
行方には何も満たない満たせない欠けた器がただ響くのみ
赦されしこの道のりが生な ....
きみが目を閉じても風は草原を夜空を海を旅してまはる
涸れてゆく泉にきみの瑠璃色の絶唱とわに不滅の予感
雨の駅、雨のバス停、雨の庭。きみが ....
月曜日赤子の代わりに「うを」を飼う子宮の中でひれがたゆたう
「うを」のかげ腹の中より出でにけりお祝いをするの火曜日の夜
水曜日部屋の窓辺を遊泳す私の「うを」はきれいな人魚
....
(1) 予兆
パソコンがどうもいつもと違う音、カラカラカラと変な音を立てていたら
・パソコンの寿命が間近
・良くないことの前兆
・中のハムスターが暴れている
のどれか。ハムスター ....
腕を手にとって くずれる千鳥足 星はあそこに 私はここに
ただ猫と 話がしたい 冬の日に 男の気持ちは わからないねと
囁きと RedJeans まだ香る 指先重ねた 夏の終わりに
....
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=54978
『淫猥ナース2〜深夜病棟二十四時〜』をレンタルする上で『風と
共に去りぬ』と『博士の異常な愛情』の間に挟 ....
頬を追い越してゆく風と
手招きをするような
まばゆい光
目指すべき方角は一つだと信じて疑わず
出口へと向かって
足を運んでいたつもりだった
不思議だね
振り返ることは敗北では ....
ねむりたい頭のうえの冬蜜柑
渚なきからだ横たえ冬を聴く
白髪に月がふたつの冬夜空
斃れるはきさまだと知れ雪つぶて
おのれこそ ....
小鳥には季節が1つありません 彼らの羽の色にまぎれて
ぼくの好きなあの季節なら放置したサドルが先に知ってしまった
音楽の授業で歌う君が代の歩みで雪が降り出していた
....
{引用=僕らって何億個もの細胞を失う為の焼却炉だね
ピッピ}
天 ....
{引用=澄んだ光の菜の花 そうしてかざした手のひら
数を数え飽きたらすぐに ここまで走っておいで
....
出土せねば欠土とし学者母の墓前へ
閉じられた形跡のない倉へ続く道
こうも容易く陽動されては虹の赤へ
段差為すべきこと為し静かな養老院
阻む樹液 交響楽団 森を出 ....
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