すべてのおすすめ
いま、ここでできること
わたしのなかの
もう忘れた 日々のなかの
灰の底で まだ暖かなものを
はだかの ゆびで つまみ
てのひらのなかで
そっと 吹きかけていくこと
ああ 雨が窓を打 ....
首都である、あるところは
ありさんが3列縦隊をしているかのような忙しさ
『なにをそんなに急いで歩くのか?』
田舎もんは疑問に思うんよ
そんなに急いだら、あの唄のようになっちゃう ....
きらきら光る
虹のような泡
静かに舞い上がる
水晶のような泡 ....
釣れた、釣れぬは
問題ではなく
私が尋ねたいのは
「何が釣れますか」
それだけ
どうぞ素敵にこたえて下さい
たまたまの数秒
真偽は気になさらずに
私もまた
....
「かえして、ねえかえしてよ、あたしの世界。」
ばらばらになったのは、
あの日、
窓から自分の身体を放り投げたのは、
わたしたちという、世界そのものである。
あなたは、
蓬髪をさかだてて ....
赤き発疹の星座が
麗しき額にきらめく
まだ若き神は
近所の中学校の陸上競技の選手で
夕暮れ
白いショートパンツを紅に染め
黙黙とグランドを走り
ときに
バールの数センチ上を飛び越えるこ ....
今にも泣き出しそうな空
鬱屈する憶いまで塗り込めていく
しらちゃけた大地に空が投げキスのダイブ
待ち詫びた花弁にもジャンプ
透明な繭になって落ちてくる
ぽたぽたと追憶を綴る
忍び込む甘 ....
雨の日のピアノの音が好きだ
お前も 雨が嫌いなの
そんな憂いた声で鳴いちゃって
あたしはあんたの 雨の日の
鳴いた声が一番好きだ
だからそんな
機嫌悪 ....
入院してる友達のために折ってるのと
その子はちょっと淋しそうに
鶴を折っていました
それを手伝おうと
わたしも折ったのですが
できあがった鶴の
羽を広げようとしたとき
その子 ....
りーぶみーあろーん。
あしおとをたててちかづかないで。
そんなうすっぺらいことばであたしをおこそうとしないで。
こうしてるのがきもちいいの。
おとのないところでだいのじにねころ ....
青白い踊り子たちが
フォークから零れ落ちたコーンに
見とれてる間に
輪郭を失ったこの口を
青林檎のちぎれた指先で
そっと息を止めよう
トロピカルドリンクが売り切れる前に
真夜中 駅のホームでは
たまにカレーの臭いがする
それは風みたいにすぐに流れて消え去って
僕がもう一度白い息を吐いたときには
その形すら思い出せなかった
そういう夜は電車に揺られながら
....
森のかなたへ
碧をたどる
濡れた黒髪
指でなぞる
空をそのまま
うつしたような
蒼のしずく
ぽとり
ぽとりと
堕ちてゆく
ふかい水路へ
そこから生 ....
同じになったためしがない
あなたを
追いかけて
私は走る
あなたは
いなくなったけど
私は走る
いつか
走ることだけの
私になってる
あなたが逃げるから
私は追い ....
もともと
あてになる眼ではないけれど
それでも
夕陽の色彩くらいは
心得ている
川辺は 減速を始めている
木立は 瞑想を始めている
鳥達は 安息を始めている
あきらかに夕陽の時 ....
どうしようもないくらいの
空の返還が
わたしに帰ってきた
わたしの唇は青いことでいっぱいになる
空に着歴がある
それは長い長い数列
雲は遠くの蒸気と会話したりするけど
やがて話が尽き ....
想い髪を切りにゆく。
君が嫌いだったこの長い髪。
君に逢うために切りにゆく。
あれから一度も切っていない。
そんな泣かせることは言わない。
何度だって切っているし ....
めを つむり
くちづけを待つ
1びょう 2びょう
めを あけて
みえたのは
うすぐらいてんじょう
鼓動の早さだけが
熱を帯び枕に響く
子供が扉をあける 暗がりの重い扉を
そして漂うように群集を掻き分けると
重い扉の先の道を一人で歩いていく。
鋼線の擦れ合う音が身体を刻んでいく。
ふと、懐かしい声が耳もとをかす ....
頭上一面に広がる
果てのない青空
雲も 霞も 霧もなく
手を伸ばしても届かない
高みに
もっと高みに
果てのない青空
抱えきれないほどの
太陽光の乱反射
中空に浮かぶのは
ピン ....
まるで森の中にいるみたいにいい匂い
なんて君が言ってくれるから
僕は手を木のようにひろげて
君を抱きしめてみたのだけれど
そうやって抱きしめるほど包まれる
くらくらとする君の匂いのほ ....
どこかですれ違っているとしても
ただほんの少しの我がままで
月が昇るまで、
朝陽が昇るまで、を繰り返した
無言の目が
今にも刺さりそうなほど
すれすれに突きつけて
僕はそれを見ないふ ....
硝子細工の
幾つかの重なりは
小さな風の溜まり場をくるくるとかき混ぜて扉を揺らし
丘に続く小道を夢見るのです
夏が降り
気まぐれな模様を織りなして
あのひとの指に留まった雨粒が私の
....
その日 二人の間にあったのは
「愛」ではなく
「コーヒー」だった
しかしすでに冷めきっているという点では同じだ
彼が口付けたのは
「私」ではなく
「コーヒーカップ」だった
どんな味か ....
ここはどこなのか
どこへ行きたいのか
漂いたいのか
辿り着きたいのか
皆目見当がつかないまま
暗闇の圧力に悶えながら
手探りで求めるのは
だだひとりの人の温もり
深い闇の中に堕 ....
お花畑があって、
あるいはお花畑があることを切にねがって、
分不相応なドレスを身にまとった娘さんが、
いい年こいて錯乱して走り回ってます。
「おほほほ」なんて言ってます。すごいですね。
....
わたしだけのあなたにする
別の方法を
あなたが教えてくれたら、よかった
夜更けからの5時間にあなたがくれるもの
を、わたしは
朝の温度と同じスピードで
いつも、殺した
死にきれな ....
0
プラズマ
プリズム
スコープの内側
気を失いそうなくらいに
星空だけがキレイだった
1
キラキラと一本に光をうける溝のなかをビー玉が転がっていく
....
沈みかけた夕日に
灰色のカーテンを浸せば
世界は爆発する
*
うつくしい言葉を残すのはやめろ
あれは悲しみで あれは俺じゃない
まぶしいくらいの陽光が
ジリジリとアスファルトを焼く
左肩にのしかかるリュックサックの重みは
4月にしては暑すぎる街に似ていた
コンクリートの中で咲く 黄色の花 ....
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